化石が玉手箱?
、アンモナイト化石です。ロシア業者より購入。購入したときには、こんなにぼろぼろではありませんでした。むしろあんまりピカピカ金色なので、これ本当に黄鉄鉱なのかと疑問をもっていたほどでした。たとえば真鍮製だとか。ところがしばらく放置していて、最近出してみたら、こんな風に朽ち果てているではありませんか。黄鉄鉱はこんな風化はしません。真鍮もこのような状態にはなりません。こうなるのは黄鉄鉱(パイライト)ではなくて白鉄鉱(マーカサイト)だったからだと推測します。黄鉄鉱と白鉄鉱は見た目ほとんど変わりません。成分も同じ、いわゆる同質異像です。ちがいは水分があると壊れていくといわれていることです。現実にこわれています。でもそれじゃあどうして地中にあるときには壊れずに長くきれいでいられたのか不思議ですよね。理由ははっきりとはわかりませんが、多分水分そのものというより、酸素による酸化が壊れる要因なのだと思います。黄鉄鉱も白鉄鉱もいわば硫化鉄なのですが、それが酸化すると、硫酸と水酸化鉄もしくは酸化鉄に分解します。日本のような湿度の高い大気中にさらされると、硫化鉄が硫酸と水酸化鉄に分解するんでしょう。こわれて正体がわかるってなんとも悲しいですが、真鍮のマガイモノではなかったことに安堵です。台座はちょっと嘘っぽい代物で、全然変質していません。金色の粉をまぶした当時のままです。これにも笑ってしまいました。この化石のあるべき場所は、おそらく粘土質のような酸欠地中なのですね。出したらこわれた玉手箱です。