今回のワインはこれ、ボルドー・
フロンサックの隠れた(?)銘酒『オー・カルル 1998』。前回の
クロアパルタに続いて20年近く経過したワインで、これまた当時はミッシェル・ロランが確かコンサルタントをしていました。
いずれも
マイセラーで20年近く保管したものです。 また、最初に飲んだ切っ掛けは、いずれも
平野弥です。
果たして、20年近く経ったワインのテイスティング結果は ...
Haut-Carles 1998 【Chateau de Carles】
【畑情報、栽培と造り】
南東を向いた石灰粘土質の土壌から高品質のブドウを栽培。
40人の作業員が手作業で収穫し、15人もの人数で4回ものセレクション。100%フレンチオーク樽で新樽率100%で驚異の24ヶ月熟成。
2003年にクリスチャン・ヴェイリー氏(ラフルールやガザンなどで醸造コンサルタントとして敏腕を奮ってきた有名エノロジスト)が監修し、新しい醸造所と貯蔵庫を建設。
そして、ワインへの負荷を避けるためにホースでの移動は5m以内、ポンプを一切使用せず重力によってワインの移動を実施。
オーナーはステファン・ドルーレ氏(Stephane Droulers)。
(2012年のコンサルタントはアラン・レイノー。 エノロゴはJean Philippe Fort。
1998年当時は、醸造コンサルタントは確か当時隆盛を極めた“ミッシェル・ローラン”。)
( これまた20年経っているとは想えない濃いルビー。
そして、クロアパルタと違ってコルクがかなり長いです。
但し、エチケットは至ってシンプル。面白味に欠けますね!現在はボルドーらしくシャトーの絵が入っています。) |
【ワイナリ・ワイン情報】
オー・カルルはフロンサックでも歴史のあるシャトー・ド・カルル(Chateau de Carles)の特級ワインであるスペシャル・キュヴェ。シャトー所有の15haのうち、選りすぐりの5ha(メルロ90%、カベルネ・フラン5%、マルベック5%)を収量35hl/haを使って造られ、フレンチオーク(500L樽)の新樽100%で18ヶ月熟成。
(この比率が、1998 当時もそうだったかは判らないですが、当時はメルロ 100%と思っていました。因みに2011はメルロ99%らしいです。)
【簡単なテイスティング・コメント】
- 色と香り
・色は未だ未だ濃く、縁には全然オレンジは入っていない。20年近く経っているとは想えないルビー。(ひょっとすると、例の凍結セラーの低温劣化の影響かも?)
・香りは最初から開いていて、黒糖のような甘さを連想させる香り(砂糖煎餅?)に、
果実香がシッカリ残っている。それにドライフルーツの熟成香も。イチジクとは一寸違っていて、プルーンか?
でも、時間が経ってもあまり変化はなく、妖艶性や複雑性では劣る感じ。(この点がメドックの1,2級には及ばない点かも?)
これが本来のレベルなのか、低温劣化のせいなのかは"?"。 - 味わい、料理との相性
・味わいは、かなり滑らかになっていて美味。最初からコクもあり、かなりのレベルと感じたのだが、その後の変化・高まりがない。(落ちることもないが ... )
・料理との相性では、ピリ辛チキンスティックも牛肉コロッケも合うが、牛肉コロッケの方が合う印象。口に入れた時はピリ辛の方が酸味と合う感じがあるが、アフターで最終的にはコロッケの方が合う感じとなる。多分、タンニンが揚げ物の油と合うのかなぁと思う。
・チーズでは、モッツアレラはワインが勝ってしまい、ゴーダは塩気が強く補完のマリアージュで合う。
でも、レッドチェダーが一番合う。 そして、それらや牛肉コロッケも含めて、1番合うのが牛肉ステーキであった。 - 評価、その他
・20年経ってもグランヴァンの香り、優しい味わいは健在で、相変わらずのコストパフォーマンスだと思います。
但し、格付けワイン(と言ってもボルドー3級以上)に比べると、複雑性や奥行き、滋味深さは及ばないのかなぁという感じです。
また、熟成させた香りの変化・面白味には欠けると思います。と言うか、格付けワインとの差が顕著になるかと。
・澱は壁面にビッシリ付いていて、クラシカルなボルドーらしくかなり出ています。
|
購入元はこちら ⇒ 松尾酒店(購入は2000年12月で、名前のメモしかなく詳細は不明で、
この店かどうかは分からないです。他には購入経験なし。)
オー・カルルで検索しても出てこないので、既にネットショップはやっていないかも。 |
【買えるショップの紹介】 ( 当然 1998なんてなく、最も古いのが2005。最新(?)は2014 です。)
キタザワ ⇒
シャトー・オー・カルル[2012]
グランソレイユ ⇒
シャトー オー カルル 2005
ウメムラ ⇒
シャトー・オー・カルル [2009]
これも前回のクロアパルタ同様、当時の流行りの濃くて柔らかいワイン(そう、あのカリフォルニアみたい)ですね。
クロアパルタはフランスの富豪「ラポストール家」という商売人がやっていることもあり、
当時の倍以上の価格になっていますが、この
オー・カルルは職人気質というか、商売気ないこともあり
価格は2千円と上がっていません。まぁ、
消費者にとっては有難いですね!
コルクが長いのは品質への拘りだと思います。