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カテゴリ:漫画
ノノノノ(5) 仇をとれなかった… ひょっとして私 金メダルなんて夢のまた夢で… お父さんやお兄ちゃんの想いも果たせずに… 今までしたこと全部 無駄だったんじゃ… 最新刊…ではありません。今月第6巻が出たのでね。 父をバカにされ、ノノがうみの彼氏ハンスと勝負することになった第4巻からの続き。そらの妹、うみが何故これほどまでに「野々宮悠太」を敵視するのかが分かりました。その理由が悲しすぎる。そして10年前の、ノノの父の由良悠介(ゆらゆうすけ)のたった一度の転倒で、今もその過去に囚われている人々も。悠太が火事で死なずジャンプの才能があれば、ノノが男だったなら、そもそも由良悠介があの時転倒さえしなければ、全て防ぐことのできた悲劇です。大人達が悲しい過去から這い上がることができず、否応なく十字架を背負わされた彼等の子ども達が新しい明日をつくるために戦わされる、実はつらい物語です。ノノが「私超かっこいい!!」という笑顔の下でどれだけのものに耐えているのか。変態ラブコメの要素に救われます。 3年ほど前、父の海外赴任に付いていくことにした、そらの妹のうみ。中学時代、オーストリアに行くかもしれないうみが、その時はまだ生きていた野々宮悠太に決死の告白をすると彼は「ジャンプの練習がある」と彼女を冷たくフッた。 もう野々宮と顔を合わせたくないと、姉を日本に残し自分がオーストリアに行った半年後、うみは友達からの手紙で姉が野々宮悠太と付き合い始めたことを知らされる。打ちひしがれ、自分も野々宮の夢を打ち砕いてやるとの復讐心から自分に告白してきたハンスと付き合い始めたうみ。交際の条件として「あなたがジャンプで金メダルをとってくれたら考えてあげるわ」と言ったらハンスは「いいよ そのくらい」とあっさり承諾した。中学生になってからオーストリアに渡ったうみがドイツ語ペラペラなのかというのは疑問かもしれませんが、私自身が小6から3年間アイルランドに在住していたので、10代の頃から3年近く海外で暮らしていれば言葉は覚えられると私は思います。逆に日本人の彼女を溺愛しているハンスが日本語ペラペラという線もありますが。 コインを投げて、ノノが先に飛ぶことに。オーストリアで一番強いと豪語するハンスに「君にはオーストリアを代表して赤っ恥をかいてもらう」とノノが飛ぶ…! 斜面を駆け下り、スピードを上げ、ものすごいG、ジャンプ台と重力にはさまれていた体が思い切り空へ--はじけ飛ぶ!! 掲示板の134.5mの数字、呆気にとられる観衆。「おいおいふざけんな!!」と叫んだ銅メダリスト槙野慎二。その日ノノは、槙野慎二のバッケンレコード(そのジャンプ台の最長不倒距離)134.0mを超えた。 うみの口から明かされるハンスの正体は、すごい才能を持ちながらもそれを腐らせている、想像を絶する怠け者。サッカーでキーパーをやっていたのは「走らなくていいし楽だから」、スキージャンプを始めたのは「リフトで上に登って滑り降りるだけで楽チンだから」、汗をかくのも一生懸命になるのも大嫌い。 野々宮悠太に復讐するためにハンスを育ててきた、毎日お弁当を作り、ジャンプ台まで送り迎えし、練習後にマッサージし、全部この日のためだったのにハンスが負けちゃう…。ノノの圧倒的な実力を見て、もう面倒くさいから帰ろうとしたハンスはいつも笑っていたうみが、競技台の下で泣いているところを初めて見ます。 感情を表に出す人間が嫌いなハンス。その理由は、自分が心を動かされてしまうから。 なんとゲートを下げ、スタートするハンス。「ふっ……ふざけるな!!」と怒るノノ、条件が変われば勝負が成立しない。ハンスは「すぐにそこへ行くよ」と飛ぶ。君をいつものように笑わせてあげようと。 一瞬、勝敗の分からない興梠。「ハンス!! ハンス大好き!!」と駆け寄って抱き付くうみ。ノノよりも不利な条件で飛び、ノノを超えたハンス。ノノの完敗。勝ち誇るうみ。 勝負に敗れ、泣き崩れるノノ。初めて天津と勝負して負け、泣いた時(第2巻)にはまだ気付かなかったんですが、ノノはすごく重いものを背負わされてます。女の子男の子という以前に、背負わされたものが大きすぎる、絶対に負けられないという思い。泣いてしまうのも無理はありません。 ずっと悠太の夢をつぶすことばかり考えていたうみも、こんな展開、全然うれしくない…。 ハンスはノノに君も十分強いから泣く必要はないと言う。ただ、決定的に欠けているものがある。それは「Angst(恐怖)」。その意味は自分で考えろ、と。 日本ジャンプ界のエース、槙野慎二はなかなか大物だとノノに声をかけ「由良悠太」と名を呼ぶ。野々宮悠太ではなく由良悠太と。自分は10年前、確実だった金メダルをお前のオヤジに潰された。あの時のジャンプで不幸になった者がここにも…。槙野慎二は2年半後の冬季オリンピックで大ジャンプをして自分の金メダルに貢献しろとノノに言う。ノノを励ましながらも、彼女に重いものを背負わせる大人がここにも。何故父の姓が「由良」でノノの姓が「野々宮」なのか、その理由はまだ分かりません。 夏休みが始まったばかりなのに元気のないノノ。興梠の言葉も届かない。ノノを「女装癖のある男」と思っている興梠は、ノノの目に付く所にフリフリのお洋服を吊し、それに釣られる単純なノノ。興梠のさりげない優しさ、元気を取り戻し、フリフリのお洋服を着てお出かけするノノ(笑) 貧乏だったノノは電車賃片道650円もかかる長野市内まで行けば知り合いにも会わないだろうと、女の子の格好で楽しくお出かけ。そらさんと待ち合わせお食事お参りショッピング。女の子だとバレないようにと心配するそらさんに「だって電車賃往復1300円もかかるんだよー?」、その根拠、ものすごく希薄。目の前に現れる、皇帝を見舞いに市内に来ていた天津と岸谷、そして皇帝本人。 幸いまだ気付かれてない。岸谷と皇帝は「ノリコ」ちゃんと紹介されたその子に「すごく可愛い」と一目惚れ、女アレルギーの天津は無反応。5人で喫茶店に入り、遊園地へ行こうと言い出す皇帝。 遊園地ではしゃぐノノ。そらさんは知っていた、お金持ちのスポーツであるスキージャンプを兄に続けさせるためにノノが中学からアルバイトをしていたことを。 楽しい変態ギャグの、救いのエピソードになるのかと思いきや、自分と一緒の時にはジンマシンが出ない天津への、ノノの想い。 「まあ天津にとって私は… 男だからね どっちみち天津に相手されないよ…」。 お互いの正体に気付いている天津とノノは「野々宮」のことを語り合う。野々宮は「親のカタキ-- その息子だ」と言う天津。だがそれは親の代までの話で、「銀メダルコレクター」のレッテルも屈辱も、全ては自分が金メダルを獲れば済む、そして「野々宮悠太は--おれが唯一認めるジャンパーだ」「本人の前じゃとても言えないが… おれは あいつを尊敬してるんだ」。 翌週、札幌で行われる大会に出場するためにスキージャンプ王国の北海道へ旅立つ奥信高校スキー部。北海道出身のノノの心配事は、地元で悠太の昔の知り合いに会わないかどうか。そして「男」として天津と岸谷と同じ部屋に泊まること。 悪い予感は的中。夜の10時に女湯に切り替わる旅館の風呂、野々宮の声が聞こえたので中を覗く岸谷。そこにいたのは一目惚れしたノリコさん、そんな偶然、あるわけないだろ!! 今まで通り野々宮と付き合えるだろうかと思い悩む岸谷。しかし悩む暇もなく予定通りに訪れる大会の日。ノノの前に、悠太の死を知らない、兄の中学時代の先輩が現れる。悠太のことも、妹である自分のこともいくら悪く言われても、けなされても陵辱されても構わない。でも他のみんなまでバカにされたら黙ってられないと、栗橋(くりはし)というその先輩を殴り倒す! そこへ同じ雪野高校の去年のインターハイ優勝者真岡(まおか)が現れ、ノノの胸ぐらを掴む栗橋を止める。あれが真岡と知り、ノノが思い出す、小学生(中学生?)時代のトラウマ。 競技は定刻通り始まり、栗橋は野々宮悠太だと思っているノノに自分との実力差を見せつけてやると、強い横風の中K点まで飛ぶ。 強まる横風、脳裏をよぎるハンスの『君には決定的に欠けているものがある』という言葉、そして一本目から見えてしまう兄の幻。 青になる信号。この風は危険すぎると天津が止めるのも聞かずノノは飛ぶ。高く、速く、気持ちよく、何も心配する必要などないと空を舞い、横風に巻かれ空中でバランスを崩し…地面に叩き付けられる…!!! 胸を強く打って吐血しているノノに駆けつける救急隊員、服を切って脱がせろ!! 「やめろ!!」と制止する、ノノが女だと知っている岸谷。 天津も野々宮のことを知らない…! 「やめろ!! 野々宮にさわるな!!」 今すぐ手当が必要、でも服を脱がされれば女とバレる。なんて気になるところで途切れているんだ!! お薦め度:★★★★☆ 一巻が濃い! そして、つらい。つらいんだけど、読んでいて嫌ではない。 「亡霊が見えると失敗する」というオカルト的な部分がどう説明されるのかは気になります。 透明ブックカバーはこのサイズ 透明ブックカバー☆B6版用ブックカバー(10pack)☆ にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 31, 2009 02:15:06 PM
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