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2012/12/06
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カテゴリ:櫻井秀勲の目
日本のラブホテルは、世界で断トツのアートとサービスを誇っているそうな。フランス人もこのラブホテルには感動したという。このラブホテルを研究している金益見(キム・イツキョン)という民俗学者がいる。

まだ33歳の女性だが、ラブホテル研究で博士号を取るつもりのようだ。彼女は以前に『ラブホテル進化論』という1冊を出したが、今回は『性愛空間の文化史「連れ込み宿」から「ラブホ」まで』という研究書を出した。「連れ込み宿」という名前からわかる通り、昔は男が女性を連れ込むための施設だった。それが現在では、大きく変わってきた。

女性を楽しませる王宮のような部屋ではなく、女性の居心地のいいような造りでないと、女性客は1回で来なくなってしまうという。実はこの「ラブホテル」という名称は、1965年頃から使われはじめたと記憶している。

それまでの「温泉マーク」とか「連れ込み宿」といった表現では、うまくいかないと考えたホテル業関係者が、新しい名称に切り替えることにしたのだ。このとき「OL」という造語を発表して、ブームを起こした「女性自身」編集長の私にも、新しい名称の依頼がきた。このとき私は「ラブテル」という造語を渡した。

残念ながら採用されずに「ラブホテル」と当たり前の名称になったが、仮に採用されていたら、いま頃は研究家として、名を残していたかもしれない。でもよく考えると、採用されないでよかった(笑)

直木賞をとった色川武大(又の名を阿佐田哲也)は、編集者1年生の頃から連れ込み宿の離れの部屋に住んでいた。私もその部屋でよく語り合ったが、当時はそんなのんびりした宿もあった。懐かしいセピア色の時代だった。





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最終更新日  2012/12/06 01:28:44 PM
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