カテゴリ:カテゴリ未分類
アセビの全草には、グラヤノトキシンというレンゲツツジ、アセビ、ネジキ等多くのツツジ科の植物が持つ植物毒が含有されている。 漢字の「馬酔木」の由来は、馬がアセビを食べると神経症状を発症して苦しむ様子が、酒に酔ったように見えるという所からついた名前であるという。 別名を「あしび」、「あせぼ」ともいう。 多くの草食動物はこれを食べるのを避け、この木だけが残される。そのため、草食動物の多い地域では、アセビだけが目立つようになることがある。 奈良公園では、シカが他の木だけを食べこの木は食べないためアセビが相対的に多くなっている。 このことからアセビが不自然なほど多い地域は、草食獣による食害が多いことが推察できる。 本州、四国、九州の太平洋側の山地に多く自生するツツジ科の常緑樹で、寒さや乾燥に強く樹高は1.5mから4mほどになる。石川県での自生は極めて珍しく、現在確認されているのは加賀地方の2カ所とされている。 葉は楕円形で深緑、表面につやがあり、枝先に束になって生える。早春枝先に総状の花を垂らし、多くの白い壺状の花をつける。果実は扇球状になる。 基本種は白花だが、赤花やピンク花など多くの園芸品種が作出されている。 また、葉に白い縁取りの入る覆輪アセビ、小型種のヒメアセビなどの種類もある。 この花は万葉の時代から親しまれており,多くの園芸品種が作出され庭木の他、生垣や盆栽、鉢植にされている。 万葉集に10首もが読まれている通り、古くから日本で親しまれてきた花木である。 木の全体に含まれる毒成分を煮出して、便所のウジ殺しなどの殺虫目的に利用していたこともある。最近でも、羊や山羊の中毒が多数報告されている。 ツツジ科植物の有毒性は古くから知られており、紀元前4世紀のクセノフォンというギリシャの哲学者の著書には、兵士たちがツツジ属植物の蜂蜜で中毒したことが記録されている。 ヒトが、グラヤノトキシンを含有するツツジ科植物の蜂蜜や葉や花の摂食により、中毒を発症することがある。 摂取後、数時間でめまいや嘔吐などの急性中毒を起こし、重篤な症状を呈す場合もある。 これまで、トルコ黒海沿岸やネパール高山地帯で採取されたハチミツによる中毒が報告されているが、日本国内では報告がない。 葉や花を直接摂食する場合と異なって、蜂蜜による中毒の症状は軽微で、「酒に酔う」程度の症状であるとの報告がある。 美しい花には毒がある。心したいものである。 礒之於尓 生流馬酔木乎 手折目杼 令視倍吉君之 在常不言尓 大伯皇女(万葉集二) 読み; 磯の上に 生ふる馬酔木を 手折らめど 見すべき君が 在りと言はなくに 意味; (岩のほとりの馬酔木を手折ってあなたに見せたいのに、あなたが居ると はもう誰も言ってはくれない) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年03月12日 16時47分59秒
|
|