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こんなに心がゆったりとしたことは無い
私が物心付いてから 毎日が不安と怒りの葛藤だった。 今こうしていられるのは そんなことが私のためになるように 与えられたものだったんだ。 何年前かなぁ 記憶が薄らぐ 広い公園のベンチに座って ゆらリゆらりと出向していくフェリーを 霞んだ目で見ている。 あの船に乗ってどこか遠くへいけたら。。。 そう思うと辛い気持ちが胸の奥をきゅーっと絞る。 涙は出ない、出てこなくなっていた。 ただただその時間が過ぎていくのを願った。 お酒を飲んで 絡んでくる夫、長男から逃れるために いつも身に着けておいた車の鍵 しんのすけ君を抱いて酒飲みたちが追ってこないか ビクビクしながら車を出す。 ある程度車が走ると目の前は映画のスクリーンのように 走りなれた町がどこか知らない町になる。 私は逃れて時間を作る ベンチの下ではしんのすけ君が不安げにしている。 抱きしめてそのふわふわした身体にほほをうずめる。 「もう少し時間をつくろうね」 公園の中を自由に遊ばせて ころあいを見て帰る道に車を走らせる ハンドルを持つ指が 恐怖におびえる心で震える。 帰ってみると床一面にばら撒かれた食器やポット 「またポット壊れたなもう買うまい」 ベニヤ板にしみこんだ魚の煮汁は取れない 重い心で壊れた食器やへこんだ鍋を取り集めて 今夜の仕事に出るために弁当を作る 飯台の上に主人たちの 仕事に出るための用意を置いて置く 今日も仕事に出る気配はないなぁ いつまでもテレビを見ているし 長男もあきらめて自分の部屋から出てこない。 ごみためのような部屋で寝ている。 娘たちはそれぞれ食事を終えると 自分の部屋へと行ってしまう。 親子の語らいも無い 焼酎を飲みながらテレビを見ている 父親に落胆して娘たちも心が硬くなっていく。 夫は今夜も酔って絡んでくるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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