御聴に達し
進藤三折一、七人扶持を下さる 御医師格に仰せ付けらる 町御奉行支配 右年来医術を心掛け、療治に精出し候段、御聴(みみ)に達し候に付き、生涯右の通り仰せ付けらる。(「近世風聞耳の垢」)これは、町医進藤三折の日頃の医療活動の評判が広島藩主の「御聴に達し」、藩の御医師格に任命するという辞令です。今迄、私は、「御聴(ちょう)に達し」とか、「御聴(きき)に達し」と、いい加減に読んでいましたが、ここでは「御聴(みみ)に達し」とルビが振ってあります。なるほど、「達する」のは「藩主の耳」ですから、これからは「御聴(みみ)に達し」と読みます。この本は金指正三先生の校注でした。 追記2008/03/14 の記事「入御聴」という題で、同じ趣旨の文章を発表していました。年を取るとボケて困ります。