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マラッカからクアラルンプールの近くまで戻り、
セランゴール川へ向かいました。 川辺に生えるマングローブの葉を食べて生きる蛍がまたたく様子を 手漕ぎボートに乗って眺めるというものです。 ![]() さて、夕暮れのセランゴール川です。 満潮時なので逆流していました。 勾配が少ないためですね。タイの洪水と同じ状況です。 熱帯地方では蚊の媒介する病気がいろいろあるので、 強力な虫よけスプレーを露出部にかけました。 マラリアはほとんど大丈夫だそうですが、デング熱が心配です。 ライフベストも着ました。 準備万端です。 あたりは蛍鑑賞のため照明一切なし。 手漕ぎボートで漆黒の闇の中へこぎだすのは不気味でもありました。 蛍が逃げるといけないので写真撮影は一切だめ。 フラッシュなしでは無理です。 ですから以下のつたない説明から、 目をつぶって妄想してください。 ![]() ボートは静かに滑るように進みます。 あたりはひっそり静かです。 しばらく進むと、いました、いました。 まるでクリスマスイルミネーションです。 同調して明滅を繰り返しています。 周期は1秒以下です。 ここの蛍は日本の蛍より小さいです。 一つの木に何百という蛍が止まり、同時に明滅しています。 木が呼吸しているかのような明暗のくりかえしです。 色は白色ですが、妄想が着色して極彩色にさえ見えてしまいます。 空にも満点の星屑が輝いていますが、 またたきはほとんどみえません。 蛍と違い、星は凍ったような無機質の光です。 日本の空よりすぐ近くにたくさん見えます。 空と地上で無音の光のショーが競い合っているかのようです。 ふと、気がつくと、一匹の蛍が私の手に近づいてきました。 反射的に握ったら、その端の方でじっとして光っています。 手をゆっくり開くと、蛍はふっと飛んで、 相棒の肩に止まり、そのままそこで明滅しています。 「お父さんが会いに来たのかもしれないね」というと、 「そうかもね」と呟きました。 此岸と彼岸をつないでいるかのようでもある、 不思議な不思議な蛍達の演出でした。 ![]() 感動的なショーが終わると、 船はゆっくり滑るように船着き場に戻りました。 しばらく余韻に浸っていました。 当初は蚊にさされるのがいやだなというマイナスイメージでしたが、 予想外の感動がありました。蚊もほとんどいませんでした。 自然はかけがえがないですね、見るとわかります! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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