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カテゴリ:事件・事故・天災
一昨年、東京都江戸川区の高校3年生の女子が殺害される事件があった。
今年の5月23日、東京地裁は被告に対して無期懲役を言い渡した。 ところが、被告は控訴。二審が東京高裁で行われたが、 高裁は12月1日に控訴を棄却し、一審を指示する判決を出した。 この裁判の担当ではなかった岡口という裁判官が、 今月15日、自分のTwitterにこの控訴審に対する感想を載せたという。 「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男 そんな男に、無惨にも殺されてしまった17歳の女性」と掲載し、 判決文を閲覧できるページへのリンク先も貼り付けていたらしい。 我々第三者が単純にこの文章を読むと、被告に対する憤りと遺族に対する同情を感じる。 悪を悪として世に知らしめるため、これだけ理不尽に殺された女子高生がいることを 多くの国民に伝えようとしたのではないかと私は思った。同時にこの裁判官は、 遺族の無念さもできる限り多くの人に知ってもらいたいと考えたような気がする。 だが、実際にはそうはならなかった。 遺族は16日昼、岡口裁判官のツイートに対して「非常に不愉快です」と送信した。 数分後に岡口氏はツイートは消したが、それに関する説明や謝罪はなかったという。 この態度に納得できなかったためか、遺族は今日26日、 岡口裁判官の厳重な処分を求める要望書を東京高裁に提出した。 本当に被害者遺族の立場に立つというのは難しいということなのだろう。 確かに、仮に自分の娘が殺されたとして、 「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖」 などという生々しい表現で犯行の状況を説明されたら、不愉快極まりない心境になる。 体が震えるほどの怒りを再び呼び起こされるように感じるはずだ。 毎日新聞の記事によると、岡口裁判官は取材に対して、 「事件の本質がわかるような表現にした」と回答したそうだ。 遺族の抗議に対応していないことについては 「抗議をされた方が本当に遺族の方なのかどうかわからなかったが、 自分はクレームが付いたツイートは直ちに削除するようにしている」と答えたらしい。 やはり、岡口裁判官は良かれと思ってやったようだ。 しかしながら、レイプ事件においてセカンドレイプという言葉があるように、 氏のツイートが遺族に二次被害とも呼ぶべき状況をもたらしてしまった。 もちろん遺族の中には、逆に自分の家族の死をできる限り広く、 何度でも世間に知らしめたいと考える人達もいるのかもしれない。 そういう場合ならこの岡口氏のツイートは喜ばれたはずだ。 だが、今回は逆だったのである。 結局、拡散を希望するかどうかはっきりわからないうちは、 ツイートする前に遺族に確認しなければならないということである。 正義感余って勇み足。 これは裁判官にはありがちな行動なのだろうか。 いずれにしろ、遺族の心を傷つけた責任は何らかの形でとらなければならないのだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>正義感余って勇み足。
>これは裁判官にはありがちな行動なのだろうか。 人を裁く立場の裁判官が正義感を持ってはダメだと思います。 警察官なども同じでテレビドラマじゃあるまいし正義感より公僕であることを先ず考えるべきです。 大抵の正義感は自己満足。 (2017年12月27日 15時30分54秒)
笑む3さん、いつもありがとうございます。
>正義感より公僕であることを先ず考えるべきです。 なるほど。 実に冷静な考え方ですね。それゆえ説得力もあります。 私はすぐにはこの点に気がつきませんでした。 私が裁判官だったら同じことをしてしまったかもしれませんね。 (2017年12月27日 17時00分30秒) |