塵と芥の思索室

[マネジメント] カテゴリの記事

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• 教育実習を始める君に

  　問いがなければ、人は何も見ていない（見えない）。　あなたはどのような問いを掲げて、教育実習を始めようとしているのだろうか。　・よい授業とは？　・よい先生、よい生徒とは？　・なぜ授業実習ではなく、教育実習なのか？　　よい授業とは、の答えを見ると、新しい教育に向かっているのか、旧態依然の教師をめざしているのかがわかる。例えば、「わかりやすく教えている授業」という答えは後者である。「生徒の興味関心を引き出している授業」も後者。なぜならば、主語が教師だからである。これからの社会に求められているのは生徒主体の学びである。生徒を主語にして、この問いに答えてみていただきたい。　「伝える」ではなく「伝わる」ことが大切。「動かす」から「動く」ように工夫するのが教員のつとめである。　・オンラインの時代に、なぜ学校に行かなければならないのか？　学習塾は現在の学校の弱みを突いてくる。ある学習塾は次のようにアピールしている。「今の学校は“わかる”ことまでしかやりません。“やってみる”から“できるようになる”までは放棄している。それができるのはウチの塾です。完全個人指導で、できるまで指導します。できなければ次に進めることはしません」　これからの学校は、わかる～やってみる～できるようになる～活用できる、までをパッケージとした教えと学びのデザインをする必要がある。それは探究なしには不可能だろう。　・学生生徒と教師はどう違うのか？　バスでいうと、今までは乗客だっただろう。それが今度は運転手であり、整備士であり、管理者であり、切符販売員になるということだ。与えられるものから、与えるものへの転換である。全く見える景色が変わるだろう。立場が変われば当然問いも変わり、気づきも変わるだろう。それが実習の目的なのだろう。　立場が変わるというと水平移動のように思われるかもしれないが、重要なのは垂直異動である。視点を上げなければ全体を俯瞰できないからである。いわゆるメタ認知能力を発揮しなければならないということである。今までは「落ち着かないなぁ」とぼやいていた人が、そんな自分を客観視して「いま、何をすれば落ち着くかがわからない状況にいる」と分析できるようになる、それがメタ認知である。見えないかもしれないが、まずは視点を上げるトレーニングをしてみよう。

  2021.06.01

• 心と宗教、そして教育　

  　後付け説明に便利なものは「神様」と「心」。「ちゃんと神様がね・・・」「いま、あなたの心がね･･･」など。日本の公教育では、宗教教育がタブーとなっているが、同じくらいに証明不可能な「心」については、堂々と取り扱っている。「心の教育」「豊かな心を育てる」など。冷静になって考えてみると、心は育つものなのだろうか？　豊かになる前の心は貧乏なのだろうか？　心が折れるということは、心は細長いものなのか？　心が傷つくということは、心は物質なのか？　宗教のありがたさは癒しだが、宗教の弊害はものを考えようとしなくなることである。(本質的な宗教はものを考えるものであったはずなのだが。)　心の教育も同様に、なんでも心で片をつけてしまいがちなところが問題である。　「心を強くせよ」　とは、とても大声では言えない。なぜならば「どうやったら強くなるの」と質問されたらとても困ってしまうからだ。　しかし誰しも自分の心が強いとは思っていないから、「そうだな」とだまされてしまうか、反論できないまま黙ってしまうのである。　心にすがるのはやめよう。　このスローガンは、古代ギリシャや、17世紀のヨーロッパの科学者が、あらゆる現象の原因を神に起因させることから離脱しようとしたことと似ている。　なんでも心のせいにするのはやめよう。　では教育の場で、心に変わる何に注目すべきなのだろうか？それは「思考」だろう。考え方は、貧弱か高貴かを判断できる。考え方は、強弱が判定できる。故に、考え方はトレーニングで教化できる。モデルを示すこともできる。指導ができることは教育の場になじむ。そのためには、思考を支える言語力の鍛錬が必要であり、確認のための表現力が必要である。これらをカリキュラムとすることで、「思考科」ができるのではないだろうか。ある国では「哲学科」と呼んでいるが、日本でもそろそろ「考える」ということに真剣に取り組むべき時期ではないか。　さまざまな学校で、「その考えは面白いね」「その視点は、実に興味深い」「その筋立ては、思いつかなかったな、イヤ～まいった！」なんていう会話が、先生と生徒との間で飛び交うことは、そんなに難しいことではないはずだ。そのためにも、まずは先生方がしっかり考えるクセをつけるべきである。とりあえず、自校のスクールプランやシラバスを疑ってみてはどうだろうか。その時の基礎構文は、「そもそも○○とは何か」である。

  2013.05.06

• プロについて

  “プロ”について。英語には「pro～」という単語がいっぱいあります。そもそも「pro」は、ラテン語proの「～の前に」「前へ」「公に」「～の代わりに」「賛成」に由来し、proに何かをくっつけることで、いろいろな単語が派生しているようです。pro（前へ）＋blem（投げる）=　problem　問題、難問、課題／pro（前へ）＋ject（投げ出されたもの）=project　企画、プロジェクト／pro（前に）＋pose（置く）=propose　提案する、結婚を申し込む／pro（公に）＋gram（書いたもの）=program 予定表、プログラム／pro（前へ）＋duce（導き出す）=produce　製造する、生産する／pro（前へ）＋ceed（進む）=proceed　前進／pro（前を）＋ tect（覆う）=protect　保護する、守る「prospect」（pro（前を）＋ -spect（見る））は、「見込み」「可能性」の他に「有望な人」という意味もあるようです。プロフェッショナルのもとである「profess」は「前へ述べる」こと、つまり「公言する、明言する」が原意とのことです。新しい1年のスタートにあたり、何を公に発言・発信できるのかを、本日1日かけて、ゆっくり考えてみたいと思います。

  2013.03.29

• Indigo Blue 社長　柴田励司氏　講演会（その２）

  Indigo Blue 社長　柴田励司さんの講演を聴きました・・・の他のコンテンツです。◆抵抗勢力には、それなりの事情がある。◆誰かにとっての合理性は、誰かにとっての不合理である。◆組織を伸ばすのも潰すのもトップ次第。◆人を信じ、人を活かす。◆人を動かそうと思ったら、まずは聞く。◆あのヒトと一緒に働きたい、と思われるようになろう。◆ヒトに教えない人は、ダメ。◆やめようという選択肢がないときは、自分を変えてみる。◆全部自分でやろうとすると、全体が見えない。人に任せると全体が見えてきて、しかも、自分の時間ができてくる。◆You work for me.ではなくI work for You.がリーダーの行動指針。◆トップが長く居座ると、指示待ち態勢となりやすく、結果的に組織のスピードが鈍る。◆リーダーは、リーダーになった瞬間に、後継者を考えるべき。◆ある問題は、それより大きな問題が発生すると、どうでもよくなってしまう･･･そんなもんだ。◆リーダーは、「オレはこうしたい！」を伝える前に、「何がしたい？」をとことん聞かなければならない。◆マイナスはゼロには戻せるが、同じ手法でゼロをプラスにはできない。・・・よくもこれだけのコンテンツを、柴田氏は90分に入れ込むことができるものだと感心しました。外資系コンサル社長は、やはりただ者ではなかった！

  2013.01.29

• Indigo Blue 社長　柴田励司氏　講演会

  Indigo Blue 社長　柴田励司さんの講演を聴きました。そのコンテンツの一つに「個の判断と組織行動が合っていないのはダメ」がありました。柴田さんは、ホテルの皿洗いから、オランダ大使館の職員に抜擢されたそうです。アムステルダム勤務の時に、ある問題を起こし、その際、大使館の組織の判断として懲戒処分を受けます。しかし、個々の大使館員からは「いや、あれはあれで正しかったと思うよ」等と言われた。これが、後に外資系コンサルタントの社長を務めることとなる柴田氏が、初めて組織の在り方に疑問をもつきっかけでした。「個の判断と組織行動が合っていないのはダメ」・・・体罰をめぐって、顧問と生徒の聞き取りが進められているとのこと。「学校としては体罰は絶対許されないけど、僕個人としては・・・」という場面が想定されます。やはりそれは、学校組織の抱える問題なのだろうなと、柴田さんの話をうかがいながら考えた次第です。学力向上、キャリア教育、道徳教育、評価と指導の一体化･･･。「個の判断と組織行動が合っていないのはダメ」・・・

  2013.01.29

• 『どうしてあのヒトはデキルのだろう。』　柴田励司

  31ページWhat happen?ある問題の何がも大なのかを明らかにしていく際に、とっても便利な2つの問いかけがあります。その問題を「このまま放置しておいたら、どんな悪いことが起こるのか？」その問題を「解決できたら、どんないいことが起きるのか？」50ページ脳の入り口は狭い私はプレゼンや講演をするとき、スライドに映すのは最低限のキーメッセージとイメージ写真だけ。時にはある時点でスライドも消して、プリントも閉じてもらって、「聞いてください」と言うこともある。人間の脳は許容量は大きいけれど、入り口が狭い。だから、話しを聞いて画像を見て資料も読んでということをさせられてしまうと、脳に情報が入っていかない。狭い入り口でも入りやすいように、「シンプルに、シンプルに」を心がけて伝える必要があります。プレゼンの相手は、入り口が狭い人間の脳。それをいつも意識しておきましょう。62ページ相手の顔は自分を映す「鏡」70ページ役職が上になればなるほど、その人には時間がない。だから「端的に示す」ことが必要になる。72ページ意思決定側がほしい5つの情報1.問題の背景（何が問題か）2.何を決めなければならないのか？3.意思決定に当たっての論点は何か？4.意思決定のオプションは何か？5.スタッフの意思は何か。ポイントだけ的確に伝えることを忘れず、トップの意思決定に必要な「論点」と「オプション」、その中での「スタッフの意思」を端的に示すこと。これができるようになれば、どんな上司への説得・説明も怖くない。74ページ「伝える」と「伝わる」は違う伝える技術・力量だけではダメなことがある。相手の立場に立って伝えてこそ、「伝わる」。132ページ困ったときほど、話す前に「聞く」。コンサル企業マーサーのＬＩＬＩメソッドＬ･･･listen(聞く)Ｉ･･･inform(伝える)Ｌ･･･lead(導く)Ｉ･･･involve(巻き込む)137ページ組織の構成員の6つのタイプ「リーダー」仲間内で一目置かれているナチュラルリーダーシップがある人「参謀」個人としては超優秀。リーダーになると誰もついて行かない。「フォロワー」言われたことはしっかりやる人。「エイリアン」宇宙人みたいな人。意外性はもっている。「パラサイト」組織に寄生している人。「キャンサー」組織の癌。

  2012.12.13

• コミュニティ活動の定義の変化

  コミュニティ「local community」の略称として使用される用語ですが、その定義は従来から変化してまいりました。その原因は、ＩＣＴ社会の到来です。２０世紀後半にコミュニティという用語が使用され始めた頃は、「地域の共通性、独自性、個性、まとまり」が強く求められました。しかしＩＣＴの急激な発達によって、ネットがつながっていれば、どこでも地球の中心になりえるようになり、中心－周辺という概念が薄らいできました。その一方で、個人が世界と容易につながれるようになり、居住地近辺とのつながりの必要性が急速に薄まってきています。その大きな流れの中で、従来の考え方を持ち出して、「地域の独自性とまとまりを持って」を中心命題とした活動を進めれば、時代の流れに逆行してしまいかねません。まず若者は寄りつかないと思います。若者にとって、朝日地区の魅力よりもＩＣＴでつながる世界、バーチャルな世界の方の魅力は、はるかに大きいものです。では、今後のコミュニティ活動の方向性はどのようにあるべきでしょうか。福島県はＨＰに「地域コミュニティにおける新しいビジネスの創世に関する調査研究報告書」をアップしています。その第２章第２節が、参考資料として使えそうに思われます。http://www.pref.fukushima.jp/syuto/tyougaku/business.htm要約すると、これからは「地域の中の多様性を容認する。その多様性のネットワーク化をすることがＩＣＴ化が進む社会におけるコミュニティの存在意義ではないか。そのイメージはブドウの房である。」というものです。地域コミュニティ活動をするに当たってのコンセプトとしては「この活動は、～という事業を行うので協力願います」というスタンスよりも、「各地区、皆様それぞれにとって、ふるさとの“いいところ”があるはずです。それを再認識してみませんか。それをぜひ、我々に教えてください。他の地区の人々や地区の子どもたちに教えてあげてください。そして、それぞれの“いいところ”をつなげてみませんか。」の方がよろしいかも。

  2012.11.21

• 『こんな簡単な話が、なぜ通じないのか』　福田　健　著

  28ページ話し方研究所の定義を紹介すると、次の通りである。「コミュニケーションとは、お互いに相手を認識し、理解し、尊重するプロセスである。」56ページ｢相手｣を｢聴き手｣にするのが先決。相手が聴き手になっていない説明は、｢言うだけの説明｣である。相手が聴き手になっていて初めて、説明のスタートが切られる。92ページなぜ｢くどいいい方｣になってしまうのか。肝心なことはひと言で言って、それで終わる。あとは気にしない。心配もしない。こんないい方は｢あっさりしている｣と言われるが、「くどい」は、｢あっさりしていない｣言い方のことでもある。話は｢くどい｣しつこい｣｢うるさい｣などの傾向に陥りやすいが、そんな中で、｢あっさりした｣言い方のできる人は、貴重な人である。余計なことは気にしない。要点だけ言っておけば、分かる人は分かる。分からない人には、あとから質問されたらそのとき説明すればよい。くどい人は、遠慮がちな言い方をするから、言い足りなさを感じつつ話す。遠慮などせずに、最初から肝心な点を指摘してしまう方が明確でよい。96ページ頭のいい人は早口になりやすい。間をとって、ゆっくり説明するよう心がけたい。イギリスのケンブリッジ大学では、教授が卒業生を前にして、「君たちはいずれ、指導者となって、大勢の前で話す機会が多くなる。そのときは、相手に分かる言葉を使い、ところどころで吃ることである。」と、教えるそうである。98ページ専門家、その道のプロなどの詳しすぎる説明は、分かりづらい。密林の中をさまよっているようで、出口が見えない。初心者に分かるように、内容をかみくだき、次の点を心がけて話すことである。・まず、入り口と出口を示し、次に主要ポイントを明示する。細部はできるだけ省く。・どれがどこにつながるか、簡単に図で示す。込み入った説明は避ける。・専門語を使う場合、必ず解説を加える。131ページ下手な謝り方・後手に回る・弁解がましい・その場しのぎ失敗を挽回するチャンスととらえる人は、この逆だ。・誤りを認めて、先手で詫びる・事情をしっかり説明する・相手の話をよく聞いて、今後の対策を講じる

  2012.10.05

• 『野球ノート』　野村克也

  16頁　プロ野球選手は野球博士になるべきだ。プロフェッショナルなのだから、野球の専門家になるべきである。20頁　戦いには4つの要素があるという。「戦力」「士気」「変化」「心理」。21頁　選手に優越感を持たせることも監督の仕事の一つであり、一度、選手に植えつけることができれば、それは長くチームの財産となる。またその積み重ねが信頼関係を育むことになるのはいうまでもない。25頁　人生という2文字から私は次の4つの言葉を連想する。「人として生まれる（運命）」「人として生きる（責任と使命）」「人を活かす（仕事、チーム力）」「人を生む（繁栄、育成、継続）」26頁　人間とは人の間と書くが、そもそも人と人との間にいるのが人間であり、そのためにはいかに人間関係を円滑に生きていくかということが、人生では大きな比重を占める。ところが職人気質が多いプロ野球選手は、この点が大変無頓着である。自分ひとりでうまくなった、自分で勝てたとすぐ錯覚するが、人は全然そう思ってくれていないということがおうおうとしてある。謙虚さ、素直さが要求されるのはそのためだ。自分が思うほど人は思っていないということをどうやって選手に分からせるか。評価は人が下した評価こそが正しいのだ。41頁　管理するものは、絶対に結果論で部下を叱ってはいけない。44頁　私のこの外角低めを「原点」と呼んでいる。そこにどれだけきちんと投げられるか、投手の原点への制度を「原点能力」と呼んでいる。50頁　先入観は罪。固定観念は悪。61頁　決断と判断。監督になったばかりの頃、私はこの二つの言葉を混同していた。ところがあるとき、全く意味が異なると気づいた。「決断」とは賭けである。何に賭けるか根拠が求められる。また決断する以上、責任は自分でとるという度量の広さを持たなくてはならない。「功は人に譲る」という精神を持って決断しなくてはならない。覚悟に優る決断なし、つまり迷ったら覚悟を決めること。決断力と包容力は表裏一体である。一方、「判断」とは頭でやるもの。知識量や修羅場の経験がものをいう。判断に求められるのは判断するにあたっての基準、根拠があるかどうかである。88頁　諸葛孔明が子孫のために残した家訓の中に次のような一節がある。優れた人は静かに身を修め徳を養う／無欲でなければ、志は立たず／穏やかでなければ道は遠い。／学問は静から、才能は学から生まれる。／学ぶことで才能は開花する。／志がなければ学問の完成はない。124頁　仕事をする上で必要なこととして3つの能力が必要とされる。「問題分析能力」「人間関係能力」、そして最後のひとつが「未来創造能力」である。125頁　「中心なき組織は機能しない」というのが組織論の原則である。165頁　ちょっとしたヒントや上司の言葉で何かに気づき、「自分はもっとこうやって組織に貢献しないといけない」と感じる者もいるだろうが、無知であることを自覚させ、無知は恥なのだと気づかせなくてはならない。更に何が正しくて何が間違っているのか、間違いに気づかせて正していく。つまり、監督は「気づかせ屋」でなくてはならないということだ。166頁　人間の最大の悪は何であるか。それは鈍感である。166頁　監督業というのは、こうやって人をつくり、何かを気づかせ、そしてそれが組織に反映されるのを待つしかない。成長がなければ、やはり人間の根本の部分に欠点があるわけだから、もう一度人間教育を繰り返す。結局この繰り返しでしかない。168頁　不満のない人などいないのだが、それをぐっとこらえる抑制術は人間教育ができていないと持ちえないものだ。不満を持っているということは、裏を返せば理想を描いているということでもある。理想と現実が重ならないから不満をいい、ぼやくのである。185頁　私は次の3つのポイントをもとに実践指導をしている。「ツボ」「コツ」「注意点」。選手に試合を見させるときでも、「ここを見ておけ」というツボや技術面のコツ、そして「これだけは注意しろ」という注意点を伝えておく。それを的確に伝えることができれば、あとは放っておいてもその組織はいい方向に向いていく。上司と部下の価値観が共有され、上司と部下の思考が一致するわけだから、大きくぶれることはない。188頁　私は指揮官、つまりリーダーについて、常に以下のことを念頭に置いている。1.リーダーいかんによって組織全体はどうにでも変わる。2.リーダーはその職場の気流にならなくてはならない。3.リーダーの職務とは「壊す･創る･守る」。188頁　リーダーはチームが機能する軸を「まとまり」におかなくてはならない。「まとまり」とはわかりやすくいえば、目的意識、達成意欲をみんなが持ち続けることである。全員が“勝とうぜ”という気になってくれることなのだ。196頁　監督と選手の要求とは常に相反するものである。監督はチーム優先で考えているのに対し、選手はあくまでも個人主義である。ところが選手というのは、自分の存在価値を知ってくれる人がいれば、「この人のために死んでもかまわない」と思えてしまうから不思議だ。「士は己を知る者のために死す」という言葉があるが、リーダーのためという思いから、「チーム優先」に変われるのである。208頁　元首相の中曽根氏が挨拶されるとき、よく使われる言葉に、「結縁、尊縁、随縁」がある。一期一会と同じような意味で、つまり人生というのは縁である、縁を結び、縁を尊び、縁に従うという意味だ。

  2012.08.23

• 伝える技術　わからせる技術

  『伝える技術　わからせる技術』　中島孝志◆簡潔であることIf it is just one page, I promise to read it with attention. If it is longer, my secretary will put it straight into a wastepaper basket. (Winston Churchill)◆コミュニケーションは割り符コミュニケーションは割り符なのです。お互いの割り符が歯車のようにぴったりとかみ合う。これが会話の妙味です。◆伝わりない広場に立て看板が掲げてありました。「ここに入るべからず」という意味の看板です。ところが、たくさんの子どもたちが中に入って遊んでいます。どうしてでしょうか。答え　「児童立入禁止」と書かれていた。

  2012.08.02

• 「教員は忙しい」と声高に言うのは恥ずかしいからもうやめませんか

  「教員は忙しい」と声高に言うのは恥ずかしいからもうやめませんか浅田和伸（文部科学省大臣官房教育改革調整官）◇他人が言うのはいいが･･･　ところで、文科省の新庁舎は課ごとの仕切りがなく、近くの打ち合わせスペースでの会話も聞こえてくる。最近、どこかの教員の団体の方だろう、「教員は本当に忙しいんですよ」と繰り返し説く声が聞こえた。正直に言うが、私は聞いていて「恥ずかしい」と感じた。　「教員は忙しい」とは良く聞く言葉だ。私も学校関係以外の人に対しては、教員を代弁あるいは擁護するつもりでそういう話をする。けれども･･･。　教育が忙しくないとは言わない。真面目にやればやるほど仕事は増えるし、人間相手だから自分で時間をコントロールするのが難しい。仕事を精選する必要があるのも事実。だが、それは教員だけでなく、他の多くの仕事に共通する話だ。　あまり言いたくはないが、例えば中央省庁や企業でそれなりの立場にいる人の労働時間、拘束時間は、おそらく学校の教員より長い。　最近、経済界の中では非常に教育に理解の深いある方と話した時のこと。３人のお子さんのうち１人が教員、２人は企業勤め。教員はご多分に漏れず、「忙しい、忙しい」と言うが、どう見ても３人の中では一番時間に余裕がある。「なんで学校の先生は『忙しい』と言いたがるのかねぇ」と笑っておられた。　私は、教員の仕事の難しさ、大変さが世の中に十分には理解されていないと思っている。また、もっと子どもに向き合う時間を増やせるように、学校の仕事の範囲を整理すべきだとも考えている。その点はこれからもその時々の立場で努力する。　しかし、教員が自ら「忙しい」と声高に主張するのは、もうやめた方がいい。誰の共感も得られないし、言えば言うほど「世間知らず」に見られるだろう。※出典：週間教育資料　1215　2012年7月16日号　p.36-p.37※浅田和伸：旧文部省入省。大臣秘書官、専門教育課長などを経て、06年から内閣官房内閣参事官。09年、文科省から出向の形で東京都品川区立大崎中学校校長に。12年から現職。

  2012.07.26

• Manegement by Objectives and Self-Controle

  目標管理（ＭＢＯ＝Management by Objectives）の本質について五十嵐英憲著『新版　目標管理の本質』ダイヤモンド社　より○目標管理とは「目標によって管理する」『現代の経営』において、ドラッカーが提唱したManagement by Objectivesの直訳が、「目標によって管理する」という言葉として使われるようになった。○マネジメントの語源管理は、辞書によれば「ものごとの全体に気を配り、取り締まること」とある。ただ、マネジメントの意味を管理とすると、看視・監督という雰囲気が強く出てしまい、マネジメントの語源である「Manege」の「一見不可能と思われる事柄を、あれこれ工夫を凝らして、何とか達成する」という意味からは遠くなってしまう。○マネジメントの３つの機能マネジメントを機能面からとらえると、「Plan」「Do」「See」という３つの機能が存在する。この３つの機能の発揮によって、働く人々の心理的エネルギーを仕事の中に注入しようとする。その行為が、マネジメントである。そこには必ず葛藤が発生する。この葛藤との対峙が、マネージャーの仕事である。つまり、業績的側面と人間的側面との統合から目をそらさず、真正面から受け止めて苦悩し、のたうち回りながら解決する。それがマネジメントの現実である。○ＭＢＯのｂｙの意味「by Objectives」を目標により、と訳すと分かりづらい。むしろ、「目標を上手に活用することによって」と理解する方が分かりやすいだろう。そうすると、「Management by Objectives」とは「チャレンジ目標を上手に活用することによって、仕事の成果と働く人々の働きがいを高めようとする一連の行為」と定義できる。○And Self-ControleがついたＭＢＯとはＭＢＯは「目標設定とその達成追求システム」である。ただし「それをセルフ・コントロールによって成し遂げる」という条件がついている。その条件を満たすためには、「働く人々が経営陣の考え方を良く理解して、納得し、共鳴する」という精神のふれあいプロセスが必要になる。この実行により、「命令なき管理」の世界が実現する。○定型労働に有効な「他律統制のマネジメント」・外部からの「アメ」と「ムチ」・「ヤル気」の高揚・教え込み方の教育訓練（能力開発）・直接的他律統制（指示・命令）○人間関係論「人の手だけを雇うことはできない。手とともにその人間全体が必ずついてくる」○人間関係的マネジメント施策人間関係論で有名なのは、「精神的報酬」が動機付けの源泉になるという証明である。それは、「仕事に対する誇り」や「自分の価値が認められた喜び」など、自分自身の心の中に生まれる感情的な要因が仕事の生産性を左右するという世界であり、「金銭的報酬によるモチベーション・アップ」とは次元の異なる動機付け方法である。○専門知識活用労働の特性専門知識活用労働とは、専門知識や情報を用いて、新たな問題を創造したり解決しようとする「思考活動」である。その成果は頭脳行動によって左右される。「行動が成果を左右する」という構造は、専門知識活用労働も定型労働も同じである。しかし、両者間には決定的な仕事特性による違いが存在し、それが専門知識活用労働に対する他律統制を困難にする。○直接的他律統制がきかない頭脳行動専門知識活用労働における頭脳行動は、当事者の頭の中に存在し、他者の目には直接触れない。よって、他者が行動内容の詳細を把握して、あれこれ指示や命令を出すのは不可能に近い。上司のコントロール努力は無力とかし、頼りになるのはセルフ・コントロールのみである。専門知識活用労働における頭脳行動の質的部分は、多分に個々人固有の持ち味に左右され、標準化が極めて困難な領域である。よしんば標準化に成功したとしても、きわめて属人色の強いものであり、汎用性の乏しいものになってしまう。この特性があるために、「標準化された定型行動を教え込むような教育方法」は専門知識活用労働には使えない。知識活用労働の能力開発は「手づくり教育」が基本であり、なおかつ大部分は「一人ひとりの自己啓発」に頼らざるを得ない世界である。○専門能力の開発定型労働であれ、専門知識活用労働であれ、仕事の成果を直接的に左右するのは「ヤル気」ではない。「能力」である。したがって、マネジメント・パワーの大部分は能力開発に費やさなければならない。しかし、定型労働と専門知識活用労働では、費やし方が異なっている。専門知識活用労働の主要部分は、「仮説の創出とその検証活動」であり、定型労働のように教え込むような教育訓練が不可能に近い仕事である。専門性の開発は、仕事の試行錯誤をどれだけ多く経験するか、その頻度と質にかかっている。すなわち「チャレンジ目標の設定」と「その達成プロセスにおける関係者との問題創造的・問題解決的コミュニケーション」の継続努力が、専門知識活用労働の能力開発の中心軸なのである。このように専門知識活用労働は、労働者本人に「セルフ・コントロールの能力開発努力」を突きつける。しかし、それは、企業にも「能力開発支援」の努力をするように求めている。なぜならば、支援努力を怠れば、有能な専門知識活用労働はいとも簡単に企業から去ってしまうからである。

  2012.07.19

• テレビショッピング　５つの鉄則

  売り込み最強　テレビショッピングの５鉄則（１）統計・数字（２）デモンストレーション（３）例え話（４）実例（５）証言・証拠

  2012.03.18

• ストーリーの構成パターン

  プレジデント　2011.05.02より「ＰＲＥＰ法」Point-Reason-Example-point（最初と最後に言いたいことを強調する。）（目的を明確にする方法）「ＳＤＳ法」Summary-Details-Summary全体-詳細-全体（じっくり同じことを３回繰り返す）（フォーマルな場で使う方法）「ＤＥＳＣ法」Describe-Express-Sugest-Consequence状況・事実の描写-意見-提案する-結論の提示（事実をもとに冷静に意見を主張するとき）（攻撃をかわすときに使いたい方法）「ＲＢＷＡ法」Report by waiking around.いつでもどこでも何でも話しかけよう

  2012.03.18

• プレジデント　2011.05.02より

  コミュニケーション上手への第一歩◆「してよニッコリ」の法則「し」視線「て」手の動き「よ」よい姿勢「ニッコリ」笑顔◆「みほこさん」の法則「み」認める「ほ」褒める「こ」肯定する「さん」賛成する

  2012.03.18

• 日経アソシエ　記事より

  ・オリンパス　菊川会長　週１回の一人作戦会議・１週間で９０点より３０分で７０点を三度回そう・ストレス解消のキーワード　（１）感情を出す　（２）体を動かす　（３）パーソナルスペース　（４）マイペース　（５）客観視・マイナス思考をプラス思考に変える方法　「リフレイミング」×「ストレングス」　ものの見方を変える　　強みを引き出す

  2012.03.18

• レバレッジ・時間術

  『レバレッジ・時間術』本田直之著13何よりも一番高くつくのは時間コストだ22問題なのは、「忙しい」＝「これ以上は何もできない」と思い込んでしまうことです。つまり効率化する努力を放棄して、勝手に自分の限界を引き下げてしまうわけです。これでは、時間資産はできません。23「常に時間はたっぷりある。うまく使いさえすれば」ゲーテ25今求められているのは、選択と効率化によってポイントを絞り込み、限られた時間で最大の成果を上げることです。32「レバレッジ」という言葉は、本来は「てこの原理」を意味しています。「てこ」を使えば少ない力で大きなものを動かすことができます。これを時間に当てはめれば、少ない時間で大きな効果を上げることが「時間にレバレッジをかける」ということになります。33時間はためることはできませんが、増やすことは可能です。時間を使って時間を増やす。「時間を投資する」ことによって、「時間資産」を作ることができるのです。49「労働時間の短縮」は、単に働く時間を減らすということではありません。時間投資によって、短時間で同じだけ、さらにはそれ以上の成果を上げることが大前提で、そこから生まれた時間資産を、プライベートの時間にあてたり、再投資にあてようとするものです。79時間の使い方を4つのカテゴリーに分類します。一つ目は、自己投資である「インプット」の時間。二つ目は仕事をしている「アウトプット」の時間。三つ目は食事や風呂や睡眠などの「生活」の時間。四つ目は自由に使う「プライベート」の時間です。これを記録して、何をしていたのかよく分からない「不明時間」は、そのほとんどがダラダラと無駄な時間を過ごしていた、非生産的な時間のはずです。111ルーティンワーク化するということは、無意識化するということ。無意識の記憶を司る線条体が関与していると考えられます。繰り返すことで体が覚える。無意識だから苦にならない。そういう状態を一般的には、「集中している」と呼んでいるのです。113あくまでも成果というリターンを得るための時間投資であって、規則正しい生活を送ることそれ自体が目的なのではないということでする119残業が多い人は、「仕事が時間を消費する行動に陥っていないか」を検討した方がいい。仕事というのは、与えられた作業を終わらせることではなく、与えられた時間の中で与えられた目的を達成することだからです。　原田泳幸　（日本マクドナルドホールディングスＣＥＯ）146私には、「doing more with less」というモットーがあります。「少ない労力でより多くの成果を」という意味です。例えば、今抱えている仕事にかかる時間を半分にできないか、いっそ10分の1に短縮する方法はないか、と考えるのです。155最悪なのは情報不足のまま迷い続けること成功している経営者が意志決定を速く行えるのは、事前に様々な情報をインプットしているからです。裏返せば、常に重要な情報をインプットし、いつでも即、決断できるようなレベルに自分を維持できるからこそ、経営者として成功しているとも言えます。もし意志決定を求められた場面で側座に判断ができないなら、それは情報が不足しているからだと自覚して、「その場で判断をしない」という意志決定をすべきです。186相手の時間を邪魔することに鈍感な日本人他人の時間を尊重することも、大事な時間投資と言えます。

  2012.01.20

• 仮説思考～ＢＣＧ流　問題発見・解決の発想法～　内田和成著

  仮説思考～ＢＣＧ流　問題発見・解決の発想法～　内田和成著15　実は仕事ができる人は、人より答えを出すのが早いのである。仕事の速い人は、限られた情報をベースに、人より早くかつ正確に問題点を発見でき、かつ解決策につなげることのできる思考法を身につけているのである。16仮説とは、「最も答えに使いと思われる答え」である。23コンサルタントは、仕事の進め方を知っているから、仕事が速いのだといえる。28ビジネスパースンにとって、大切な能力は、「先見性」「決断力」「実行力」の三つである。30不透明な霧の中でも、わかりうることは見通しておく癖をつけ、意志決定をしていくことが必要なのだ。35情報理論の世界では、不確実性が高いことを、「エントロピーが大きい」という。35意志決定するときには、今既にある選択肢を狭めてくれる情報だけが役立つのだ。41網羅思考とは、全てを理解しないと前に進めない人たちが取りがちなやり方だ。46「色々な可能性が考えられる段階で、大胆に一つのストーリーを作り上げたりしたら、重大なことを見逃し間違ったストーリーを作ってしまうのではないか」と心配する人がいる。だが、それは杞憂だ。58実際に問題を解決する場合、問題そのものを発見する「問題発見の仮説」と、明きらかになった問題を実際に解決する「問題解決の仮説」の二段階の仮説を使う。68重要なのは、最初に問題を絞り込むことである。仮説を使うということは、問題を考えついたり答えを探し出したりするプロセスというよりも、むしろ、効率的に不安な問題や役に立たない解決策を消去するプロセスなのである。94「名刺の裏1まいに書ききれないアイデアは、たいしたアイデアではない。」102どんなときに仮説を思いつくのか？１．ディスカッションを通じて２．インタビュー３．突然ひらめく４．じっくり考えているとき142○良い仮設の条件仮説を立てるときには、常にSo what?（「だから、何？」「だから、どうする？」）と考えるべきだ。具体的になるまでSo what?を繰り返すのが仮説を掘り下げるコツである。仮説が正しいと証明されたときに、すぐに実行できる具体的な解決策につながることが重要である。143○仮説の検証仮説は検証し、進化させてゆく。検証方法の主なものは3つである。１．実験による検証２．ディスカッションによる検証３．分析による検証例　ソニーの消費所刺激型開発

  2011.12.11

• 構想力とリーダーシップ（その２）

  『経営の構想力』～構想力はどのように磨くか～　　西浦裕二(東洋経済新報社)１４８「多くの人たちが一体となって新しいものを作り上げていく時代に入った」と言うと、「日本の企業や研究所は前からそうだった」との反論が予想される。たしかに日本ではチームワークは大切にされてきた。しかし、「和」を尊び仲良く仕事をするということと、個性や考え方をぶつけ合い、化学反応を起こしながら新しい「知」を創出していくということは、似ているようだが全く違うことである。また、狭い組織の中だけでチームワークを大切にするということ（これを「閉じた系の中での共創」と呼ぶ）と、オープンな環境の中で「知の格闘」を行うということ（これを「開いた系の中での共創」と呼ぶ）は、根本的に異なる。今の日本に求められているのは、激しい「知の格闘」をより開いた系の中で行うことだと考える。そしてこのことは、昨今話題となっている「ナレッジ・マネジメント」という考え方につながるものである。１４９今までのナレッジ・マネジメント→社内の知識や情報を蓄積して共有するというストック型のアプローチこれからのナレッジ・マネジメント→知識や情報の流れを作り出し、それを循環させることによって、新しい価値を生み出す環境を提供すること１５２「ナレッジとは何か」「データ」に意味が与えられると「情報」になる。例えば、アンケート調査を集計したものは「データ」に過ぎないが、そのデータを分析し、ある傾向を読み取るとそれは「情報」となる。しかし、「情報」をどのように活用するかは、人によって、あるいは組織によって異なる。その活用の仕方こそ「知恵」である。１５７「３つの人間系の工夫」１．組織の工夫・・・異なる知恵がぶつかり合うような「場」を作る２．知のマップづくり・・・どこにどんな知恵があるかを示す（暗黙知の交流）３．編集者の配置・・・ナレッジの編集者になる※日産自動車のＣＦＴ（クロス・ファンクショナル・チーム）が改革の推進となった。　・事業の発展、購買、研究開発など、全部で９つのＣＦＴが組織された。１６１最近、ＣＥＯ、ＣＯＯ、ＣＩＯと言った呼び方に並んで、ＣＫＯと言う言葉を耳にするようになった。“Chife Knowledge Officer”の略で、ナレッジ活動の最高責任者を意味する。ＣＫＯの役割とは、一般的には企業の「知的資産」を進化させるべく、「知識を獲得、流通、活用する過程を管理すること」と説明されるが、「管理」という言葉は、どうもＣＫＯのあるべきすがたを表していないように思う。むしろ、ナレッジの「編集者」あるいは「編集長」であると考えてみてはどうだろうか。１６３知恵を生み出す原動力となっているのは、一人ひとりが持っている「問題意識」ではないだろうか。ここでの問題意識とは、既存の情報や知恵の大海から、新たな知恵を抽出するための「釣り針」であるといっても良い。経営者は、こうした「釣り針」を組織全体が、従業員一人ひとりが持つように仕掛けていかなければならない。それは、わかりやすく言えば、経営としての考え方（理念やミッション）を組織全体に浸透させていく努力のことである。１６７理念や目的を共有する努力を行うことによって、現場が働く意欲を高め、「知恵」を出し始める事例はたくさんある。有名な事例の一つが、石切職人の話である。「意味を知らされていない石切職人は不平不満を言いながら作業をするが、大聖堂の建築という目的を知らされている石切職人は使命感に燃えて作業をする。」１７３先行き不透明な経営環境の中で、トップが行わなければならないことは、一言でいえば、「方向性を決めること」である。しかし、決めた方向性が正しい、とは決して断言できない。松井証券の松井社長は、「思い込みと開き直り」が必要だという。松井氏は「わからないから決断するのであって、わかっていたら決断とは言わない」ともいう。ところが、実際には、「まだ情報が足りなくて」とか「どうもリスクが多そうだから」といった理由で、決断を先送りしている経営者を少なからず見かけるのである。決して十分ではないかもしれないが、与えられた情報をもとに大きな流れを洞察し、思い切って決断する。万が一間違っていたら、ゴメンナサイと謝って潔く身を引く。このようなリーダーシップのスタイルが今求められているのではなかろうか。１８４情熱や野心は、自分自身に対してではなく、自分が関わる組織に対して向けられていなければならないのである。１８７前ニューヨーク市長のジュリアーニ氏も自分の言葉で語ることの大切さについて語っている。「原稿を仕上げたら、その原稿は捨て去って自分の言葉で話す」というやり方をするようになったから、ジュリアーニは満足のゆく演説ができるようになった、と語っている。「勝手なもので、近頃の私は原稿を読むだけの演説を聴かされるといらいらする。演説者その人について知りたい、本心をどう話すかを聞きたいと思う。私自身、今は原稿を読まずに、胸の内をそのまま言葉にしている。おかげで演説の時も、誠実に話をしているという実感がある。」１９１ビジネスリーダーに求められる力をより具体的に考えるためには、「リーダーシップ」と「マネジメントの力」を、いったん分けて考えてみると良いように思う（実際には、明確に分けきることは困難ではあるが）。ジョン・コッターによる「企業変革力」は、この二つを分けて論ずることによって、ビジネスリーダーに「今求められるもの」を明きからにしようと試みている。同書によれば、「リーダーシップ」とは、激しく変化する環境の中で方向性を決め、その方向性に向けて組織を適応させていく力である。一方、「マネジメント」とは、企業の複雑なシステムをつつがなく振興させることを意味し、計画立案、組織設計、人材配置、問題解決などの活動が含まれる。このように分類した上で、ジョン・コッターは、企業においいても大学においても、「２０世紀の教育プログラムではマネジメントが主要なテーマとして選ばれ」てきたが、一方で「リーダーシップという点については全く教育されてこなかった」と指摘している。その結果、「マネジメントを重視する傾向だけが企業文化に定着」し、それが「官僚主義と社内のみに目を向ける傾向」を強めたのである。１９５ジャック・ウェルチが振った「旗」「何をするか」と「どのように実現するか」を交互に連続させ、変革を定着させることに腐心した。ジョン・リードは「ジャック・ウェルチの天才は、彼の戦略よりも、物事をどのように動かすかの力だ」と評している。１９８マネジメント力の中に、新しい１項目「価値を再生産するための仕組みを作る力」を加える必要が出てきたのである。２１０新原浩朗「日本の優秀企業研究」優秀な企業に共通してみられる六つの条件第三の条件「客観的に眺め不合理な点を見つけられること」新原さんは、この条件について述べる中で、「傍流の時代」という表現を使っている。「傍流」とは、少し広く解釈すれば「本社をいったん離れた場」のことである。そうした異なる環境の中で苦労すること、会社を客観的に見つめ直すことがこれからのリーダーを育てていく、と新原さんは述べている。２１０トップに就任するまでにやっておくべきこと　～ミドル時代の過ごし方～　→思考力・経営知識の修得　　※個々の人の努力は必要だが、それをバックアップしていく体制を整備していかなければならないだろう。　→社外とのネットワークづくり　　※トップは孤独だと言われる。社外に心から打ち解けて相談できる相手を持つこと、自分にとってロールモデルとなるような知人を持つことは、経営の幅を広げるだろう。就任してから必ずやるべきとこと　→社内とのコミュニケーション　→ビジョン・方向性の提示

  2011.10.30

• 構想力とリーダーシップ（その１）

  『経営の構想力』～構想力はどのように磨くか～　　西浦裕二(東洋経済新報社)１７細谷昌志氏は、その著書の中で「想像力に創造的な算出機能が付加されると、それはむしろ構想力と呼ばれる」と述べている。１９構想力見えないものを見る想像するだけでなく行為につなげる行為を通して新しい価値への創造へとつなげる２０半田智久氏も「構想の基底にはイマジネーションがあるが、特徴はアクションが伴うことである」と指摘している。ちなみに、日本構想学会の英語名は、“the japan society for the study of initiative”である。「構想」を「initiative」と捉えているのは、とても面白いし、本質を突いているのといえるだろう。２４半田さんはとても面白い例を紹介してくれた。白鳥の群れが湖から飛び立つときの「飛び立ち方」についてである。半田さんによれば、群れの中から先ず一羽が飛び立ち、他の白鳥はそれに続いて一斉に同じ方向に飛び立つというのである。そしていったん上空にあがると、最初に飛び立った一羽ではなく他の白鳥が群れを率いるらしい。ここで二つの疑問が湧く。一つは、最初に飛び立つ白鳥は、どうやって飛び立つ方向性を決めるのだろうか、ということ。二つ目は、なぜ途中で群れを率いるリーダーが交代するのだろうか、ということである。よく言われるように、新しいものを作り出していくときのリーダーと、できあがったものを回していく(守っていく)時のリーダーとでは、求められる資質が異なる。同じことが白鳥の社会にも当てはまるのだろうか。４６いつまでたっても、頭が柔らかい人がいる。そうした人の特徴を表す面白い概念として、「ネオテニー」という言葉がある。ネオテニーとは生物学の用語で、「幼い時期の特徴を失わずに成熟することと」と定義されている。「リーダーシップ」に関する著述の多いウォレン・ベニスは、近著「こうしてリーダーは作られる」(ダイヤモンド社)のなかで、「興奮を誘う発見」として、この゛「ネオテニー」に着目し、「リーダーシップの役割を演じ続けている旧世代の誰もが、「ネオテニー」というきわめて重要な資質を共通して持っていた」と述べている。いうまでもないが、ウォレン・ベニスは、ネオテニーという言葉を、子どものような好奇心、自由な心、曇りのない目を、大人になっても持ち続けている、という天に注目しているのである。５９施行の化学反応が起きるための３つの条件・徹底して考え抜くこと・哲学と使命感が存在すること・異質な世界との交流が行われること６８「気づき」が「発想」につながり、「発想」が「構想」を生み出すのである。７１ピンとくるか否かを分けるのは、結論から言えば「顧客の立場」に立って物事を考えることができるかどうかであろう。７８オオゼキの佐藤達雄会長によれば、現場の社員に必要なのは「客が何を望んでいるのか」を関知する「触覚」だという。８３現場の視点を磨く３つの方法・問題意識を持って現場に顔を出す・自社の現場力を棚卸しする・満たされていない顧客ニーズを洗い出す９２佐々木正『原点は夢　わが発想のテクノロジー』より現代のわれわれの生活と最も関係の深い技術の世界では、技術は何のためにあるのかという「哲学」が忘れ去られ「技」だけが優先されてしまった。技術を学ぶ学問は「工学」であるが、「工」という字は、天の理を表す横棒の「一」と、地の理を意味する「一」によってできている。そして縦の棒がこの両者を支えている。天と地、つまり宇宙全体を表現しているのが「工」の本来の姿であり、工学とは宇宙全体のことを学ぶ崇高な学問なのだ。ところが、現在の大学ではこうしたことを教えないし、技術者のほとんどは、工学とはこのような哲学に基づく学問であり、人類の未来を担う仕事なのだということに気づいていない。１００よく「ネットワーク社会」という言葉が使われるが、比喩的に言えば脳細胞の仕組みになぞらえることができる。脳細胞は、目的に応じてダイナミックに相互に連結と切断が繰り返されるという。そして中心体がなく、全ての細胞、全ての個体が中心であるといわれる。これからの産業システムの中の企業は、さながら脳細胞のごとく「壁」や「制約」を飛び越えて、自分にとって真に意味のあるパートナーを探し出し、ダイナミックに連合を組んでいくことになるだろう。しかし、ダイナミックな連合の成立に関しては、二つの点に留意しなければならない。まず第一は、脳細胞もそうであるように、一度関係性ができるとそれで安泰というわけではない。意味がないとなると、関係性は容赦なく切断されてしまう。第二に、そもそも各企業に「個性」がなければ誰からも相手にされず、誰とも連結することができないのである。「近代」のシステムにおいては、金太郎飴であることが「効率」という観点から望ましい面であったが、「ポスト近代」においてもなお金太郎飴であり続けると、周囲の連結から取り残されてしまう。１０４このような歴史的な転換期ないしは移行期においては、金子さんが指摘するように「ＡかＢか」といった単純な二分法的思考では、物事の本質を見誤る。従来対立していた概念が、錯綜する中で併存し、新たな均衡点を模索することこそが、転換期の特徴である。すなわち「ＡかＢか」ではなく、「ＡもＢも」という捉え方をしていなければならない。１１６プラットフォームの支配は、ビジネスとしての大変な成功の証である。むしろ、プラットフォームを取り込むこと、したたかに使いこなしていくことこそ、これからのグローバル企業に求められる姿勢なのであろう。１１８「産業」を再生させようとするとき、この章で述べている「プラットフォーム」という考え方が、一つのキーワードになるように思う。個々の企業が、それぞれに保有している機能や資源のうち、それぞれに保有しなくても企業の「個性」に影響を与えないもの、統合が可能なものについて、思い切って集約し、産業全体の(ないしはいくつかの企業共通の)プラットフォームにしてしまうのである。そうすることによって、コスト構造を大幅に変えることが可能になるだけでなく、オペレーションを強化することにもつながる。各企業は、プラットフォームを活用した上で独自の「個性」を磨くことに集中すればよい。言い換えれば、共有化(あるいは標準化)と個性化(または個別化)の同時進行を目指すのである。１２７私たちは「伝統」という言葉を聞くと、それを古臭いもの、保守的なものと受け止めがちである。「伝統はすでに完成された動かない方として静態的に認識されている場合が多い」(辻井喬『伝統の創造力』)しかし辻井さんによれば、西欧では、伝統は「現代との関係の中で今でも動いているもの」であり、「大衆の中に浸透している運動のエネルギーとして認識されている」ようだ。確かにヨーロッパの町を歩いたり、人々の生活を見たりすると、「日常」の中に「伝統」が息づいていると感ずることが多い。１２８未来を切り開くためにこそ、今一度「原点」とか「よりどころ」を確認することが大切である。「原点」や「よりどころ」が確かなほど、「構想」の跳躍力は向上するように思われる。１３４ソニーがいっているのは、われわれの製品は、無くても誰も困らない。だけど、あったらいい、あったら楽しい。そういうものを作り続けているのがソニーなんだっていうことだと思ったんでするなぜ多くの人がソニーの製品に惹かれるのかというと、彼らの製品にはきちんとメッセージがあるから。そこにつきるような気がしているんです。だからソニーは「ブランド」なんだと思うんです。１３８「ブランドとは信頼の貯金箱」であるはずだ。ロゴの色や形を変えればすむものでは決してない。そして「信頼」を「貯金」することには時間がかかるが、「貯金」を使い果たすのは一瞬で終わってしまうのである。１４７もとシャープ副社長の佐々木正さんは、「ひとりの天才によって画期的な発明・発見がなされることは、これからは稀になるのではないかと考えている」と指摘している。その理由は、「科学技術が高度化すると同時に、一方で専門化が進み、ひとりでは研究が行えないようになっているからだ」という。１４８「多くの人たちが一体となって新しいものを作り上げていく時代に入った」と言うと、「日本の企業や研究所は前からそうだった」との反論が予想される。たしかに日本ではチームワークは大切にされてきた。しかし、「和」を尊び仲良く仕事をするということと、個性や考え方をぶつけ合い、化学反応を起こしながら新しい「知」を創出していくということは、似ているようだが全く違うことである。また、狭い組織の中だけでチームワークを大切にするということ（これを「閉じた系の中での共創」と呼ぶ）と、オープンな環境の中で「知の格闘」を行うということ（これを「開いた系の中での共創」と呼ぶ）は、根本的に異なる。今の日本に求められているのは、激しい「知の格闘」をより開いた系の中で行うことだと考える。そしてこのことは、昨今話題となっている「ナレッジ・マネジメント」という考え方につながるものである。

  2011.10.30

• ライフスキルとは

  　ライフスキルの育成は、喫煙、飲酒、楽物乱用防止教育において、知識習得や態度などの育成に加え、意思決定などの課題対処にかかわる能力の育成に重要であるとされる。　ＷＨＯによれば、ライフスキルとは「日常生活で乗じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な心理社会的能力｣と定義されている。　ライフスタイルは、以下の４つから構成される。(１)自尊心(セルフエスティーム)の形成(２)意思決定(３)目標設定(４)コミュニケーション(５)ストレス対処　例えば、コミュニケーション・スキルでは、次のような能力が求められる。　・友達などから圧力を受けた場合に、　・圧力には意図していた行動を変えるような影響力があることを知り、　・コミュニケーションには、受動的、攻撃的、自己主張的の三タイプがあることを踏まえ、　・人間関係を損なわないで伝えることができるかを判断する。　ソーシャルコミュニケーションでは、非攻撃的自己主張の重要性が主張されているが、教育の場や、教員養成の場で、本腰を入れて取り組むべき時が来たのかもしれない。データソース：西岡伸紀(兵庫教育大学大学院教授　週刊教育資料1178)

  2011.10.04

• ハーバード流交渉術

  ハーバード流交渉術～イエスと言わせる方法～(フィッシャー＆ユーリー著　三笠書房)11 本書では、もう一つの交渉術を提示したい。それはハード型ではソフト型でもない。むしろ両方を含んだような交渉方法である。ハーバード大学交渉学研究所で開発されたこの方法は、原則立脚型交渉術とも言うべきものである。 双方の主張の利点に焦点を合わせようとするものである。またその方法は、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すことを勧めている。　原則に立脚した交渉は、問題の本質に関しては厳しいが、人間に対しては柔軟である。この方法は計略的でないし、当事者を身構えさせることもしない。また、正当な要求を通すのに、汚い手口を使わないですむ。公正な立場をとりながらも、それを相手に利用されるのを防ぐ。29　駆け引き型交渉でハード型をとるかソフト型をとるべきかの問いに対する答えは、「どちらもノー」である。ゲームのやり方を変えよ。われわれはハーバード大学交渉学プロジェクトにおいて、立場の駆け引きに変わるべきもの、すなわち、賢明な結果を効果的かつ有効裏にもたらすべく設計された交渉方法を開発してきた。この方法は、原則立脚型交渉Principled Negotiationまたは利益満足型交渉negotiation on meritsと呼び、次の四つの基本点に集約することができよう。　これらの四つの基本点は、ほとんどいかなる状況の下でも用いることのできる交渉の正攻法を示している。人･･･ 人間と問題を分離せよ利害･･･ 立場ではなく利害に焦点を合わせよ選択肢・・・ 行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ基準・・・ 結果はあくまで客観的基準によるべきことを強調せよ30　参加者は互いに相手を攻めるのではなく、一緒に問題を攻めるのだという見方ができるようにすべきである。32　どちらか一方が選び出した基準によるべきだというのでなく、市場価格、専門家の意見、慣習、法律といった公平な基準によって結論を出すということである。　このような基準を討議すれば、一方が他方に屈するということもなくてすみ、双方が公平な基準によった解決に従うことができよう。33　原則立脚型交渉　Principled Negotiation・参加者は問題の解決者である・目的は効果的かつ友好裏に賢明な結果をもたらすこと・人と問題を分離する・人に対しては柔軟性をもち、問題に対しては強硬に・信頼するしないとは無関係に進行する・立場でなく利害に焦点を合わせる・利害を探る・最低線を出すやり方を避ける・双方にとって有利な選択肢を考え出す・まず複数の選択肢をつくり、決定はその後にする・客観的基準を強調する・意志とは無関係な客観的基準に基づいて結果を出す・理を説き、理には耳を傾け、圧力でなく原則に合わせる43　だいたい、交渉というものは、友好関係を存続することを前提としているのであり、そうした関係を今後も一層深め、さらに将来の交渉にも役立てうるような方法で話を進めることが大切である。事実、長いつきあいのある顧客、取引先、家族、同僚、役人、外国の国家などについていえば、現在樹立されている関係を維持することの方が、一つの案件についての交渉結果よりははるかに重要なものである。119　選択肢を考え出す４つの思考過程〔第１過程〕問題点・何が問題か　　・現在の徴候は何か　　・好ましい状況と比べ何が不都合か〔第２過程〕分析・問題の診断　　・徴候を分類する　　・原因を推測する　　・何が欠けているか　　・問題解決の障害は何か〔第３過程〕対処法・可能な戦略　　・対策は何か　　・理論的解決策は何か　　・一般的な処置は何か　　〔第４過程〕実施案・何をなしうるか　　・問題を処理する具体的方策は何か194　原則立脚型の交渉者が使う決まり文句「私が間違っていたら教えてください」「あなたがしてくださったことには感謝しています」「我々の関心は公平さにあるのです」「欲得ずくや力ずくでなく、原則に従って解決したいのです」「信用するか否かは別問題です」「私の事実確認が正しいかどうか、二、三質問してもいいですか」「あなたの行動の背後にある原則は何ですか」「あなたがおっしゃることを私が十分理解しているかどうか確認させてください」「もう一度うかがわせてください」

  2011.09.30

• 仕事ができる人のタイムマネジメント

  『図解　仕事ができる人のタイムマネジメント』（行本明説著）　より◆タイムマネジメントの考え方に関する記述10一般的に「タイムマネジメント」は「時間管理」と思われています。しかし、時間自体は増やすことも減らすこともできません。一日二十四時間、一年三百六十五日は、万人に共通です。差が生じてくるのは、その時間の中で、何をやったかという中身の差です。ビジネスの世界でのそれは、仕事そのものということになります。つまり、「タイムマネジメント」とは「時間の管理」ではなく「仕事の管理」ということになります。正しい表現は「タスク（処理事項）マネジメント」。11　仕事の定義：仕事とは自分の他人の共同作業　狭義のタイムマネジメント　･･･　「仕事の進め方の技術」　広義のタイムマネジメント　･･･　「コミュニケーションの技術」＋「仕事の進め方の技術」＋「専門知識・技術」132　情報処理と業務処理の2つの作業を繋ぐスキル、すなわち仕事の進め方のスキルが大切になってくる。この仕事の進め方のスキルがタイムマネジメントのスキルと言い換えることができる。168タイムマネジメントの基本＝仕事に時間を貼り付ける　　×時間に仕事を入れ込むことではない186　タイムマネジメントの原点　・・・　「自責」　何か問題があったら、まず自分のどこに原因があり、それが修正可能か考えることです。　他人を変えるより、自分を変える方が簡単である。ビジネスにおいて、唯一コントロールできるのは自分のことだけである。189　セルフマネジメント　＝　タイムマネジメント　＋　やる気のマネジメント　変革、再生の出発点はセルフマネジメント　社長のセルフマネジメントは、会社が変わる出発点　部長のセルフマネジメントは、業務向上の出発点　課長のセルフマネジメントは、一人一人の元気の出発点◆タイムマネジメントの原理・原則・法則に関する記述24　　ただ社員に向かって「がんばって働け」と言っているだけでは、生産性向上など得られません。大切なのは、質と量と当課時間のバランスの最適化を図ること。これが生産性向上の秘訣です。　生産性の方程式　　　「生産性」＝（「質」×「量」）÷「投下時間」　生産性向上の３つの基本的な取り組み　　　　初級：質と量を変えず（落とさず）に、今までよりも少ない時間でやる　　中級：質と投下時間を変えずに、今までよりも仕事の処理量を増やす　　上級：量と投下時間を変えずに、今までよりも仕事の質を上げる62　パフォーマンス　・・・　売り上げや実績などの数値　リソーセス　・・・・・・　人材とか知識、戦略などのビジネス資源　組織の力は個人の力のかけ算（相乗効果）で決まる。　　　・1の10乗＝1　　・1.1の10乗＝2.59　　・0.9の10乗＝0.3568　自由時間を「時間予算」と考える。　期限が1週間後の仕事の「時間予算」は1週間ではない。具体的に毎日の自由時間の足し算をして、段取りをつけるべきである。　なお、10時間の「時間予算」があっても、突発業務等もあり、実際に自由に使える時間は「時間予算」の3割程度。93　プランニングマネジメントの基本　　仕事の段取り、プランニングの基本は、質と量のジレンマの克服。　　→　継続型の仕事は「質」に重点を置く。　　→　企画・単発型の仕事は量に「重点」を置く。101　仕事の遅延の3大要因　　要因１〔ノウハウ・専門知識の欠如〕　　　　→（対策）→　〔ナレッジ〕　　要因２〔仕事の進め方の欠如〕　　　　　　　→（対策）→　〔優先順〕　　要因３〔コミュニケーションスキルの欠如〕　→（対策）→　〔アクティブヒアリング〕112　仕事は業務処理(自分一人でやる仕事)と情報処理（他人と共同でやる仕事）に分けられます。　仕事の60%以上は、情報処理(コミュニケーション業務)だといわれます。　したがって、タイムマネジメントスキルには、コミュニケーションスキルが重要なのです。118　〔戦略情報〕･･･トップダウン･･･基本方針、ルールや指示、命令･･･社員の「やる気」を左右する情報　〔戦術情報〕･･･ボトムアップ･･･業務処理のための報連相、日常業務の指示、依頼･･･仕事の「やり方」に影響する情報119　業務処理を効率よく行うためのピラミッド型組織を、情報処理のために利用したことが、企業組織の過ちだった。　ピラミッド組織を廃するのではなく、トップダウンの情報が、経営陣から一般社員にダイレクトに伝達されるシステムを構築すること、つまり、情報伝達のシステムをフラット化することが大切なのである。122　コミュニケーション・スキルは、ビジネスの基本だが、日本のビジネスマン(管理職)に最も劣っている技術である。　日本のビジネスマンは一般にコミュニケーションスキルが未熟である。　ビジネスの現場での平均値として、コミュニケーションの中では、「聞く」を使っている時間は45%、「話す」が30%、「読む」が15%、「書く」が10%である。　つまり、コミュニケーションの大半を、最もやさしいコミュニケーションスキルである「聞く」に依存している。　情報の種類によって、それぞれ伝えやすいスキルもあれば、伝えにくいスキルもあるが、その使い分けができていないのが現状である。　「聞く」に長けている管理職は少なく、「話す」に長けている管理職は、さらに少ない。管理職ともなれば、コミュニケーション・スキルを磨く努力をしてほしいものです。168　タイムマネジメントの基本＝仕事に時間を貼り付ける　・・・　×「10時からの1時間に、何をしようか」　＜スケジューリングの30%の法則＞　スケジューリングのコツは、一日のうち、具体的にどの仕事をするのか、予定を入れるのは30％の時間を限度にすることです。169　通常は、5～10%の時間しか管理できていない。　→30%まで引き上げると、仕事が大きく変わる。　→30%以上管理しようとすると、突発業務により管理できないことがあり、長続きしない。178　一つのルールが、ある組織に長期間定着すると、それはルールではなく、文化、風土となります。　ステップ1　現状の仕事の進め方を把握し、長所・短所を整理する。　ステップ2　仕事の進め方の原理・原則（タイムマネジメント）を理解する。　ステップ3　組織全体で取り組むべき具体的方法を特定し、ＯＪＴで定着を図る。◆タイムマネジメントのスキルに関する記述32　タイムマネジメントの４つの時間　　・自分一人の仕事の開始時刻　【重要】　　・自分一人の仕事の処理期限　　・他人との共同の仕事の開始時刻　　・他人との共同の仕事の処理期限　【重要】　☆「自分一人の仕事の開始時刻」に注目すると、責任ある仕事ができる。主張がはっきりする。87　委任のスキル　　委任のアクションポイント　　1.なぜ私が？　　2.考える（仕事を概観する）　　3.事前計画　　4.部下把握　　5.仕事全体を　　6.明確な説明　　7.では、委任しよう！　　8.慎重なチェック　　9.疑問に対処　　10.賞罰108　「やる気」のマネジメント　　生理学的に見れば、人間のやる気は、カテコールアミンというホルモンの分泌によって増進されます。　　カテコールアミンの分泌を刺激する方法　　1.　人間は赤い色に反応し、カテコールアミンを分泌しやすくなる　　2.　身体の内側の経路、膝の裏、親指の付け根などを刺激する　　行動心理学的な側面から考えると、達成可能な目標を設定することも、やる気を出すための一つの方法です。110　自分へのアポイントとは、自分一人でやる仕事の時間を確保し、スケジュール帳に書き込むことです。　これは、時間を管理するのが目的ではなく、あくまでも、時間を有効に活用し、仕事をうまく進めるのが目的なのです。138　突発的に生じる仕事は、こちらから先手を打つことで軽減できる。　　例：連絡を待たずに、先に連絡する。　朝一番に連絡会をやっておく。142　仕事の段取り上手になる3つのステップ　1.生産性の方程式の3つの要素、投下時間、質、量を把握する。　　　その仕事のために使える時間、何のためにやるのか、どうしてやらねばならないのか･･･　2.行動計画を列挙する（仕事の棚卸し）　　　仕事の遂行に必要な行動を列挙し、ひとつひとつの行動について誰がするのかを決定する。　　　自分がやるのか、他人に任せるのか　･･･　全ての行動に人を貼り付ける　3.具体的行動の優先順位をつける。　　　列挙した行動に順番をつける。162　一日のプランニング　プランニングのキーポイントは、関係者との連絡を取り合うコンタクト業務を最初の仕事にすることである。　1.　1日の始まるの5～10分で行う。　2.　その日コンタクトをとる相手をリストアップする。　3.　その日行う仕事をリストアップする。　4.　その中で一番重要な仕事を1つ選択する。　5.　その仕事を行う時間を決める。　プランニングが終わったら、コンタクト業務から開始する。

  2011.09.29

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