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塵と芥の思索室

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2011.09.30
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カテゴリ:マネジメント
ハーバード流交渉術~イエスと言わせる方法~
(フィッシャー&ユーリー著 三笠書房)

11
本書では、もう一つの交渉術を提示したい。それはハード型ではソフト型でもない。むしろ両方を含んだような交渉方法である。ハーバード大学交渉学研究所で開発されたこの方法は、原則立脚型交渉術とも言うべきものである。
双方の主張の利点に焦点を合わせようとするものである。またその方法は、できるだけ共通の利益を見出し、利害が衝突する場合は、どちら側の意志からも独立した公正な基準に基づいて結論を出すことを勧めている。
 原則に立脚した交渉は、問題の本質に関しては厳しいが、人間に対しては柔軟である。この方法は計略的でないし、当事者を身構えさせることもしない。また、正当な要求を通すのに、汚い手口を使わないですむ。公正な立場をとりながらも、それを相手に利用されるのを防ぐ。

29
 駆け引き型交渉でハード型をとるかソフト型をとるべきかの問いに対する答えは、「どちらもノー」である。ゲームのやり方を変えよ。われわれはハーバード大学交渉学プロジェクトにおいて、立場の駆け引きに変わるべきもの、すなわち、賢明な結果を効果的かつ有効裏にもたらすべく設計された交渉方法を開発してきた。この方法は、原則立脚型交渉Principled Negotiationまたは利益満足型交渉negotiation on meritsと呼び、次の四つの基本点に集約することができよう。
 これらの四つの基本点は、ほとんどいかなる状況の下でも用いることのできる交渉の正攻法を示している。

人・・・ 人間と問題を分離せよ
利害・・・ 立場ではなく利害に焦点を合わせよ
選択肢・・・ 行動について決定する前に多くの可能性を考え出せ
基準・・・ 結果はあくまで客観的基準によるべきことを強調せよ

30
 参加者は互いに相手を攻めるのではなく、一緒に問題を攻めるのだという見方ができるようにすべきである。

32
 どちらか一方が選び出した基準によるべきだというのでなく、市場価格、専門家の意見、慣習、法律といった公平な基準によって結論を出すということである。
 このような基準を討議すれば、一方が他方に屈するということもなくてすみ、双方が公平な基準によった解決に従うことができよう。

33
 原則立脚型交渉 Principled Negotiation
・参加者は問題の解決者である
・目的は効果的かつ友好裏に賢明な結果をもたらすこと
・人と問題を分離する
・人に対しては柔軟性をもち、問題に対しては強硬に
・信頼するしないとは無関係に進行する
・立場でなく利害に焦点を合わせる
・利害を探る
・最低線を出すやり方を避ける
・双方にとって有利な選択肢を考え出す
・まず複数の選択肢をつくり、決定はその後にする
・客観的基準を強調する
・意志とは無関係な客観的基準に基づいて結果を出す
・理を説き、理には耳を傾け、圧力でなく原則に合わせる

43
 だいたい、交渉というものは、友好関係を存続することを前提としているのであり、そうした関係を今後も一層深め、さらに将来の交渉にも役立てうるような方法で話を進めることが大切である。事実、長いつきあいのある顧客、取引先、家族、同僚、役人、外国の国家などについていえば、現在樹立されている関係を維持することの方が、一つの案件についての交渉結果よりははるかに重要なものである。

119
 選択肢を考え出す4つの思考過程
〔第1過程〕問題点
・何が問題か  ・現在の徴候は何か  ・好ましい状況と比べ何が不都合か
〔第2過程〕分析
・問題の診断  ・徴候を分類する  ・原因を推測する  ・何が欠けているか  ・問題解決の障害は何か
〔第3過程〕対処法
・可能な戦略  ・対策は何か  ・理論的解決策は何か  ・一般的な処置は何か  
〔第4過程〕実施案
・何をなしうるか  ・問題を処理する具体的方策は何か

194
 原則立脚型の交渉者が使う決まり文句

「私が間違っていたら教えてください」
「あなたがしてくださったことには感謝しています」
「我々の関心は公平さにあるのです」
「欲得ずくや力ずくでなく、原則に従って解決したいのです」
「信用するか否かは別問題です」
「私の事実確認が正しいかどうか、二、三質問してもいいですか」
「あなたの行動の背後にある原則は何ですか」
「あなたがおっしゃることを私が十分理解しているかどうか確認させてください」
「もう一度うかがわせてください」










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最終更新日  2011.09.30 13:26:06
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