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自家受粉した雌しべ 我が家の金魚椿が、年末から花を咲かせ始めた。 金魚椿とは花や木から付いた名前ではなく、葉の先端が3から5裂して金魚の尾のように見えるところから付けられたものである。 ヤマツバキの花に似て赤花を筒咲きまたは平開するが、白花の金魚椿もある。 ツバキの語源には、諸説ある。 「厚葉木(葉が厚い)」・「艶葉木(葉に艶がある)」「光沢木(つやき)」「津葉木(つばき)」・「強葉木」などが語源とされる。 古事記では「都婆岐」、日本書記には「海石榴」と書かれている。時代が下がって春に花を咲かせるところからつけられた椿の名前は、日本で作られた当て字だとされる。 ツバキの実が石榴に似た形をしており、海を渡ってきたところからツバキを「海石榴」と書き表したとの説がある。 しかしそれほどザクロに似ているようにも見えず、さらにヤブツバキは日本原産であるところからこの説には同意できない。 サザンカのしべは放射状に広がるが、ツバキのしべの根元は筒状になってしべの根元が繋がっている。 金魚椿の葉の変化は、帯化・綴化・石化現象の一つとされる。 帯化現象の原因は昆虫や細菌によって生長点が傷付けられたことによって生じるもの、遺伝子が変異を起こした結果生じるものなど種々の原因がある。 一般に椿の花には香りが無いが、金魚椿には芳香がある。 「珍しいできごと、滅多にないこと、あるいは思いがけない重大なできごとを椿事」というが花の椿とは何のかかわりも無く、何故椿の文字が使われることになったのかについては諸説ある。 荘子 逍遥遊第一(5)に、大椿という中国の伝説上の大木が出てくる。 荘子 逍遥遊第一(5) 奚 以 知 其 然 也 朝 菌 不 知 晦 朔 蟪 蛄 不 知 春 秋 此 小 年 也 楚 之 南 有 冥 靈 者 以 五 百 歳 為 春 五 百 歳 為 秋 上 古 有 大 椿 者 以 八 千 歳 為 春 八 千 歳 為 秋 而 彭 祖 乃 今 以 久 特 聞 衆 人 匹 之 不 亦 悲 乎 どうしてそのことが分かるか。朝菌(朝生えて晩には枯れる茸)は朝から暮れまでの命で夜と明け方を知らず、蟪蛄(夏ぜみ)は夏だけの命で春と秋を知らない。これが短い寿命である。 楚の国の南方には冥霊という木があって、五百年の間が生長繁茂する春で、また五百年の間が落葉の秋である。 大昔には大椿(タイチン)という木があって、八千年が生長繁茂の春でまた八千年は落葉の秋であった。 ところが彭祖はわずかに八百年を生きたというだけで、長寿者として大いに有名であり、世間の人々は長寿のことを話題にする場合は必ず彭祖をひきあいに出す。 何と悲しいことではないか。 この大椿は滅多に花を咲かせないから、椿事と書いて「滅多にない珍しい事」を指すようになったという説がある。 椿の文字は春に花を咲かせる意味から日本で当てられた文字であり、荘子に出てくる大椿(タイチン)はツバキの大樹ではなくツバキとは関係無い別種の木であることが解かる。 金魚椿の開花は普通3月末から4月に掛けてなので、言うなれば3か月も早い開花は椿事の一つに加えても良い出来事である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年01月12日 11時48分29秒
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