|
カテゴリ:カテゴリーB・食品/生活用品
・今の若い女性には、子宮筋腫や子宮頸がん、乳がんなどの女性疾患になる人が多い。 ・今の若い男性には、精子の数が極端に少ない人が多い。 ・子どもをはじめとして、アトピーの人がどんどん増えている。 ・原因の特定できない病気や症状がどんどん増えている。 さらには、 ・出産の時、羊水からシャンプーのニオイがする、 ・手術で取り除いた子宮筋腫からせっけんのニオイがする、と話す産科医が増えている。 ・今日本は世界一奇形児の出生数(流産等も含めて)の多い国である。 以上は、最近いろいろなところでよく耳にしたりする話です。 客観的なデータがあるもの、ないもの、あるいは、単なる噂、憶測もあるのかもしれません。 しかし、こうした話を聞いて、そうかもしれないと妙に納得してしまうところに、一抹の不安を感じてしまいます。
ブームにもなった経皮毒(食べ物のように口から体内に吸収されるのではなく、皮膚を通して体内に吸収されるもののうち、体にとって悪影響を及ぼす物質)には、さまざまなものがあります。 そうしたものの中で、ほとんどの人が毎日のように使っている、接しているという点では、いちばん最初にその功罪が問われるもののひとつではないかと思われるものに、界面活性剤があります。 石けん、合成洗剤、合成界面活性剤、よく聞く名前ですが、その違いがどこにあるのか、以前「歯磨き粉の項」でも整理しましたが、もう一度簡単に整理してみます。 その昔(といっても、日本では明治時代まで)は「洗剤」として、木やワラの灰や動物の糞、うどんやそばのゆで汁などの自然素材が用いられていました。 その「洗剤」の世界を大きく変えたのが石けんの登場でした。 最初の頃の石けんは、動物や植物の油脂と木の灰を一緒に煮て作っていました。 灰汁(アク)には苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)が含まれ、これが繊維を白くするのに役立ったのです。 石けんは最初に作られた人工合成した界面活性剤であり、合成洗剤です。 しかし、合成洗剤ではあるものの、分解性がよいことに加えて有害な物質を作り出さないため、今では、単に石けんと呼ばれていて、合成界面活性剤や合成洗剤といった場合、その仲間には加えません。 合成洗剤と呼ばれている洗剤は、ごくわずかな例外を除くと、石油から造られる合成界面活性剤に、さまざまな補助の役割を果たす助剤(ビルダー)が加えられて造られる洗剤のことを指します。 ―合成洗剤=界面活性効果! 界面活性剤とは、「親油性基」と「親水性基」をもつ物質のことをいうそうです。 親油性基とは、油に溶ける部分のことで、親水性基とは水に溶ける部分のことです。 この両者の性質を合わせ持つことで、油と水の界面を変化、流動化させることができるようになるというわけです。 そしてこの界面活性力で、汚れの原因の油を水に溶かし出すわけです。 界面活性剤には、水に溶けた時にイオン化するものとしないものがあります。 イオン系界面活性剤と非イオン系界面活性剤です。 さらに、イオン系界面活性剤には、陰イオン系、陽イオン系、両性イオン系があります。 <陰イオン系界面活性剤の例> ・純石けん分(脂肪酸ナトリウム)、純石けん分(脂肪酸カリウム) ・アルファスルホ脂肪酸エステル塩(α-SFE)―洗濯用洗剤 ・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ABS)―洗濯用洗剤,台所用洗剤,住居用洗剤 ・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)―同上 ・高級アルコール硫酸エステル塩(AS)―シャンプー,洗濯用洗剤,歯磨き ・アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES)―シャンプー,洗濯用洗剤,台所用洗剤 ・アルキル硫酸トリエタノールアミン―シャンプー ・ラウリル硫酸ナトリウム―歯磨き粉、シャンプー、髭剃りクリーム、泡風呂 <陽イオン系界面活性剤の例> ・アルキルトリメチルアンモニウム塩―リンス,帯電防止剤 ・ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド―柔軟剤 <両性イオン系界面活性剤の例> ・アルキルカルボキシベタイン[ベタイン系]―台所用洗剤やシャンプーの洗浄力増強剤,増泡剤,工場用 <非イオン系界面活性剤の例> ・脂肪酸ジエタノールアミド―シャンプーの洗浄力・起泡力増強剤 ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)―洗濯用洗剤,住居用洗剤,乳化剤 ・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE)―乳化剤,洗濯用洗剤 石けんも合成洗剤も、界面活性剤効果によって汚れを落としています。 しかし前述したように、石けんが通常動植物の油脂から作られるのに対して、合成洗剤は石油からの化学合成によって造られるため、その性質は大きく異なります。 石けんは汚れ物質を変化させながら、自らも変化し分解されていきます。 石けんは1日で水と二酸化炭素に分解されます。 石けんカスは微生物の栄養源に、そして最終的には魚のエサになります。 それに対して、合成洗剤は汚れ物質を分解することはなく、自らも8割まで分解されるのに3週間くらいかかり、しかも、10年以上に渡って完全には分解されません。 そしてその間、毒として人間をはじめさまざまな生物、環境に悪影響を与え続けます。 自然界に存在しない化学物質は、分解するにもさまざまな条件が必要なのであり、完全に分解してしまわない限り、自然界の生態系に組み込まれることはありません。 ―よく「無リン」とうたわれているのは、なぜ? 合成洗剤には多くの助剤(ビルダー)が加えられていますが、かつてよく用いられていたのがリン酸塩でした。 今でも外資系の一部の洗剤には含まれていたりします。 このリン酸塩は、ABSやLASなどの陰イオン系界面活性剤の働きを助ける(汚れ落ちをよくする)ために用いられているそうです。 ところが、これが川や湖などに流れ込むと植物性プランクトンや藻などの異常発生の原因となる「富栄養化」を引き起こし、魚介類に大きなダメージをもたらしました。 合成洗剤の使用量が増加の一途を辿るに伴い、日本中の川や湖でなどで問題となり、無リン化が進められるようにたったというわけです。 1979年以降、日本で造られるほとんどの合成洗剤が、このリン酸塩を加えない「無リン」になりました。 しかし、合成洗剤自体の毒性は変わってはいないようです。 それどころか、汚れ落ちをよくするため、あるいは、環境への毒性が急激に発現しないようにするために、次々に開発されてきた界面活性剤は、むしろどんどんその毒性を強めているといいます。 ・主要な界面活性剤の変遷 ABS→LAS→AS→ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE・非イオン系) 毒性はどんどん強くなっている 残念ながら日本は、合成洗剤の単位面積あたり使用量が世界一だといいます。 その2へ、つづく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[カテゴリーB・食品/生活用品] カテゴリの最新記事
|