09年9月1日 ムスコと川遊び・近木川
寝坊した。起きたら10時だった。仕事は休みなのだが、ムスコを9時までに保育園に預けに行こうと思っていたのだが。見るとムスコはちゃんと起きていて、一人でテレビを見ている。私はのろのろとベランダに出て、煙草に火を付けた。(涼しい…)見上げると空が青い。(いい天気だ。)「あっちゃん」ムスコに呼びかけると、私と同じような呆けた顔をこちらに向けた。「どっか、行こか?」「うん!」呆けた顔がたちまち満面の笑顔に変わった。「どこ行きたい?」「あっちゃんな、かわにいきたい」「川ってコイ釣りの川か?」「ちゃうちゃう、あっちゃんが おおきいさかな つったとこ」「ああ、あそこな。ほな、行こか」 半時間ほど車で山間の道を行き、目的地に着いた。和泉葛城山の麓、たしか近木川って名前の渓流である。着いて早速、仕掛けを作り、釣り糸を垂れる。あっけなく、小さな魚が釣れた。「ほれ、あっちゃん、釣れたぞ」ムスコ大喜び。持ってきたバケツに水を入れて魚を放した。「あっちゃんもやるか」「うん」けっこう、真剣。 しかしエサを落とす場所をあっちこっち変えるので、ちっとも釣れない。それどころか魚が逃げてしまっている。挙げ句の果てに仕掛けを絡ませてしまった。「はは、あっちゃん、うまくいかんのう」ムスコは悔しそう。仕掛けを直してやり、「もっとじっくり待ってたら釣れるで」とアドバイスをする。しばらくしているとウキが沈む。「今や!」釣れた。「よし!」嬉しそうなムスコ。また糸を絡ませてしまったが…ご満悦です。 一匹釣って満足したか、竿を私に任せ、ムスコはずっとバケツを覗いて魚を眺めたり、いじったりしている。その後も何匹か釣り上げたが、最初の方に釣った魚はムスコにいじられ過ぎ、腹を見せて浮かんでいる状態だった。 「あっちゃん、もう釣り、せえへんか?」「ん~、あとでする」「じゃ、川遊びしよか」パンツも脱いでムスコはスッポンポン。私もパンイチで川に入る。(つ、つめてえ…)川の水は予想以上に冷たい。 ムスコは遠慮なく私に水を浴びせる。「おお…?」思わぬ猛攻。私も反撃。「あっちゃん、水かけ強いなあ」「だって あっちゃん、いつもプールでやってんねん」「おお、そうか」しかしプールの水は、これほど冷たくなかろうに。もちろん、カメラはビショ濡れだ。大丈夫やろか? 水浴びの後、再び釣りをして夕方、帰路に。車の停めてあるところまで歩く。セミの声、ツクツクボウシだ。「秋やな、あっちゃん、ツクツクボウシはセミの中で一番遅く鳴くんやで」ふうん、と言いながらムスコはスキップで私の前をどんどん進む。ご機嫌だ。その後ろ姿を見、私は夏の名残であるセミの声が急に、いとおしく思えた。