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北杜市白州町の「サントリー白州蒸溜所」内にある歩道脇の松の木に、21日保育園の年長組園児10人が愛鳥活動として巣箱を取り付けたことが地域のニュースとなった。 各自が好きな絵を画いた巣箱を、松の幹の約2mの高さに取り付けた。園児による巣箱の設置は1988年から続けられており、今年は29回目の行事だという。 昨年の今頃はボール紙で作った巣箱が、3m以上の高所に架けられていた。 今年は木材で作られた三角屋根の、きちんとした巣箱に代わった。 白州蒸溜所の森の一部はバードサンクチュアリとなっていて野鳥の渡りの中継点にあたり、季節ごとに様々な多くの野鳥が訪れることでも知られている。 ここでは、約50種類の鳥が確認されているという。 良く観察される野鳥として、ウソ・カケス・アオゲラ・シジュウカラ・コゲラ・アカゲラ・ホオジロ・キビタキ・ジョウビタキ・ホオジロ・カシラダカ・ホトトギス・ツバメ・センダイムシクイ・サンコウチョウ・コジュケイ・ヤマガラ・ベニマシコ・ウグイス・カワセミ・ルリビタキ・ヒガラ・クマタカ・ヒガラ・シジュウカラ・ガビチョウ・スズメ・カラス・モズ・キジ・ムクドリなどが挙げられている。 これらの鳥の中で人工的な巣箱を利用する野鳥は、ヒガラ・ヤマガラ・シジュゥカラ・スズメ・ムクドリ・ミミズク・アオバズク・フクロウなどである。 これらの鳥の中でも最も多く巣箱を利用するのは、シジュウカラである。 スズメの場合テリトリーを持たないので、棟の屋根瓦の間などにはまるで新興住宅街のように隣り合って巣を作る。 ヤマガラの場合はシジュウカラの数倍も広い、2~4haほどの広さが縄張りとされる。 シジュウカラは1ha(100m × 100m)ほどのテリトリーを作るとされているので、巣箱が利用されるには巣と巣の間隔は直線距離で57m以上離れていることが最低限必要となる。 しかも巣箱を利用する野鳥には、巣箱の穴・大きさ・巣箱の底から穴までの高さなどそれぞれに好みがあって、無暗に寸法外の大きさの巣箱を作っても目的とする小鳥が利用してくれない。 シジュウカラ・ヤマガラは巣穴の直径2.7cm、穴の位置は底から1.5cm、箱の高さと奥行き15cm程度の大きさの巣箱が好まれる。 この巣箱を、地上から2.5m程度の高さに設置する。ヒガラでは、2.7cmと若干小さめの穴が良い。 巣穴がこれより大きいと、スズメやムクドリに占領されてしまう。 スズメの場合子育てにテリトリーを作らず、棟の屋根瓦の間などにはまるで新興住宅街のように隣り合って巣を作る。 スズメ用なら巣穴の大きさを2.8cmと大きく開け、民家や建物に近接した地上3m以上の高さに架設する。 近い所に巣を掛けても巣箱が利用されるので、隣の巣箱との間隔を気にすることは無い。 最も良く人工巣箱を利用するシジュウカラは1ha(100m × 100m)ほどのテリトリーを作るとされているので、効率よく巣箱が利用されるためには隣の巣との間隔は少なくとも必要とするテリトリーを造るのに十分な間隔を空けることが必要となる。 したがって密集して、むやみに巣箱を架設しても利用されないので無意味である。 山荘へ来客があった時は、良くこの工場の見学に出かける。 この工場の見学会と無料試飲は以前から好評でいつも見学者で満員であったが、NHKの朝ドラ「マッサン」の放映があってからは一層混雑するようになって事前予約が必要な時季が設定されている。 工場の敷地にはバードサンクチャリ―が設けられており、出入り自由なため野鳥観察するには絶好の場所でもある。 しかし保育園児達が巣箱を架ける場所は、バードサンクチャリ―の区域外の連日多数の見学者が朝から夕方まで通行する通路脇の松林である。 しかも巣箱が、僅か20~30mの間の樹木毎に密集して架けてある。 異種間の野鳥は相手をあまり気にしないことが観察されているが、同じ仕様の巣箱を利用するヤマガラの場合はシジュウカラを気にするようである。 広い樹林が広がっているのだから少なくとも巣箱は57m以上の間隔を取り、絶えず人が通行する場所を避けて設置した方がシジュウカラも落ち着いて営巣できるのではないだろうか。 これでは折角園児たちが一日掛りで架けた巣箱も、その多くは無駄になってしまうのではないか。 来年巣箱掛けの行事を行う前までに29年間の成果をまとめて、記念すべき30回目の事業に生かして欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年04月29日 14時40分31秒
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