ドイツとギリシャ;ユーロの限界
最近EUとギリシャの間でごたごたしています。借金を返せ、待ってくれ、だったら政策を示せなどと。世間では圧倒的に大きな比率で、怠け者のギリシャと勤勉なドイツという構図になっていますが。これってちょっとおかしくないでしょうか。そもそもユーロという国家を超えた通貨統合には、最初からこういう問題があることは専門家なら皆わかっていました。日本と韓国中国間で通貨統合なんてありえないでしょう。あり得ないことをやったのがEUです。ドイツが過去のマルクのままであったなら、通貨が強くなりすぎて、マルク高がドイツ経済の足を引っ張ったはずです。他のだめな国家を抱えてユーロに通貨統合をしたからこそユーロ高にならず、関税も掛からないユーロ貿易圏の中でドイツは大もうけできたわけです。このドイツにとって実に都合のよい構造、ちょっと不公平ではないでしょうか。通貨が同一なら同一国家としてとらえるという通常の通貨概念で見ると、ドイツにとってギリシャは国内問題なわけであり、ドイツがギリシャの借金を背負うのは当然の帰結なわけです。それがいやならドイツこそユーロを離脱してマルクに戻りなさいということです。この論理はおかしいという人もいるでしょうが、ここにこの問題の本質があると思います。ドイツを叩かないのはちょっと片手落ちではないでしょか。ここに共通通貨=ユーロという考え方の限界があるのだと思います。イギリスのポンドのままという考えこそ普通なのですね。