下ごしらえから、全体の調理まで。人間じみた「お料理ロボット」が2年以内に実用化予定
英ロンドンに拠点を置くモーリー・ロボティクス社が、人間同様の腕前で調理ができるロボットシェフのプロトタイプを開発した。 「究極の料理アシスタントです」と語るのは、イギリス版料理の鉄人『マスターシェフ』で2011年チャンピオンに輝いたティム・アンダーソンさんだ。 https://www.youtube.com/watch?v=fE6i2OO6Y6s&feature=player_embeddedRobot chef, stirs, pours, and changes cooking temperature 「下ごしらえから、全体の調理まで、命令通りに実行します。しかも、毎回同じ正確さで調理してくれます。」 “ロボシェフ”は、今週ドイツで開催されたハノーバー・メッセ国際産業技術見本市で公開されたものだ。開発者はマーク・オレイニクさんで、大量の関節とモーターで作動する人間と同じ大きさの2本の腕で構成されるロボシェフは、レンジや専用調理器具を備える調理場にぶら下げられる。 腹ペコの人は、タッチスクリーンや携帯アプリでロボシェフのデジタルライブラリからレシピを選ぶだけで、あとは自動で材料を取り上げ、鍋を混ぜたり、火の温度を調節したりと、責任を持って料理してくれる。 その動作は不気味なほど人間じみており、それがミソなのだとか。実は、ロボットシェフは、センサー内蔵グローブを身につけた本物のシェフの動作から学習することができるのだ。人間のシェフの動作は記録され、アルゴリズムに変換されると、レシピライブラリに加えられる。 動画で紹介しているのは、ロボシェフがアンダーソンさんから学習したクラブビスクを調理する場面だ。クラブビスクは人間にとっても難易度の高い料理だそうだが、ロボシェフはいとも容易く料理することができる。 現在の計画は、様々な有名料理人が生み出した2000種類を超えるレシピをロボットシェフにアップロードすることだという。これさえあれば、自宅で有名レストランの料理が楽しめるようになるのだ。オレイニクさんは2017年の発売を目指しており、価格は180万円ほどになりそうだ。 ただし、それまでに解決すべき問題点がいくつかある。現在のバージョンは、材料の下ごしらえができず、カットや皮むきは人間が行い、調理台に並べる際も配置に気を使わなければならないのだ。 料理はおろか、冷蔵庫や食器洗い器まで備えた完璧なロボットシェフの作成がオレイニクさんの目標だ。そして、ロボットが人間のシェフに料理技術を教えるようになる日もいつかくるのかもしれない。