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エンマンドが巨大化するに至るまでの物語が
ここで明かされた…
エンマンドは
ガイオンの民側の技術で
巨大化したわけではなく、
ミラ側の『侵略生物生成』のシステムを
自我をもったまま乗っ取ることで自ら巨大化、
しかも自分に取りついている寄生型ミラをも
自分が巨大化することで
その自我を失わせて抹殺しようという…
ここしばらくの回で語られてきていましたが、
その
自意識の強さといい
プライドの高さといい
さらには実行できるだけの
行動力と自制心といい、
エンマンド、マジで半端ないな…
ここまでやりのけてくれる悪役側って
最近のどんな作品でも見かけたことないような気がします…
これまで思考パターンとか倫理観とか
人間の枠を超えた存在であるように描かれてきた
エンマンドの思考や行いが
今回はその理由や背景が描かれることによって
読者側から共感できるように描かれている気がする…
たとえば前回、
寄生されるまで無表情ヤンエグ系だったエンマンドが
ラストで口角を挙げた表情になるところが描かれましたが、
今回、
おそらくはミラに反逆の意志を一切悟らせないため
自分のメンタルトレーニングという意味も含めて
ずっと温和で従順に見えるその表情を続けているように描かれている…
(しかも現在に至るまでそれを続けているという…
)
ここにきて
これまで語られてきた物語内で謎だった点について
色々な種明かしがされてきていますが、
エンマンドのあの微笑を
唯一崩したのが今回の若ダイゴさんだったという
そのあたりの描写も凄いなぁ…
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◆コウノスケ「ゴダイゴダイゴ」
71話 (感想)
内容のネタバレ普通に含みます。未読の方はご注意。
バクくんもこのパターンだったのかぁ…
今回、エンマンドの巨大化に至るまでのからくりが語られて、
ミラ側のシステムを逆に乗っ取ったということが明かされましたが、
他に明らかになったのが、
・ガイオンの民が「塔」を敵視していた理由
・空間の歪み=ミラの母星とつながる超次元トンネル
という2点。
伏線回収どんどんしてくれますねー
また、ここで思い出すのが「ゴダイゴダイゴ」
19話~
25話
名古屋のバクくんが巨大化、巨大ヒーローになるに至る物語。
バクくんもまた郷土愛や友情をもとにして
ミラを乗っ取る形で巨大化したわけですが、
…いやよく考えるとバクくん実は凄くないかこれ
エンマンドと同じことをやりのけちゃって、
さらにはバクくんの自我を持ったまま
『蜃気楼型怪獣スタイル』にも自分の体を一部変えちゃうという…
※そういえばこの中の20話でダイゴさん、バクくんのサイズ感に
「やっぱり巨大化のメカニズムが違うのかな」って発言を…
19話の『勝手に巨人になった少年』に対応した言葉だと思っておりましたが、
これってガイオンの民側の技術ではなくて
ミラ側のシステムで巨大化したことを指していたかもなんですね…
…となると、ダイゴさんは?
バクくん巨大化の謎までは解明されて、
そうなると謎なのが
ダイゴさんの心の中の寄生型ミラらしき何か。
なんですよねぇ…
今回
71話の p.12あたり、
エンマンドは『自分に寄生しているミラを抹殺する方法』
として、自身の巨大化を図ったわけですが、
これ、ミラがエンマンドを巨大化させようとしないことから
エンマンドが類推して賭けに出ただけのことであって、
実際にそうなのかはまだ(一応)不明。ということになっている。
巨大化を止めようとするミラの反応や
「巨大化すればエンマンドの自我は失われる」
「寄生している私(ミラ)ごと」
という発言からすると、
「寄生しているミラがエンマンドを操れなくなる」であろうこととか、
「エンマンドが寄生ミラごと自我なき蜃気楼型怪獣になる」可能性とか
そういうことは考えられるのですが、
「ミラを抹殺できる」と確定しているわけではない。
エンマンドは『彼(ミラ)の最期となった』と認識しているけれど、
実はこの寄生型ミラは自我を失いつつも生き残り、
なんらかの理由でダイゴさんの心の中に寄生することになった。
だからダイゴさんが語りかけてもミラからの返答はないし
寄生していてもミラがダイゴさんを操っているわけでもない。
ということっぽいなぁと予想
さらに
ダイゴさん自身の巨大化については、
59話で描かれた過去のエピソードの中で
ガイオンの民に「単純に肉体を巨大化させる技術」があり、
また東京を守るダイゴさんを見て
「我々から奪った技術」と明言してもいるので、
これはミラ側のシステムで巨大化した
バクくんやエンマンドと異なり、
ガイオンの民の技術で巨大化したことに間違いはなさそう。
エンマンドのミラが
いつどのようなタイミングでダイゴさんに乗り移ったのか不明ですが、
この予想が正しいとなると、ダイゴさんは
「心の中にミラを寄生させ」ながら
「ガイオンの民の技術で巨大化」した
「地球人ヒーロー」であるという
3つの陣営の要素が合わさった唯一の存在
ではないかと予想されるわけです。
これが円満な結末への布石になったりするんじゃないかなー、
そうじゃないのかなー、とちょっとドキドキしてみたり
さらに今回明かされた事実として
『蜃気楼型ミラ』は『寄生型ミラの宿主たる個体に従順』
ということは、
ダイゴさんの中のミラが自我を取り戻すことで
『蜃気楼型を取り込んだエンマンドは
寄生型ミラが内部にいるダイゴさんに従順になる』
みたいな可能性も微レ存…
しかしダイゴさん、なぜ止めた?
しかし今回謎なのが、
巨大化しようとしたエンマンドを
ダイゴさんが止めようとしたこと。
実は偽りであったとはいえ、
クリスくんとダイゴさんの2名は
新世代型兵士となるべく
人間の巨大化実験の被検体だったわけで、
つまりは人間が巨大化することそのものに
拒否感があったわけではないのに
なぜこのときダイゴさんは
エンマンドを止めようとしたんだろうか
という謎が…
エンマンドが自分に忠実なクリスくんを寵愛し、
自分に逆らうダイゴさんは敵視する、という、
これまでの物語の中で描かれてきた
この3人にまつわる関係性の決定打が
ここでなされたのだということは理解できますが、
ダイゴさんがなぜエンマンドを止めようとしたのか、
その理由については何の説明もまだないので想像するしかない…
ただこのときダイゴさんが咄嗟に「エンマンド
さん」と
敬称つきで呼んでいることから、
2人の関係性はここでは悪いわけではなさそうなので、
訓練を受けてきた兵士ではない人間が巨大化するという事実を
単に心配するがゆえの行為だったのかなとも思えます。
実際どうなんだろう…
もしかしてダイゴさんが巨大化した理由って…
ここで
第1話に戻って考えてみると、
ダイゴさんは30年前の時点で
『世界で唯一の巨大ヒーロー』ではあったものの
最初に巨大化した人という描き方はされていないっぽい。
今回、おそらく人類としては最初に巨大化した人である
エンマンドを見ての感想が
「悪魔」であり
それを眺めて冷や汗までかいていることからして
肯定よりも否定の感情の方が強いことは明らかなので、
この時点から先、ダイゴさんが巨大化するに至るまでに
どれほどの物語や葛藤があったのかというのを
ぜひ作者さんの筆で描いてほしいものだと思っておりますが、
この展開から想像すると、
そもそもダイゴさんが巨大化してヒーローになった理由は
もちろん襲来する怪獣から人類を守るためでもあるけれど、
実はこの「エンマンドを止めるため」だったんじゃないかと
思ってみたりするわけですが如何に
ここにきて
過去に起きていた出来事が語られて
物語の背景がどんどん明らかになって、
これまでの ヒーロー vs 怪獣 という構図の
熱い展開にハラハラさせられるのもいいですが、
物語そのものの深み重みが増してゆくのが
胸にずんとくる感じでいいですよねぇ…
次回もまた楽しみです
そういえば以前
エンマンド = Unmannd ではないかと予想しましたが、
エンマンドはこういう形ながら
間違いなく人類を愛してはいるんですよねぇ…
人類側がこのように愛してほしいかどうかは別として、ですが…