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カテゴリ:櫻井秀勲の目
近頃は地球上に棲む動物や昆虫、鳥、魚などの体の性能や習性を研究し、それを製品に応用することに成功している。
たとえば私たちは、蚊に刺されても痛みを感じないが、蚊の針を研究して、痛くない注射針がつくられるようになった。関西大の教授とベンチャー企業の共同成果だ。 フクロウは鳥の中で一番静かに飛べるという。それによって音に敏感な野ネズミなどを捕獲するのだが、ここに注目した新幹線技術陣は、翼形パンタグラフを発明して、500系に生かしている。騒音を信じられないくらい、押さえることに成功したのだ。 メルセデス・ベンツでは、かわいいハコフグの流体形に着目し、低燃費のエコカーを開発した。名づけて「バイオニック・カー」というが、これまでのメルセデスからは考えられないコンパクトなスタイルだ。 燃費はリッター当たり30キロというから、これまでの高燃費の高級車、ベンツとは比べものにならない。 水回り製品のINAXは、カタツムリの殻がいつでも美しく輝いている点に注目し、汚れないタイルをつくり上げている。殻はシリカの細かい凹凸によって、汚れを流してしまうらしいが、それを応用したものだ。 動物ではないが、植物のハスは、撥水性にすぐれている。そのハスの特性を活用したプラスチックや雨傘が商品化されている。 これらネイチャーテックの未来は、無限に広がっている。どんな動物、植物から、何が生まれるか、楽しみにしてよさそうだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011/09/20 04:32:03 PM
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