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蓮の「花托」は花弁が散ると生長しながら「果托」に変化し、受粉した雌しべも成熟して褐色化し硬い果皮を持つハスの実になる。 秋になると肥大した花托は、アシナガハチ蜂の巣に似た形になる。穴に入っている種子が、ハスの実で椎の実のような形をしている。実には甘味と苦味があり、生のトウモロコシのような食感がある。 昭和26年(1951)に千葉市の落合遺跡で発掘された、2000年以上前の古代のハスの実から発芽・開花したピンク色のハスは古代ハスと呼ばれ、その子孫が全国に受け継がれている。 富士見町井戸尻遺跡にも、古代蓮のハス池がある。 果托を乾燥させたものは、花屋でドライフラワーとして売られている。 名前の由来は果托の形状が蜂の巣に似ていることからはち巣となり、はすに変化したとの説がある。 ハスとスイレンは良く似ているが分類上はハス科とスイレン科に分かれており、ハスの花は水面上に茎を伸ばして咲くがスイレンは水面で咲く。 ハスは一般的には地下茎が分岐して殖えるが、スイレンは種子で殖える。 ハスの葉にはロータス効果と言われる撥水性があるが、スイレンには無い等の多くの違いがある。 ハスを栽培するには蓮の実から発芽させる方法と、レンコンから育てる方法がある。 レンコンから栽培する方が簡単だが、ハスの種子は発芽率が極めて高いので手入れを怠らなければ種子から殖やすことが可能である。 千年以上も閉じこもって生育条件の良くなる時を待つ種子は極めて堅い殻に包まれていて、水にしずめても給水しない。 そのため、湿気の多い土の中でも発芽しない。発芽を促すためには、給水出来るように手助けをしてやる必要がある。 先ず種子の平たい底の方をヤスリなどで削って、中の白い仁が見える程度殻に傷を付ける。ヤスリの無い場合は、ザラザラしたコンクリートの上で磨っても良い。 発芽の状況を観察するためには、栽培容器は透明な方が良い。削り終わった種子を、八分目ほど水を入れた瓶かコップに中へ鎮め明るい場所に置く。 真夏の太陽の下で容器の水が高温になり過ぎると種が煮えてしまうので、毎日減った量の水を加え温度に注意して管理する。 5月初めに種を水に鎮めると水温26~27℃では1週間で発芽し、3週間で葉を展開する。次いで発根を始め、2本目の葉茎が水の外まで育ってくる。 根が5cmほどに育った頃が、植え替え時である。 用土には加水し元肥に固形発酵鶏糞を入れ、よく捏ねたものを使う。 用土を容器の底に3cmほど敷き、苗を置いたら1/3ぐらいまで土を入れる。 定植後は水切れをしないようにし、化成肥料は葉が枯れる頃に肥料が切れるよう9月末まで月1度施す。 水さえあれば寒冷にも耐えるので、冬季の休眠期にも日光に当て水を切らさないように気をつける。 5月連休前に水に沈めたハスの種子が、1月経って植え替え時となった。 普通は定植後、3年で開花する。 古代蓮の子孫として貰って来た種子にどんな花が咲くか楽しみである。 蓮白し もとより水は 澄まねども 千代女 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年06月01日 09時16分07秒
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