ナウシカとゴキ
夜26:30熱いのでシャワーを浴びようと地下へ降りる階段に見慣れぬ黒い物体発見よく見ると熱さのせいかひっくり返ったゴキちゃん既に絶命している様子 このまま こいつを見て見ぬ振りをすれば 明日の朝にはゴットハンドくんが 彼の遺体を見つけて きっと埋葬してくれるだろうその考えが頭をよぎった瞬間ナウシカのテーマソングが ラ~ラッラララッラッラ~と流れ始め ハッと我に返る。 これは ナウシカに一歩近づくための チャンスかもしれない 蟲たちと人間が共生していけるか 試されてるのかもしれないそう想い直して埋葬の準備をする大量のティッシュを手に持ちナウシカのテーマソングを声に出して歌いながらひっくり返った遺体をそ~~っと包み込む胸をバクバクさせながら階段を上りゴミ箱の中の枯れた花の上にそっと入れて蓋を閉める。テーマソングを口から流れ出したままほっと胸をなでおろす多くの人間が反射的に恐怖と殺意を抱くゴキちゃんたち彼らと心を交わすことで自分が人間的に成長できるかどうかは正直よくわからんがわからんなりに今までの自分ならやらないことを試していくのはあな愉しいものなり成長と愉しみをくれたゴキちゃんに感謝