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June 17, 2007
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テーマ:洋楽(3285)
カテゴリ:Album
スティーヴィー・ワンダーの神がかり的最高傑作
死の予感と生死の体験

Innervisions

インナーヴィジョンズ / スティーヴィー・ワンダー
Innervisions / Stevie Wonder


オリジナル盤発売日:1973年8月3日
レーベル:Motown

1.Too High トゥ・ハイ
2.Visions 愛の国
3.Living For The City 汚れた街
4.Golden Lady ゴールデン・レディ
5.Higher Ground ハイアー・グラウンド
6.Jesus Children Of America 神の子供たち
7.All In Love Is Fair 恋
8.Don't You Worry 'Bout A Thing くよくよするなよ
9.He's Misstra Know It All いつわり

----------

全米アルバム・チャート4位
1973年度グラミー賞:最優秀アルバム賞、最優秀録音賞

「ハイアー・グラウンド(Higher Ground)」
全米ポップ・チャート4位、R&Bチャート1位

「汚れた街(Living For The City)」
全米ポップ・チャート8位、R&Bチャート1位
1974年度グラミー賞:最優秀R&Bソングライター賞

----------

この作品は、スティーヴィー・ワンダーのアルバム、
『トーキング・ブック(Talking Book)』、
『インナーヴィジョンズ(Innervisions)』、
『ファースト・フィナーレ(Fulfillingness’ First Finale)』と続く、
いわゆる傑作「3部作」の2作目にあたるアルバムで、スティーヴィー23歳の、
1973年8月3日にリリースされたアルバムです。

前作『トーキング・ブック』の大ヒットによって一躍脚光をあびたスティーヴィーが、
前作からわずか9カ月の間に、さらに怒涛の快進撃を遂げ、
まさに“神がかり的”としか言いようのない傑作を世に送り出しました。

このアルバムのテーマは、「生きるということの美が終焉を迎える日について」だと言います。
スティーヴィーは、さらに「このアルバムには、世界の恐怖と偽善についての、すべてが込められている。」
と語っています。

この時期の彼の仕事ぶりはすさまじく、睡眠時間が平均4時間ほどで、
48時間ぶっ通しで作曲に没頭していたとも伝えられています。
このアルバム制作における彼の行動は、何かにとりつかれたような、まさに神がかり的なもので、
その作られた曲には、哲学的、宗教的とも言えるほど、
ますます精神的、内省的になっていくスティーヴィー・ワンダーの音楽が表れています。

1973年4月の『ローリング・ストーン』誌でのインタヴューで、
スティーヴィーは、「自分はもうすぐ死ぬ」という驚くべき発言をしていていました。
また、同じ頃、別のインタヴューでも、「僕は死ぬまでここにいる」という不吉な言葉を発しています。

彼は、このアルバム製作中、「生と死」ということについて普通とは違う、何かを感じていたのかもしれません。
このアルバムの中の曲「ハイアー・グラウンド」では、
作者スティーヴィー自身の第二の人生と罪深いこれまでの人生について歌った曲で、
「前より世の中のことがよくわかってうれしい、がんばっていくよ、一番高い場所に手が届くまで。」
と繰り返され、仏教の輪廻転生(りんねてんせい)を暗示した哲学的な作品になっています。

スティーヴィーは「第二の人生=蘇生(そせい)=輪廻(りんね)」を信じたいと思っていたそうです。

スティーヴィーは、このことを予感していたかのように、このアルバムが発売されてからわずか3日後、
大きな交通事故に遭遇し、本当に死の淵まで行くことになってしまいます。
1973年8月6日早朝、コンサートに出演するため、いとこのジョン・ハリスが運転する車で移動中、
運転を誤り、前を走っていた木材を積んだトラックに激突したため、積荷の木材が崩れ落ち、
車のフロントガラスを突き破り、スティーヴィーの頭を直撃してしまいます。
病院に運ばれたスティーヴィーは、頭蓋骨陥没と重い脳挫傷を負っており、手術は不可能だと診断されました。
彼の頭は通常の3倍に膨れ上がってしまっていたと言います。
5日間、意識不明のこん睡状態が続き、最悪の事態が考えられていました。
スティーヴィーのマネージャーで、良き右腕のアイラ・カッターは、
何のほどこしようもない医師に、大声で呼びかけることを提案します。
そして、何度かスティーヴィーに叫びかけましたが反応はまったくありません。
そこでアイラは「ハイアー・グランド」をスティーヴィーの耳元で目いっぱいの大声で歌いました。
すると、わずかに彼の指が動き、歌にあわせて拍子をとり出したと言います。
スティーヴィーは、7日間のこん睡状態から奇跡の生還を果たし、徐々に快方に向かいました。
アイラは、スティーヴィーにクラヴィネットを渡し、ちゃんと演奏ができるかどうか確かめたところ、
始めは、おぼつきませんでしたが、すぐに以前同様に演奏できるようになりました。

脳の損傷のため、味覚や嗅覚の感覚を失ったり、疲れやすくなったり、頭痛持ちになるという、
いくらかの後遺症は残りましたが、身体はみるみる回復していきました。

この出来事は、スティーヴィーにとって、その後の人生に大きな影響を及ぼすことになります。
暗い感覚にとりつかれていた後の、この事故に生還という一連の出来事で、
スティーヴィーは自分が信じていた第二の人生を与えられた気がし、
この体験を今後の人生に生かそうと決意するのでした。

その間に、アルバム『インナーヴィジョンズ』と、シングル「ハイアー・グラウンド」は、
ともに全米ポップ・チャートで4位、R&Bチャートでは1位なっていました。
これは、事故をとりまく報道も影響したことでしょう。

事故から7カ月後、スティーヴィーはグラミー賞の授賞式のステージの上にいました。
彼は、5部門でグラミー賞を獲得し、人々の喝采を浴びたのでした。

スティーヴィー・ワンダーは、1974年3月に開催された1973年度グラミー賞で、5部門を受賞しました。
3部門は前作『トーキング・ブック』の中の曲で受賞し、
このアルバム『インナーヴィジョンズ』で最優秀アルバム賞と最優秀録音賞の2部門を受賞しました。

収録された曲は、どれをとっても、まさに名曲ぞろいで、スティーヴィーの最高傑作と言われています。
シングル・カットされた「ハイアー・グラウンド(Higher Ground)」は、全米ポップ・チャート4位の大ヒット。
そして続けて「汚れた街(Living For The City)」、
「くよくよするなよ(Don't You Worry 'Bout A Thing)」もカットされ、ともに大ヒットを記録しました。
その他にも美しいバラードの「ゴールデン・レディ(Golden Lady)」など、みんな永遠の名曲です。

1973年9月27日付けの『ローリング・ストーン』誌の中で、
音楽評論家レニー・ケイは、「『インナーヴィジョンズ』でスティーヴィー・ワンダーは、
現代の音楽の重要な力を担うひとりであることを、またしても証明してみせた」
とコメントしています。

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Last updated  June 17, 2007 11:05:42 AM
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Re:Innervisions / Stevie Wonder インナーヴィジョンズ(06/17)   棒ぐる106 さん
死の淵を彷徨っていたとはまったく知らなかった・・か?
それとも忘却のかなたか??
丁度ディープパープルやシカゴなどのハードロックに夢中だった時代だったのかも。

ありがとうございました。
アンドリュース・シスターズの「素敵なあなた」は懐かしいジャズと言う曲ですね。
あとは「せめて夢で」しか知らないのですが
この曲、好きなんです♪♪

次回は他のメンバーの希望により
「I won't last a day without you」になりました。 (June 18, 2007 05:22:50 AM)

Re[1]:Innervisions / Stevie Wonder インナーヴィジョンズ(06/17)   xxokkun さん
棒ぐる106さんへ

>丁度ディープパープルやシカゴなどのハードロックに夢中だった時代だったのかも。

この2つのグループは、僕のアイドルで、熱狂的なファンでしたよ。
ほとんどのアルバムをレコードで持っています。
中学生のころですが・・・。

>次回は他のメンバーの希望により
>「I won't last a day without you」になりました。
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すみませんが、この曲はわかりません。 (June 18, 2007 03:08:50 PM)


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