いまや写真は誰でも撮れる時代になった。スマホの写真でも結構いい画質だし、ピンボケもしない。となると、カメラマンや写真館は要らなくなりそうだ。実際、昔に比べると、芸術写真専門の写真家は激減している。
とはいえ、やはり専門家のカメラマンに撮ってもらうと、何かが違うのだ。一体それは何だろう? 芸能人を長年撮ってきたムトー清次氏にいわせると、素人と決定的に異なる点は(1)目つき (2)顔つき (3)体つき (4)言葉つき――この4つのポイントを撮る技術がプロカメラマンにはあるというのだ。
例えば政治家を撮ると、素人のものはよく撮れていても、そこに政治家らしさが滲み出ないという。俳優をとっても、ただのその辺の若者やおっさんになってしまうのだ。ふだん着姿を撮る分にはそれでいいのだが、マスコミが欲しがる写真はそんなものではない。やはり政治家として凛とした姿か、あるいは傲慢な態度になっているか、あるいは、一流俳優としての貫禄が備わっているかが重要になる。
そこでその職業と地位、人気にふさわしい目つき、顔つき、身のこなし、言葉つきが込められた写真が必要になる。これが素人には撮れないのだ。たとえば写真週刊誌には、有名人の決定的直前の写真が載る場合がある。読者は「すごいな」と思いつつも「結局、決定的なシーンは撮れなかったんだ」と思うだろう。
しかしそれは素人考えで、決定的なシーンは撮っていても、出していないだけなのだ。成宮寛貴の場合もそうだ。もし素人でカメラ好きの方がいたら、有名人を撮るときは「目つき、顔つき、体つき、言葉つき」に気をつけてみてはどうか?
それと同時に「週刊誌に写真を持ち込みたい」という場合には、決定的シーンを隠し味にするといいだろう。むしろ決定的写真1枚では買ってくれないのだ。せっかく撮れるチャンスが広がったのだから、がんばってみよう。
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