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海紅豆 海紅豆 デイゴ 沖縄を5月ころに訪れると街路樹として植栽された3mほどのほとんど葉の無いデイゴと呼ばれる樹木が、真っ赤な穂状花を枝の先に多数咲かせているのを目にする。 デイゴ(梯梧)はマメ科の落葉木で、独特な形の蝶形花を見ればマメ科であることがはっきり分かる。 20年前に比べると木や花の数が、極端に少なくなったような感じがする。 デイゴヒメコバチがデイゴ属の若い葉や茎に産卵し、孵化した幼虫が虫癭(虫こぶ)を作る。 花の減少や樹木の枯死は、デイゴヒメコバチの寄生が要因であるとされている。 デイゴとカタカナで表記するといかにも欧米から渡来した名前かと勘違いするが、実は漢名表記の「梯梧」をデイゴと音読みして和名にしたものである。 デイゴは、学名の「ユリスリナ」で呼ばれる場合もある。ユリスリナとは、ギリシア語で赤を意味している。 沖縄を歌った反戦歌は多いが心に染みる哀調が万人に受け入れられた「島歌」でも、デイゴの花が歌われている。 ♪でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た でいごが咲き乱れ 風を呼び 嵐が来た くり返す悲しみは 島渡る波のよう ウージの森であなたと出会い ウージの下で千代にさよなら島唄よ 風に乗り 鳥とともに 海を渡れ 島唄よ 風に乗り 届けておくれ 私の涙 昔からでデイゴの花は、台風など大きな災いを呼ぶといわれてきた。この歌詞にある風と嵐は、米軍の侵攻と爆撃を意味しているという。 デイゴの花に隠された伝承を知らないと、島歌の歌詞の意味を理解できない。 デイゴは根本や根からも芽を吹きそのため屋敷内に植えると家の土台を持ちあげて家を壊わす(やしきこーさー)と言われ、一般的には庭木として植栽されない。 インドやマレー半島が原産で、沖縄県が北限とされ沖縄の県花に指定されている。 本花と同属で似た花を咲かせる、アメリカデイゴと呼ばれる花木がある。 アメリカデイゴという名前はデイゴと花が似ていて、デイゴが東南アジア原産であるのに対して南アメリカ原産であるところから単に頭にアメリカと付けたものである。 しかもほとんどの人は知らないが別名は、今流行のダジャレクイズに似て海を渡ってきた紅色の豆の意味から海紅豆(かいこうず)とつけられている。 海紅豆とデイゴを同じ植物の別名と混同している場合があるが、別種であり海紅豆の原産地は南アメリカである。 デイゴの北限は沖縄だが、アメリカデイゴは比較的寒さに抵抗力があり成木では零度以上あれば路地植えで冬を越すことが可能で都心では庭植えにされることもある。 こちらは花ではなくなぜか木が、鹿児島県の県木に指定されている。 樹高はデイゴより大きくなり高さ8mになる落葉木で、江戸末期に南アメリカから渡来した。新梢の枝先に、50~70cmの長さもある花序に深紅色で長さ5cmもある穂状花序の蝶形花を咲かせる。 デイゴは初夏だけに花を咲かせるが、カイコウズは初夏から秋までの長期間咲き続ける。 沖縄のデイゴは剪定されないが公園や海岸沿いに植栽された海紅豆は、今年伸びた新梢の枝元から綺麗に切り落とされているのを見かける。 花は春に芽吹いた新梢の先に着くので、丸坊主にしても翌年もまた花を見ることができる。 狭隘な庭には不向きだが、増やす場合は新梢を挿し木すれば簡単に発根する。 10月末ころ落葉してから30cmほどに切断して、ビニール袋に密閉して庭に埋めて置く。 3月に入ってから鉢土に挿して、保温と防霜のためビニール袋を被せ乾燥しないように管理すれば、五月には発根する。 かつてのバブル時代には賑わったであろう三河三谷温泉は、大きなホテルに人影も疎らでかつての熱海温泉の盛衰を見るようである。 宿泊した巨大なホテルは、剥きだしの鉄筋が赤く錆ついて補修は最早不可能なほど劣化が進んでいた。 そのホテルの眼下の海岸通りに数日前に来襲した台風に傷めつけられた数本の海紅豆が、最後の花を咲かせていた。 花言葉 夢 童心 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年09月26日 07時59分41秒
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