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キャシテライトというからわからない。
錫石といえ、そう怒られそうです。 そういう私も鉱物のカタカナ名をずいぶん忘れてしまいました。 そういえば、その昔茨城県笠間市の山の中に冬に入り、 イノシシをおそれながら、 大正鉱山跡をさがしてうろうろ。 ようやくお目当ての錫石の小さな自形結晶がついた石を見つけて、 その結晶をはがし、持ち帰りました。 ところが、家に帰って見るといくら探しても その結晶様がおかくれあそばして 、どうやら天国へ旅立たれたご様子。 他に持ってきた数個をルーペで見ると、 一個にようやく結晶が水晶結晶に交じって光っていました。 キャシテライト=錫石=二酸化錫です。 金属錫の主要鉱石でもあります。 花崗岩マグマの熱により熱せられた高温の熱水鉱床の石英脈に 析出するのがタングステン重石や錫石など。 ついでにトパーズや蛍石も付随する場合がありますが。 この石の指をさした部分がキャシテライト=錫石だと思います。 というとマレー半島は花崗岩がたくさんあるようなので 錫石もたくさん採れます。 その出方は、上記のような山の石英脈にあるのではなく、 それが風化して砂のようになって川に流れます。 錫石は重く、風化に耐えるので、 流れの淀んだ部分に集中して濃集します。 長い年月のうちに川でなく土に埋もれたりもします。 それを掘り出すのです。 下の写真は掘り出している様子です。典型的な露天掘りですね。 川か池を掘っているので、浚渫(しゅんせつ)と書いてあります。 昔はクアラルンプールの近くのいたるところが掘られたようです。 その巨大な堀のいくつかは現在池や湖のようになっています。 昔、すずは青銅の成分として使われました。 その後耐食性の良いすずはブリキとして鉄の表面に使われました。 でもいまはそれほど多く使われなくなり、価格も低迷したままです。 錫の世界的な産地だったマレーシアもいまはあまり掘っていません。 天然ゴムも減少し、錫も減少の一途。 石油も今はありますが埋蔵量的には それほど先々まで明るくはないようです。 でもリッター60¥は日本の約半値で、魅力的ですよね。 と言うことでマレーシアは次世代を担う産業の近代化が急務なんですね。 日本だって、お家芸の大半が韓国中国などに追い抜かれてしまいました。 とても他人事ではありません。しかもどこの国の真似もできません。 家に帰ってから、先日片づけをしていたら、 錫の合金であるピューターのコップが出てきました。 表面に鋳物のきれいなレリーフがあります。 確か昔昔ドイツで買ったもの。 この錫は一体どこの錫? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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