[趣味]の記事一覧 | 闇夜のからす徒然綴り

まほろばの奈良

茶道流儀の全国大会で奈良に行った。春日大社の献茶を含む、前夜祭と東大寺での濃茶・薄茶席及び点心席に献茶後の拝服席、春日大社宝物殿と萬葉植物園のチケット付き。せっかくだからと、一緒に行った友人と連泊、遷都1,300年の都をすこ～し観光。今回は、西への旅行をしたことのない友人の希望で、一般的な観光ルートを回ることに。一日目、早朝から新幹線で奈良へ。夕方からの懇親会を兼ねた前夜祭までは時間があったので、平城宮跡へテクテク。そこで天平衣裳を借りて着付けてもらい、汗をかきつつ広い跡地を散策。何を勘違いしたのか、見知らぬおじさま達から幾度かモデルを頼まれ苦笑の連続。　茶会前夜祭は、フルコースを頂きながらの南都楽所の舞楽演奏やフルート、ヴァイオリン、ピアノの楽曲演奏、又お楽しみ抽選会など盛り沢山だったけれど、残念なことに私達のテーブルからは誰一人抽選に当たらず、気分撃沈。終了後そのままホテルに入ったが、日頃歩かない足が酷く疲れてしまい、ベッドに入ってもだるくて夜中に何度も起きてしまった。翌朝、寝不足からか普段より早めに目覚めたので、そのまま着物に着替えて早朝東大寺へ向かった。雨の予報もあり予定より早く受付が始まったので、ほどなく濃茶の一席目に入ることが出来た。軸は、『近衛信尋時鳥懐紙』、花入は利休好写の大鶴首。紅の釣鐘鉄線と、添えの原種薄紫の都忘れがみごと。茶入は一翁手造の肩付『長暦』、裏に在判くっきり。香合も直斎好の大型の源氏車、四代宗哲造の貴重な一品。ゆっくり拝見させて頂き、続いて隣接の点心席へ。朝食を召し上がられたばかりで避けて行かれる方達も多い中、朝食を抜いた我々はペロリと美味しく頂戴し、少し早いとは思ったが先に春日大社へＧo!! 結構前の方に座ったつもりが、人垣で所々しか見えず残念。とはいえ、板間に座って足は痛くなったけど、厳かな雰囲気を湛えた良い献茶だったように思う。例年に比べ気温が低めなせいか砂摺りと云われる藤の房も短い。拝服席で薄茶を頂いた後小雨も降り出し徒歩での移動が面倒だけど一応チケットを貰っているので萬葉植物園にも。宝物殿を見た後、シャトルバスで再び東大寺へ移動、残る薄茶席に並ぶ。さぁこれから入室という時になって、なんとお家元御一行が!!ラッキーなことに、ご同席させて頂けた。厚かましくも我がＡ師匠の隣へそそくさと席を取り、お家元とも相対峙する場所でお茶を頂いて至福のひと時だった。　幸せな気分で、残りの時間で東大寺見物を。着物を着ていたせいか、観光に来ていた韓国のお嬢さん方から、一緒に写真をと頼まれたりして、なんとなく華やいだ気分でホテルに戻る。次の日は法隆寺、唐招提寺と薬師寺を観光、オトナの修学旅行だ。あっという間の2泊3日、楽しい楽しい奈良旅行だった。

2010年05月13日

米寿祝い後記

長くお世話になっていたお茶の先生が亡くなられたのが一昨年。今年、その先生のご主人先生が目出度く米寿を迎えられた。何かお祝いをして差し上げたいと思い、先生のお茶の生徒さんの中から私とも懇意な人をピックアップ、ささやかなお茶の席を設けることにした。とはいえ、自分で道具立てを考えてお客様をお持て成しするのは初めて。親しい人達だけの気の張らない席ではあっても、それなりの線は崩したくないし、先生に喜んで頂ける席にしたい。そんなこんなで、現在お稽古して頂いているＡ師匠に相談。すると、思ってもないことに、お忙しい中Ａ師匠自身もお祝いの席にご参加下さる運びに！願っても無い展開に、嬉しさと共に不安も・・・師匠が来られるからには下手なことは出来ないな（笑）お祝いの気持ちを込めたお道具を、手持ちのものだけでは間に合わないので友人知人達からもお借りして、精一杯準備させてもらった。あとは天候だけが気掛かり・・・と思っていたら、予定日の前あたりから気温がググッと下がり、なんと前々日にはまさかの雪！！幸い短い時間で雨に変わったものの、その雨が予定日前日の午前中一杯降り続き、非常にヤキモキさせられた。山間部に位置する場所を借りていたため、道がとても心配だった。それ以上に、当日の気温が！！！ご主人先生は非常に寒さに弱い。当初3月というだけでも些か腰が引けていた位だから、これで真冬の寒さに戻ったりしたら絶対アウトだ。な～んていう危惧も吹っ飛ぶほど、前日午後から急激に天気は回復し、気温もグングン上がって来た。そして当日は文句無しの晴天、風も無く穏やかで暖かな日になった。お料理も、事前に打ち合わせて思い描いていたより期待以上のものが用意されていて、先生はじめ皆さんに喜んで頂けたのも何よりだった。お菓子はＡ師匠のお心入れのものをお送り頂き、また当日は続き薄のお点前をしたが、その替茶碗に初お披露目の乾山をお持ち頂き大感激!!!!! Ａ師匠が起こし下さったお蔭で席も締まり、会話も弾んで思い出に残る会となった。曲がりなりにも初亭主役に頭が麻痺したらしく、当日の私は失敗だらけ。おおらかな先生や師匠のフォローでなんとか無事済んだけど、これは何度も経験して身に付けて行くよりほかなさそう。今回はひとまず盛会だったということで・・・

2010年03月15日

近江八幡と米来留

会期終了の迫ったウィリアム・メレル・ヴォーリズ展にどうしても行きたくて、先月最後の休日に、車中泊の強行スケジュールで行って来た。街を挙げてのイベントで、ウィークデーの早朝とはいえ結構な人出。偶然見たTV番組で知ったヴォーリズが忘れられず、ずっと行きたいと思っていたところへこのイベント。建築もさることながら、その人となりを知るにつけ、益々好きになってしまった。伝道者、教育者、建築家、事業家と、幅広い活動に取り組んだ彼の精神の根底にあったのは『隣人愛』。その理念に基づき、当時不治の病であった結核から人々を救うため、1918年に結核療養所（後の近江サナトリウム）をも開院している。色んなことに感心しながら、広くも無い街をぐるぐる歩き回って、とても良い運動になった。せっかく滋賀くんだり迄出掛けたのだから･･･と、この後別の所へも足を延ばして少しばかり観光。安土城址へも上り、暫し古に思いを馳せる。復元された金色の天守閣上層も拝見。あの時代にこんな建造物を思い付いた信長の想像力には、只々驚くばかり。　夕暮れの琵琶湖の美しさも、離れがたいほど印象的だった。

2009年11月04日

大琳派展ともやしもん

お茶の先生に『江戸・東京の茶の湯展』の招待券を頂いたので、前から行きたかった東博の『大琳派展』と抱き合わせで行くことにした。折角だから、科博でやっている『菌の不思議展』も覗いて・・・。琳派展は、宗達、光悦から始まる琳派芸術が光琳、乾山を経て抱一、其一と時代を超えて受け継がれて行くその変遷を、分かりやすく展示してあって興味深いものだった。展示数が多いのと、平日にもかかわらず沢山の人出で展観も楽ではなかったけれど、見応えは充分。特に風神雷神図が4点、一堂に展示してあるのが圧巻。光琳のそれも見事だと思っていたけど、こうして並べて観ると、やはり宗達が卓越している感がある。他の作品も、何点か元の絵と模写とを並べてあったが、どうしても模写が見劣りするように思うのは私だけだろうか。オリジナルの迫力や高さには及ばないと感じてしまうのだ。まぁ、模写を経て自分自身の芸術を完成させて行くのだから、そんなの比べる必要はないのだけれど・・・。たっぷり琳派に浸った後は、腹ごしらえをして科博へ。可愛い『もやしもん』のキャラクターが私を誘う。実は、私は科博へ行くのは初めて。夫から、面白いよ、と話だけは聞いていたのだけれど、さてさて。今回は企画が楽しいので行く気になった。もやしもんを引っ張って来るとはさすが！　考えましたね。学生さんのツアーもいっぱい、大盛況の様子。写真撮影ＯＫというのも嬉しい。　ショップで思わずキャラクター商品も買ってしまった。意外に楽しんだ科博を後に、次は日本橋高島屋へ。東京茶道会創立100周年記念の展示らしい。徳川家ゆかりのお道具をはじめ、江戸から東京と引き継がれる茶道の足跡ということで、遠州流や宗偏（正しくは行人偏）流、江戸千家などが主な展示となっていた。考えてみれば、我が武者小路千家や表千家は京都から西が本拠地である。今回の展示に出展が少ないのは致し方ないことだったが、なんとなく残念な気持ちになってしまった。結構歩き回ったので足も痛くなってしまい、ジョギングシューズで来れば良かったと後悔した。ハイヒールは失敗だった！それでも、最近は忙しくてどこにも出掛けていなかったので、久々の遠出は良い気分転換にもなったし楽しかった。急に肌寒くなって早くも冬の到来かと思うような一日だったけど、ホットな時間を過ごせた。でも、寒がりの私にはそろそろストーブも必要になるかもしれない。一年は本当に早いものだ。

2008年10月30日

宿題

お習字に通い初めて５ヶ月目。８月はお休みだったので丸４ヶ月間、月２回のペースで通った。変体仮名で『いろは』を練習した後、今は百人一首を毎回二首ずつ書いている。字の大きさが揃わなかったり真直ぐ書けなかったりと、初心者故の苦労も色々。しかし、何にも増して出来ないのが『宿題』である。他の生徒さんは皆さん真面目で、出された課題をしっかり家で練習し、その成果である清書を毎回一枚提出してからその日のお稽古に入られる。しかし、端からそんな上を目指しているわけではない私ともう一人Ａちゃんは、お習字に行ったその時間だけ集中的に練習できればそれで満足だった。ご祝儀袋や芳名録に恥かしくない程度の字が書けるようになれればそれで良いのだ。筆を持つことは苦ではない。気分が落ち着くし、なにより楽しい。練習しなければ上手になれないことも重々承知ではあるのだけれど・・・家で書くということは、何故かなかなか出来ないのである。ま、動画を見る暇があったら筆を取れ…と言われれば一言も無いのだが、それはそれ。適当な気分転換も必要なわけで―――。真面目な先輩生徒さん達が美しく散らし書きなど練習され、昇級の話で盛り上がっているのを横目に、それはそれで羨ましくもあるのだけれど、やっぱり私達二人はのんびりスローペースで行こう！と、先生には大変申し訳ない決定を、二人密かに下しているのであった。

2008年10月25日

時之栖

友人に誘われて、仕事を終えてからヴァイオリンリサイタルに行って来た。私の職場近くに住むその友人、私の仕事が終わるのを待って車で迎えに来てくれ、一緒に夕食をとった後御殿場の会場へ。ちょっと食事に時間をかけすぎた感もあったけど、開演までには充分間に合う時間だった。だったのだが、頼りにしていたナビが示す方向へ進んだ結果、とんでもない山の中をひたすらグルグル上り、遥か眼下に御殿場と思われる街の明かりが瞬いているのに、更にまだ上って有料道路へという指示。一体何処へ連れて行くつもりだーーー！！！きっと目的地の設定を間違えたに違いない。聞いてみると、住所の途中までしか入力してないという。御殿場市神山・・・で、山の上へ？コンサートのチラシを見てみると、会場の住所はちゃんと番地まで載っている。なんだ、最初からきちんと入力すれば良かったんじゃない？そして方向転換、今度はどんどん下る下る。しかし行けども行けども街は遥か下。大分近づいたと思ってもまだまだ遠い。昼間でも暗いと思われるクネクネ道を日が暮れてから走るのだ、二人で良かったと言い合いながら、何故間違てしまったのか、どうしてこんな道に来てしまったのかと悔やむばかり。そうこうしているうちにそろそろ開演時間になってしまった。スリル満点のドライブ、今夜中にちゃんと目的地まで辿り着けるのだろうか？すると突然私の携帯に着信。誰！？娘だった。“取引先の人から松茸貰ったんだけど、どうしようか・・・。Ｅ(弟)もほとんど家にいないし、私一人だから松茸ご飯にしても余り過ぎるんだよねー。”だったら焼いて食べれば？え？　全部は勿体無い？　そんなに沢山貰ったのか・・・しかし、家で食事をすることがほとんど無い我が家の子供達。当然自炊なんて忘れ果てている。２年前に送った米がそのまま冷蔵庫に大事に保管されており、今回その米で松茸ご飯を炊いても大丈夫だろうか、と質問され、答えに困った。そんなに長く保存していた経験がないから、害の有無は分からない。試しに少しだけ炊いてみたら？と言っておいた。そうしたら、松茸ご飯とホイル焼きを堪能した由。“ちゃんと昆布を水に浸して出汁を取って調理した。超おいしかったー!!!Ｅと一緒に食べました。”一本￥5,000もする松茸は、近年私達の口にも入っていない。羨ましい限りだ。話は戻るが、先のコンサート。ようやくの思いで近くまで辿り着いたは良いけれど、施設の敷地が広くて会場である礼拝堂を探し出せない。ホテルのフロントで尋ねて探し回ったが、それでもなかなか見つからない。車を降りてあちこち見ていたら、ここは違うと思って通り過ぎてたネオンチカチカの所が会場の礼拝堂だった。行ってみると、バラバラと出て来る人。えぇ！？もう終わったの？？いえいえ、前半終了後の休憩時間でした。後半だけでも聴けて良かった。『糸井真紀　ヴァイオリンリサイタル』後半のプログラムは、バッハ：無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番よりシャコンヌミルシュタイン：パガニニアーナテレマン：12の幻想曲より第9番すごく素敵な演奏ダイナミックで繊細で・・・。行きは可笑しな迷珍道中だったけど、ほんとに行って良かった～。満足満足

2008年10月07日

デュオ

前の日記に嫌なことを書いたので、今度はちょっと楽しかった話を・・・。この前の日曜日、フルートとギターのコンサートを聴きに行った。“デュオ　マルティネス-タカギ”のフロアーコンサート。デュオ・マルティネス・高木（フルート＆ギター）は、結成以来15年余、マドリードを拠点にスペイン内外で演奏を繰り広げ、多くの音楽フェスティバルにも参加。今年1月にはアルジェリアでの演奏旅行で好評を得ている。古典からポピュラー、現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、特にスペイン音楽への造詣は深い。又、スペイン現代作曲家の作品の初演も積極的に行い、多くの曲がこのデュオのために捧げられている。日本公演は2000年以来今回で4回目となるが、そのうち3回は聴いた。ピアソラの『ボルデル1900年』やビラロボスの『アリア』、イベールの『間奏曲』などに混じって『こきりこ変奏曲』のような曲も。スペイン舞曲やスペイン組曲、アンダルーサのような地域性豊かな曲は、きっとお得意なのだろう。私は今回、イトゥラルデの『ミニアトゥーラ・アンプロンプチュ』が特に楽しく聴けた。イトゥラルデは、スペイン・ジャズ界を代表する名サックス奏者で、高齢にもかかわらず現在も活発な演奏活動を続け、スペイン国内のジャズファンにとっては長年No.1の地位をキープしているらしい。ラテンジャズにちょっとバロック風のエッセンスが交じり合い、小品ながらも中身の濃い優れた作品、とプログラムに載っている。演奏後花束を渡し、CDを買ってサインをしてもらい、記念に写真まで一緒に撮ってもらった。マルティネス氏の奥さんも一緒に・・・。(真ん中に写っているのは夫)

2008年09月11日

魔王

月曜から金曜まで、毎日楽しみに見ていた魔王が、ついに最終回を迎えてしまった！！因果応報とかいう言葉を、柄にも無く思い出したりしたけれど、色々考えさせられるドラマだった。あまりにも我が子のことだけを思うあまり真実を歪めてしまう親心や、社会のしがらみの中で卑怯にならざるを得ない弱者の立場、現実逃避や復讐心、様々な価値観や思惑が絡み合う面白いサスペンスドラマ。久々にのめり込んだわー。“つきあい”は“突き合い”であってはならない。むしろ引き合う方が無難なのだ。実生活の中でも、不幸な因縁を作らないように心掛けたいもの。常に相手の立場に立って考えることを忘れないようにしよう。たとえ自分が責められても、相手を責めないようにしよう。そういう小さな一歩から始めてみようかな。小さい一歩とはいえ、なかなか難しい一歩だけれど・・・。

2008年03月10日

LIVE/EVIL

最近魔王にはまっている。それは差出人不明の1枚のタロットカードから始まった――正義感あふれる刑事のオス（オム・テウン）のもとに、ある日、宅配便で1枚のタロットカードと奇妙なメッセージが届く。その晩、大物弁護士が殺され、現場にはオスに届いたものと同じタロットカードが残されていた。捜査を進めるうち、オスは2人の人物と出会う。1人はタロットの絵を描いたという女性ヘイン（シン・ミナ）。彼女は、触れた人や物にまつわる記憶が見える“サイコメトラー”だった。そしてもう1人は謎めいた若き弁護士スンハ（チュ・ジフン）。オス、スンハ、ヘイン…事件に関わる3人はやがて12年前のとある殺人事件へと導かれていく――。韓国ドラマには珍しいサスペンスものに、目下夢中なのだった。

2008年02月11日

雪の初釜

天草出身の雪かき男　大寄せの初釜に参加　　雪が多くて絵にならない景色しかし見上げた空は幻想的

2008年01月21日

銀座ぶら

昨年末から風邪のせいか体調がはっきりしないまま年始を迎えてしまった。ブログも更新しないまま。年末に娘が一時帰宅し、つい先日息子が突然帰宅して来た時もボ～ッとしていた。そうこうしていたら突然PCが立ち上がらなくなってしまった！！以前から動きの悪かった娘のPCでレポート作成している息子も、今回の帰宅の際に懸命に苦労を訴える。我が家のPCの修理も保障の範囲で済むかどうか分からないのに、親ばかの私は息子にも新しいPCを購入。余裕のない家計なのになんということか・・・。頭の中も熱に浮かされているに違いない。体調不良の余波がこんなところにまで!?*******************お茶の先生に招待券を頂戴し、“小堀遠州　美の出会い展”に行って来た。～松屋銀座8階大催場～何処へ行っても方向音痴の私、夫に付き添いを頼みいざ銀座へ。大人の街銀座は、渋谷などとは違って道行く人もどことなく落ち着いている気がする。田舎住まいの私は、人の流れもせわしないのは苦手だ。人ごみも好きじゃない。しかし、この日遠州展は大盛況だった。軽く構えていた私は、のっけからクラクラ。意を決して会場へ入り、根気良く列の最後尾から並んで展示ガラスに密着するようにじっくり拝見。綺麗さびと言われる遠州流400年のコレクションを堪能。遠州がその手腕を買われた備中松山城や駿府城築城、13世家元小堀宗実氏のお点前なども映写されており、その家元プロデュースのプラチナ茶室『利庵』も同時展観されて人だかりが出来ていた。家元は、プラチナ茶室の他にも平成黄金の茶室も制作されており、松屋銀座から歩いてすぐのお仏壇・墓石はせがわに常設展示されているとかで、今回松屋の展示会に足を運んだ客には粗品進呈付き展観券が配られたので、折角だから行ってみる事に。仏壇屋などには行った事もなかったけれど、はせがわは美術工芸部門を持っているらしく、案内された展示室には驚くほど豪華な仏具関係の作品が展示してあった。中でも、人間国宝故江里佐代子氏の作品の神業のような技術には畏れすら感じた。一つひとつ丁寧に係りのお兄さんが説明案内してくれて、その礼儀正しさにも感動。接客の勉強にもなったわ～。記念に食用金箔『金の舞』（10枚セット）とやらを頂いて帰って来た。驚いたことに、こんなものにも賞味期限があるのだ。知らなかった・・・。素敵な銀座。楽しかった、また行きたいわ。『銀ぶら』なんて昭和初期の趣味にはまる私であった。

2008年01月09日

放送出版

生徒さんが、面白い本を持っていた。表紙にとある古びた本で、ページも黄ばんでいるが、貸してくれると言うので読んでみたら、これがなかなか勉強になる。点前が写真入りで載っているのは巷のテキストとさして変わらないが、既に絶版となっている武者小路千家茶の湯シリーズ3冊の内容全てが含まれている外、立礼、盆点前、茶事と懐石まで丁寧に紹介されており、その上、各項目毎に家元の見解というか解説があって、例えば“点前と稽古”“釜をかける”“季節へのはからい”“茶花”などへのご自身のお考えや教えが述べられていて興味深い。はしがきによると、昭和44年から45年までの6ヶ月間、NHKテレビ婦人百科の茶の湯を25回にわたって担当したものをまとめたものであるようだ。当然、この時の家元は現家元不徹斎宗匠ではなく、先代家元有隣斎徳翁宗匠である。以下、はしがきをそのまま引用させていただく。この番組の視聴者の中には、永年稽古を重ねた方も入門早々の方もあり、また他流の方もありましょうし、今までこの道に御縁のなかった方がはからず見られることも考えられます。またテレビの画面も声も放送終了と共に消え去ります。現今のビデオコーダーの普及状況では、これを利用される場合はごく僅かで、大多数の方々の目や耳には、たとえ再放送まで見て下さったにしても、二回限りで消えてなくなるのが放送の宿命です。それ故私はこの番組を見て下さる方々に、覚えていただいたり、上手になっていただくことよりも、茶の湯をまず「わかって」いただけるようにと考えました。そして炉の薄茶、濃茶、炭点前を中心に、主客双方の作法の型の要所要所を重点的に反復説明しながらお目にかけて、何故このような作法ができたのか、この動作の目的はどこにあるのか、またこの型は何故美しいのかといったことを、できるだけ理解していただけるようにと努力しました。そのために時には話が理につみすぎて、茶の湯らしいムードにならないのではないのかとのうしろめたさもありましたが。またその間のテキストの記事も執筆しましたが、一回毎に消えて行く放送とちがって、何回でも読み返すことのできるテキストを、放送の補助手段としてだけでなく、これだけを読まれる方にも茶の湯を「わかって」いただけるようにと心がけました。このテキストの記事をもとに、風炉点前、男点前を加え、写真をできるだけ多くして「見てわかる」ようにすると共に、平素思っておりますことをまとめた文章をも挿入したのがこの本です。稽古場での教本として役立つと共に、稽古はされなくても茶の湯とはどんなものかと関心を持たれる方々へのお手引きになれれば幸甚です。また、“点前とけいこ”という項目には、こうも書かれている。「けいこ」ということばを、私どもは「勉強する」とか、「習う」とかいう意味に使い、「稽古」の文字をあてます。この文字は平安時代には、漢字本来の「古（いにしえ）をかんがえる」との語意に則して、「物事の理がわっている」という意味に使っております。「まなぶ」ということばは本来「まねぶ」であるといいます。先生や先輩の形をまねることが、学習の第一歩なのです。それ故、「いにしえをかんがえる」ことは学習の始まりであり、それを積み重ねた結果、物の道理を会得することができるのですから、「けいこ」即「学習」という私どもの使い方も理にかなっております。昔のお茶のけいこは、「おてまえ」の形を何回もくり返しくり返し練習することでした。形の修練をくり返すうちに、その奥にひそむ「ことわり」を弟子に自得させる…それが古人の教育法であったわけです。しかも弟子がその理を悟る機が熟しているときに、ちょうどタイミングよくある種のヒントを与える、そこで弟子は思わずひざを打って「あっそうか」と悟るのです。これは禅宗の師家が弟子を導くときの方法とよく似ています。これはいわば一種の英才教育で、だれにでも行えるものではありません。将来は専門家たらんと志す者を教えるならとも角、趣味としてあるいは教養としてお茶のけいこを望まれる大多数の方に、このような難行道を強制するよりは、今日の学校教育に即した、まず理解させるという方式の方が無理がないことは明らかでしょう。愈好斎を初めとする官休庵の家元が、みな学者肌で理論的な教え方をされる意味がここに明記されていた。実際私も、こんな風にきちんとことを分けて教えて頂いた方が理解しやすく覚えやすかった。この本、借りたものではあるが、ぜひとも手元に置いて常に読み返したいものだけれど、後刊のシリーズですら絶版なのだ。こんな昔の本があろうはずもない。意を決して、全ページコピーすることにした。といっても私がするのではない。全て夫に一任、休みの日にせっせとコピーしてもらった。点前の部分は必要ないようにも思ったが、ま、念のため256pすべて。あ～ありがとう、だんなさん！！見開きを一枚にコピーして、半分に折って本にしたら、原本の三倍ちかい厚みになってしまった。仕方無い仕方ない。

2007年08月30日

ホジュン最終回

月曜から金曜まで毎日楽しみに観てきた『ホジュン』が、ついに最終回を迎えてしまった。“心医になれ”との師の教えを胸に、常に貧しい民の味方。権力におもねらず、相手がどんな立場であっても態度を変えることなく真摯に向き合う。それは、“病を診て人を見ず”という師の信念に習ったものであり、終生変わることはなかった。王室の御医にまで上り詰めたホ・ジュンだったが、周囲の政治的な策謀により、王の死後その責を問われ遠島に処せられてしまう。しかし、御医の座にいた頃から十数年の年月をかけた新しい医書の編纂作業が、ホジュン追放の後はすっかり滞ってしまっていた。罪人との接触は固く禁じられていたが、ホジュンの後御医の座に就いたユ・ドジは、彼の生涯を懸けたその作業は彼自身の手で完成させるべきだと考えて、遠島先に何度も医官を派遣、資料を送りつつ完成を待った。その甲斐あってついに医書は完成、『東医宝鑑』と名付けられた。その功により赦免され（元々罪などなかったのだけれど）宮廷に呼び戻されるが、彼は官職を退き故郷に帰って師の教えを全うしたいと願い出る。そしてそこで、疫病にかかった村人を治療中に命を落とすのだが・・・。実在の人物のドラマ化ということで、色々考えさせられることも多かった。勿論創作部分も沢山あったろうが、人間如何に生きるべきかという永遠の課題に、ある意味答えてくれた番組だったと思う。これを忘れないで糧と出来れば、今よりも少しマシな人間になれるかもしれないな。7月2日から5日間、名場面集が放送されるらしい。録画しよっと！

2007年06月29日

パトリシア・パニー

フロア・コンサートを聴く予定だったのに、急遽仕事が入ってしまいフイになってしまった。モーツァルト、メンデルスゾーン、ヴェートーベン等多彩なプログラムで面白そうだったのに、非常に残念。私はドビュッシーが聴きたかったのだ。『亜麻色の髪の乙女』『沈める寺』『花火』の三曲が予定されていた。どうしても聴きたい!!その三曲が何時頃の演奏になるかの情報をこっそり仕入れ、茶苑が忙しくなかったらちょっとだけ覗きに行こうともくろんだ。前半終了後、休憩を挟んだ後半最初だという連絡を受け、その時間に会場に駆けつけたら・・・・・。!!!!!会場から洩れ聴こえて来たのは、あぁ!!『花火』の後半の部分じゃないかー！！！がーーん！！！！！曲順が直前で変更になったんだとか、ショックですぅ。まぁ、そのかわりに『熱情』聴けたから良かったけど。でもやっぱりドビュッシーが聴きたかったー。パワフルダイナミック且つ繊細なヴェートーベンだっただけに・・・。まぁいいや、後でDVDくれるって言ってたし。

2007年06月03日

韓にハマって世界を見る

昨日届いた『デュエリスト』デラックス版DVD。嬉しい。特典映像も付いて、思わず顔がニヤけてしまう。やっぱり綺麗だ。映画館まで足を運べば良かったなぁ・・・。今借りている『オオカミの誘惑』も、呆れられるほど何度も観たし。完全にミーハーだわ。韓流ブームのハシリの頃には鼻で笑っていた筈なのに、今頃になってどうしたことか。最近では日本のドラマを観る機会はぐっと減ってしまった。あのベタな韓ドラストーリーには些か食傷気味だけど、中には面白いのもあるのだ。そしてなにより演技にハマる。ま、くさい芝居もあるのだけれど、それは日本作品もお互い様。色々な意味で、日本はアジアのトップという意識が私の中にはあって、それは経済問題に止まらず、映画などの芸術方面にも及んでいた。なんという自惚れ・・・。各民族にはそれぞれの特徴があり、どちらが上とか劣っているかなど誰にも決められるものではない。今、少し遅れているように思えても、それは只成長の度合いが違うというだけ。子供のそれと同じようなものだ。毎年開催されるロボコンにしても、私の中での意識は今大きく変化しつつある。たかが映画、たかがドラマと思われるかもしれないけれど、私はそれを通じて自分の見識の低さを改めて認識し得た。世界は深いなぁ。

2007年05月20日

19中毒

『愛に狂う』という韓国ドラマで、主役のチェジュンを演じているユン・ゲサンのインタビュー記事を発見。私が今夢中で観ている韓ドラ『兄嫁は19歳』で、切ないスンジェ役の彼。ある記者評では、韓ドラ特有の突発的な激高場面での迫力不足が指摘されていたが、いやいや、結構叫んでますから。日本人の私から見れば、あの程度で充分。他のドラマはうるさすぎ。なんでいつもあんなに怒鳴っているのか気が知れないし。『19歳』で見せるケサン君の素のような演技には好感が持てる。ドラマ自体も結構面白く、本気でDVDが欲しくなっちゃった。 ↓以下インタビューの抜粋。この記事読んで益々ファンになってしまったなぁ・・。インタビュアーｔ：あなたにとって特にチェジュンという人物の意味が格別だったようだ。あなたにとってチェジュンとはどんな人物だったのか。ユン・ゲサンｙ：本当の友達だった。はじめ台本ではマッチョ気質が強かったのだが、僕が入り込む過程で台本が若干修正されて今のキャラクターになった。何よりも善良で肯定的な人物であったとおもう。どんな状況でも「大丈夫、大丈夫さ」と考える人物。ｔ：明るく肯定的という面でチェジュンは最近の男性主人公とは違っていると感じた。２０代後半でジニョンに「全宇宙の力を集めて愛する」といった表現をするが、世の中で汚れた（笑）男性たちがそうするのは簡単なことではないと思う。そういうセリフを表現する時どんな気分だったか？ｙ：正直そういうセリフは負担だった（笑）。今でも恥ずかしい部分もあるが、人物の立場では本当の気持ちでなければそんな言葉は言えないだろうと思った。チェジュンの立場では最悪の状況であってもとても愛しているので、肯定的にずっと前に進みたいという切実な気持ちがあったから、そうした言葉を言うべきだという気になったのではないか。だから格好良く見せようというよりは最大限あっさりと抑えて言おうと思った。ｔ：今の本人はあのように愛を表現するのは難しいか？６年間愛に狂ったが愛だけではダメなことを知った、という記事を見たが。ｙ：その通り。２０代の間僕が一番ほしかったのは愛だった。その時僕は仕事への欲もあまりなくて、ひたすら６年間付き合った彼女だけがほしかった。本当に全宇宙にある力を集めて愛したが、それでもダメなことがあると知った。一番努力して悲しんだのがそれだった。実際僕が自己中心的だったのだ。自分のことばかり考えて、努力さえすれば手に入ると思っていたのだから。■僕にとって演技は仕事ではなく夢だｔ：では今は、愛よりも大切なものができたのか？ｙ：ある人は僕を歌手出身の３作品にしか出ていない人間だと思うかもしれないが、僕は人々に自分が演技を本当に愛していることを見せたい。人間というのは永遠に生きることはできないし、ひとが本当に幸せなら、死ぬ前に自分にはこんな思い出があったと考えながら目を閉じられるだろうと思う。自分にとって演技はそういうものだ。ｔ：なぜ演技が本人にとって大切なのか？人気だけならgod時代も十分だったろうに。ｙ：godのことを思うと幸せな思い出が多い。楽しくて、とても愛された。しかし歌手時代にはメンバーたちがいて、パク・チヨンという素晴らしいプロデューサーと、チョン・フンタクという素晴らしいマネージャーまでいた。自分がそこですべきことは２０％であり、その２０％だけすれば他のみんなによって１００％になることができた。しかし、演技は自分が８０を見せれば８０であり、１００なら１００だ。その違いだ。僕が作ったもののようであり、自分が生んだ子どものような感じ。だから多くの悪材料があっても選択せざるをえなかったのであり、どれくらいとは説明できないくらい演じることが好きだ。ひとは歌手出身俳優という点でどれだけ真実味を出せるのかというが、僕はそれだけは自信がある。僕は上手く演じることはできなくても本気を出し切る姿はみせられろ。僕にとって演技は仕事ではなく夢だから。■トップスターでない人間ユン・ゲサンが望むことｔ：しかしgodをまず脱退してから俳優宣言をしたことについては多くの人が意外に思った。godを続けながら活動を並行させることが俳優としても有利だったと思うが。ｙ：godは自分にとって輝かしいものだった。僕が単独で演技を始めたことでその名誉を汚したくはなかった。上手く行くかもしれないし、上手く行かないかもしれない状況で、彼らの名前を利用しながら演技活動をしたくはなかった。そして俳優としての真実性を早く見せたかった。僕は音楽市場が不振だから演技をするのではなく本当に演技がしたくてしているのだと。アンチが2000人だろうと20000人だろうと、演技をして得たものは自分のものだから。そのために僕が俳優として落ち着くまでに時間がかかるとしても僕の率直な姿だけを見せたいと思う。しばらく悪口を言われるだろうが、それが怖くてあの時断固とした態度が取れなかったら軽く思われただろう。ｔ：『僕らのバレエ教室』でミンジェがバレエをしながら「生まれて初めてよくやったといわれた気がする」といっていたことを思い出す。ｙ：まさにそこだ。ミンジェのその心情が自分を代弁していたのだ。僕は演技をはじめるまで自分に得意なことがあると考えたことは一度もなかった。god時代にはメンバーたちがあまりにも素晴らしくて自分のものを何ももつことができないでいた。それで歌手としてインタビューされる時は気に入らなければ一言も言わない時もあった。自分のものだという感覚がなかったから。でも演技をしている今は瞬間瞬間がとても楽しい。インタビューする時「とても楽しい」「がんばります」という言葉を言うたびに幸福を感じる。僕が努力して手に入れていると考えているのは演技しかないから。ｔ：それでgod時代は不安だったのか。godが頂点にいたときにある番組で「今が頂点だからこれからどんな風に降りていくのかを悩む時だ」と語ったのが思い出される。ｙ：その通り。あの時マネージャーたちもなぜそんな話をするのかといったのだが（笑）あの時が僕のいちばんつらかった時期だった。人気というのは永遠ではないのに、永遠であるかのように考える周囲の人たちも問題だった。当時みんなが僕をトップスターユン・ゲサンと言った。でも僕が望んでいるのは人間ユン・ゲサンだった。そんな時、当時僕らが『道』という歌を歌い、本当に自分が自分を早く探さなければいけないという気持ちになった。自分自身まで見失ったら雲のような人気が消えてなくなったときに何も残らない。そのころから本当に率直でありたかったし、そう考えてからは恐怖や不安が消えた。ｔ：しかしそうした道を選ぶことになれば失うものは多いものだ。godを脱退する時や、入隊する時、いつもたくさんのものを失って始めたがｙ：人はある頂点に登りつめたら、分かれ道が見えてくるものだと思う。もちろん上だけを見ているならわからないが、下をしばらく見てみれば自分が進むべき道が見えてくるのだと思う。あるものをあきらめてまで富と名誉を得るか、それとも人間ユン・ゲサンを探しながら自分の幸福のままに生きていくべきか。もちろん富や名誉を選べばもっとよかったかもしれないし、安定していたかもしれないが、自分が望むことができるはずだと考えた。多くのものを得ることはできないだろうが、自分が今行く一歩一歩が過去よりはるかに大切だ。■悩んだ末に見つけた人生の答えｔ：そうした考えがキャラクターの選択にも影響を与えているようだ。すでにスターという状態で始めたが、選んだキャラクターは主流になれない、あるいははっきりとした未来のない人物だった。ｙ：僕がお金や地位のようなものを持っていたからといって何かを持っていたと考えるのは誤解だ。実は僕は人に対する傷がとても多い。具体的にはいえないが、青少年の時期から20代の間、友情や愛に対する悩みを非常に多く経験した。そんな経験が今演技をしなければならない理由を探させてくれたように思う。ｔ：その悩みに極端に耐えたりさらけ出したりするのがあなたの演技の一部分だという気もする。常に苦痛に耐えながら笑い、ある瞬間さらけ出したりする。ｙ：僕の性格そのものが非常に多重的だ。ある人は僕をとても明るい人間だと思っているし、ある人は暗い人間だと思っていたりする。そんな二重性のある感情を同時に表現したいと思い、笑いながら泣いている姿を見せるのが演技だと思う。そして僕は悪役を演じたとしても人間というのは悪くないというところから出発すると思う。自分自身が時には悪くもあり善良でもあるから。僕が演じたチェジュンやミンジェやスンジェはみんな基本的にいいやつだったと思う。だから演じるときは「なぜ？」という言葉から始まる。いい人間だがなぜこんな風に生きるのかという気がするから。これからあまり透明な役割よりは善悪を併せ持った人物を演じてみたい。ただし僕自身は自分が演じたキャラクターのように苦しい状況でずっと笑って生きることはできない（笑）。僕は苦痛があれば我慢してどん底まで落ちたら少しずつ登ってくるタイプだ。ｔ：キャラクター自体に非常にのめりこむという話だが、『愛に狂う』で特にそういう部分がよく現れていたようだ。『愛に狂う』でジニョンの言葉を聞くやいなやあたふたとクッパを食べる場面は、セリフとセリフの間に余白のある人物の心を理解したままで演じていたようだった。ｙ：僕は基礎から学んだ俳優ではないので、自分の持つ一番の武器は真実性だと考える。具体的には計算よりはその人物が自分になることを考える。実際演技派の俳優たちが正確な演技をしているのを見て、自分も今度のドラマではしっかり準備して技術的にどんな面を見せるべきか、と考えていた。しかしそれは僕が演技を甘く見ていたのだ（笑）演技のディテールまで正確に計算して演じることは本当に難しい。それで自分がその人物になるために努力すべきだと考えた。クッパを食べるシーンでは僕が本当に顔を突っ伏して食べたのだが、はじめその場面を撮ってから、製作陣がもう一度目を上げて食べてくれといった。技術的にはそのような場面では目を上げて見せなければならないから。しかしその時チェジュンがカメラのことを考えてクッパを食べながら泣いたのではないと考え、結局その後撮ったものは初めのものほど感情がうまく出なかった。『愛に狂う』を撮りながらそんな風に人物になりきる点を学んだ。ｔ：やりたいことを求めてここまで来た。今あなたは演技で何を見せたいのか。ｙ：おそらく数多くの失敗もするだろうし、試練もあるだろう。でも僕が死ぬ１分前に「自分は本当に演技だけはがんばったな」「周りの人たちはこんな自分を理解してくれるだろう」とかんがえることができたら、それで十分だ。僕って悩む時はつらいけどいったん決めたら前進し続けるやつだから（笑）

2007年05月03日

追っかけ

毎週楽しみに見ていた“イタkiss”も、ついに最終回を迎えてしまい、ちょっと淋しい気分に浸っている私だが・・・。まだまだハマッている番組は数多い。いつまでも感傷に浸っている暇はないのだ。月～金放送の“ホ・ジュン”の追っかけも忙しいし、Gyaoでは“兄嫁は19歳”が配信中。早くも残すところ4話になってしまったから、こちらも佳境だ。主演のダビンちゃんの自殺を思うと複雑な心境ではあるが、画面の彼女は至って元気。しかし、私が見ているのは、劇中切ない恋心を秘めた健気なスンジェ（ユン・ゲサン）の方。全く似てもいないのに、息子のことを何故か思い出してしまうのだー。元気でやってるのかな、あいつ。音沙汰のないところをみると、ゴールデンウィークもきっとバイトで埋まっているのだろう。新職研修中の娘からも、何の連絡もない。薄情な子達だ。まぁ、便りのないのが無事な証拠と割り切って、私も仕事に励むとしよう。

2007年04月28日

ホ・ジュン

月金で毎回録画して、韓国ドラマ『ホ・ジュン』を観ている。以前『チャングム』が人気だったが、それと同じような時代物。実在した医師がモデルの話らしい。貧しく訳有りの母子が流れ者になり各地を流浪の挙句、ようやく辿り着いた地で息子ホ・ジュンは職を得る。心医として住民の尊敬を集めるユ医員の所で下働きに雇ってもらうが、本人は医員の崇高な姿に胸を打たれ、自身も医者になる夢を持つようになる。そこで、ジュンを慕って追って来た、流浪中に命を救った両班（ヤンバン）の娘と結婚。しかし身分制度の厳しい時代に加え、仕事仲間等のやっかみや中傷に足を引っ張られて思うように事は運ばない。ユ医員の養女の陰ながらの手助けもあって、薬草等一通りの知識を得た彼は益々意思を固めて行くが、その後も仲間内の嫉妬から陥れられ、仕事も続けられない程の恥を掻かされてしまう。思わず逃げ込んだ山の中で獣の解体された現場を見つけ、その執刀の鮮やかさに驚いた彼は、その人に弟子入りを願い出る。その人は、以前宮中の医員だったが、当時禁止されていた解剖に執着し、処刑された犯罪者をこっそり解剖しようとして捕まり追放されたという経歴の持ち主だった。人の体を治すには人体の五臓六腑の位置や血管、神経、その他諸々全てを隈なく知っていなければならない。其のための解剖なのだった。散々頼み込んでようやく弟子入りしたジュンは、彼から多くのことを学んだ。そして後に、『もし真の心医になろうとするなら、人間に寄り添うのだ。わしは世を捨てたが、お前は世の中で人々の役に立て。これらの本は智異山の薬草を研究しまとめたものだ。これを参考に医術に精進せよ。』という言葉を残して師は去って行った。そんなホ・ジュンのもとへ、自殺未遂で息のない娘を連れた親子が助けを求めてやって来る。悪戦苦闘の末一命を取り留めたその娘は、結婚を控えて人に言えない悩みがあった。今で言う“腋臭”だったのである。ジュンは、その治療法も親切に教えてやり、両親のお礼の品も今後の娘さんの治療費に当てるようにと断ってしまう。感激したその両親、船頭だった父親は、ジュンの治療の腕前と人柄を褒め称え、船着場に来る客に大っぴらに宣伝した。その噂が広まり、ジュンの家には貧しい患者が大勢やって来るようになってしまう。その話を聞いた仕事仲間や医員の妻は腹を立て、ジュンを呼び出して叱責、仲間は殴る蹴るの暴行を加える。そこへ外出先から主であるユ医員が帰宅、事の成り行きを聞いてジュンを問いただし、治療記録を持参するよう命じた。記録を見ながら症状と処方等の質問をしたユ医員は、ジュンの努力と実力を認め、周囲の者を制して彼を取り立てる。まだ11話までしか観ていないが、先が楽しみ。医術とは人間が本能的に自らを救おうとする行為だ。医術を知るにはまず人の体を知らねばならない。人の体は宇宙に似ている。生命の根源は宇宙の根源と同じ。人の頭が丸いのは天に似て、足が四角いのは地に似る。天に四季があるように人には四肢があり、天に五行があるように人には五臓がある。天に六極があるように人には六臓があり、天に九星があるように人には九穴がある。天に十二支があるように人の体には十二経脈がある。天に二十四節気があるように人には二十四脈がある。空が365度であるように人の体には365の関節がある。病を治すには、先に心を鎮めねばならない。患者の心から疑念や雑念を取り除き体を自然に委ねるのだ。心を天と見なし心と天を一体にすると、心が和らぎ人格が穏やかになり、自然と病が治る。これは、かつて内医院を追われたホ・ジュンの師、アンという人物が劇中でジュンに教えた最初の事柄。全く幽玄至妙な言葉である。

2007年04月16日

熱

ブログで毎日Joe Cheng(Zheng Yuan Chang)をチェック、幸せに浸る。仕事中も自然に頬が緩む。う～ん、幸せ。何がどうなったのか、きっと何か物の怪にでも憑かれてしまったに違いない。不思議だ。一体この熱いつ冷める・・・？携帯の待ち受けも　コレにしちゃったよ。

2006年11月17日

大長今

少し前に夫と一緒にショッピングに行き、たまたま入った本屋で彼がものすご～く欲しそうにしていたので・・・買ってあげた。『チャングム』文庫本二冊。本当は宮廷篇、追放篇と医女篇の三冊組なのだけれど、売り切れているのか最後の医女篇一冊はなかった。とりあえず前の二冊を購入、三冊目は前の二冊を読み終えてから取り寄せても良いと夫が言うのでそういうことに。果たして、彼はハマった。はまってしまってあっという間に二冊を読み終え、近所の本屋に三冊目を探しに行ったが、そこにもどこにもその本はなかった。仕方が無いのでお取り寄せ注文、一週間ほどして本が届き、夫は嬉々として読み耽っていた。で、よっぽど面白かったのか、私にもどうぞと勧めてくれた。はい、読ませて頂きましょう。ってことで今せっせとわたくし読ませて頂いております。テレビのストーリーとは一味違うけど、でも凄く面白いわ、面白い！！！

2006年06月29日

くらもちふさこ

PCで、あるコミュを覗いていたら漫画家くらもちふさこのページを見つけ、嬉しくなってまたコミック読みたくなった。昔好きで買い集めた彼女のコミックを、仕舞い込んでいた奥の方から引っ張り出して横に積み上げていたら、夫が呆れ顔で一瞥。いかにも、何を今更…という感じが見て取れる。マーガレットコミックスの最初の頃のは持っていないのだけれど、初めて読んだくらもち作品は『白いアイドル』だったか、『赤いガラス窓』だったか・・・。ストーリーの組み立て方に、それまで読んだどのマンガとも違う不思議な魅力を感じて忘れられなくなってしまった。画にも妙に惹かれたし・・・・・。最初に買ったコミックは『わずか１小節のラララ』＜『わずか５センチのロック』『わずか1/4の冗談』『わずか１小節のラララ』収録＞それから本屋で見つける度に買い集め、『いつもポケットにショパン』『おしゃべり階段』『ハリウッド・ゲーム』『いろはにこんぺいと』『こんぺいと・は・あまい』『東京のカサノバ』『Ａ－Ｇirl』『アンコールが３回』『Ｋiss+πr2』『千花ちゃんちはふつう』『タイムテーブル』『海の天辺』『チープスリル』『おばけたんご』と、マーガレット・コミックス花盛り状態。繰り返し繰り返し、何度読み返したか分からない位読んだものだけれど、いつからか購入機会もなくなってしまい、そのまま忘れてしまっていたのだった。たまに本屋に行っても、くらもちふさこの名前を見つけることが困難になっていて、あったと思っても既に持っているコミックだったりして、新刊購入を果たせないまま今日に至っている。描かれてから随分経っているけれど、古臭さを感じさせない心理描写とストーリー構成には脱帽させられる。つくづく　いいねぇ♪

2006年05月11日

IL DIVO

先日友人Ｈさんが貸してくれたCDを聴いてみた。それぞれ出身国の異なるテノール４人組のヴォーカルグループ“IL DIVO”の『ANCORA』イケメンなのよ、スゴイのよ！と、只ならぬ入れ込みようで勧めてくれたそのアルバムは、確かに素敵だった。ALL BY MYSELF, ASABEL, I BELIEVE IN YOU(これはセリーヌ・ディオンとの共演)等など。フィギュアスケートで有名になったYOU RAISE ME UPも収録されている。本格的にクラシックを勉強した彼等の歌声はとても美しく、音程もしっかりしていて安心して聴けるし、選曲もほぼ私の好みに合っていた。イケるわ、これ。Ｈさん「日本にも来たよ、知らない？聴いた事ない？」私「？知らないな～、最近私色んなことに疎いの。」あー！！哀しい。もうね、本当にオバサンになってしまった。音楽情報は闇の中だし、ファッションも流行り物にもさしたる興味が持てなくなって久しい。毎日がただ凡々と過ぎて行く。Ｈさん、BONJOVIのコンサートに東京ドームまで出掛けて行く元気が羨ましいわ。さて、ゆっくり残りのCDも聴いてみよぅ。沢山貸してくれたもんな～、彼女。

2006年04月27日

蛍雪で読書？

節分だというのに、うちではこれといった行事を何も催さなかった。明日は立春。だけど予報は雪マークが沢山。寒い立春になりそうだ。毎年職場に届く幾セットかの単行本を、今年も運良く（というか誰も欲しがらないからか？）頂戴できた。杉本苑子女史の単行本。彼女は、我が職場近くにお住まいだった関係でお付き合いも深く、それで毎年何冊かのご自分の本を寄付して下さるのだ。以前頂いた中には、ハードカバーのサイン入りのものもある。今回は、『孤愁の岸上・下』『はみだし人間の系譜』『歴史を語る手紙たち』『大江戸ごみ戦争』『私家版　かげろふ日記』『おくのほそ道人物紀行』以上７冊。また暫く読書漬けの日が続くなぁ、ふふふ・・・。

2006年02月03日