|
テーマ:詞を書こう!!(363)
カテゴリ:作詞スクール
添削7 今年の冬も 街の通りは イルミネーションで いっぱいだよ 子供たちは プレゼントを たのしみに 待つ季節 雪が降ってて 街色づいて そんなけしき 理想のクリスマス 今年のクリスマス 雪は降るかな たとえどんなに寒くても あなたといれば この寒い冬を 乗りこえられそうだよ あなたの気持ち 今すぐ知りたい 聞き出す勇気下さい 学生の本分である勉強の合間を縫っての作詞は大変だと思いますが、国語力は間違いなくつきますので、がんばって沢山詞を書いて下さい。 いろいろあるのですが、まず漢字を指摘しておきます。 詞の場合、語を全て漢字に直すと堅くなるので、わざとひらがなを使って視覚的に柔らかくしたりしますが、まあ、要はバランスです。 『たのしみに』→『愉しみに』 『けしき』→『景色』 『乗りこえられ』→『乗り越えられ』 詞の全体を見渡して思うのは、『下書きのような詞』という事です。 つまり青木さんの伝えたい事はよく解るのですが、文章を読んでいるような気がします。 『倒置法』をぜひ使ってください。 『述語→主語』や『名詞→形容詞』のように言葉を置いてください。 上の青木さんの詞を例に取ると、『乗り越えられそうだよ あなたといれば』『今すぐ知りたい あなたの気持ち』『下さい 聞き出す勇気を』といった具合です。 前回も述べましたが、同じ言葉の繰り返しには充分注意を払ってください。 本作品で言えば、『今年の』『街』『雪』『降る』『クリスマス』『寒く(い)』『あなた』です。 同じ言葉を避けようとすることによって、表現力が早く身につきます。 言葉の『削除』や『他の表現を使う』ことが必要だからです。 ちょっと練習してみましょう。 『今年の』→『ミレニアム・イブの』 『街』→『ざわめきの場所』 『雪』→『白い結晶』 『降る』→『舞い散る』 『クリスマス』→『聖夜』 『寒い』→『震える程の』 展開が弱いので、おとなしい詞という感じを受けます。 曲のサビの部分では、ガラリと変えるぐらいの気持ちで、思い切った展開が必要です。 そもそも歌詞というものは、どこか1箇所光る部分があれば、良いのです。 作者がいくつも良いと感じるフレーズを並べても、読者にはそのうちの1つが心に響く、という位が普通です。 今回の作品では『アイデア』『インパクト』『意表をつく展開』『新鮮な表現』といったものに乏しかったのが残念です。 この詞にタイトルをつけるとしたら、どうでしょうか? 作品にタイトルをつけてみると、その完成度がよく解ります。 タイトルのつけにくいものは、内容が散漫である事の証拠です。 この詞のタイトルとしては、『ホワイト・クリスマス』『雪のクリスマス』といった所でしょうか。 今後はなるべく作品にタイトルをつけるようにしてください。 詞の世界では青木さんは自由です。 高校生らしくする必要も、清楚な女の子である必要もありません。 沢山本を読んだり、先生や友達と話をしたり、いつも歩く道の風景をじっくり観察したり、たまには知らない場所へ行ってみたりして、おおいに感受性を磨いてください。 それでは、添削した詞をお送りします。 クリスマス・プレゼント 12月の声を聴くと 街はにわかに おしゃれになる 子供の頃は 指折り数え プレゼントを 待っていた 今でもサンタは来るらしいと あなたは耳元でささやく 今年のクリスマス 何もいらない たとえどんなに寒くても あなたといれば 凍える冬を 乗り越えられるから でもね 1つ欲しいものがあるの 雪のクリスマス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年05月11日 15時45分45秒
コメント(0) | コメントを書く
[作詞スクール] カテゴリの最新記事
|