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シェールガスを取り出す水圧破砕法が広く利用されるようになったのは、5年前のこと。 その結果、米国の天然ガス価格は5年前の1/4に低下している。この劇的なエネルギーシフトは、経済、地政学的な衝撃を世界に与えている。石炭など原材料の世界市場価格も低下傾向になる。
欧州諸国は天然ガス輸入を巡るロシアとの契約交渉に、これまでよりも強気で臨むようになった。すでに欧州諸国はロシアからの天然ガス輸入の長期契約を減らしている。ロシアは一部の欧州諸国に対し、契約で合意した価格の10%割引に応じる譲歩をみせている。
ロシアは、これまでの天然ガス市場シェアを維持しようと、シェールガス技術が拡散しないよう手を打ってきた。ロシアと取引したい企業に対し、「いかなる地域でもシェールガスの開発に関わらないように」求めるのが彼らの常套手段だ。例えばエクソンに対し、ロシア企業との提携を認める代わりに、ポーランドでのシェールガス探索案件から手を引くように求めた。
ロシアは環境保護団体に資金を提供するという手法もとっている。もっとも、これまでのところ、水圧破砕法が大気や水資源を汚染することを示す科学的根拠は存在しない。
これに対し、米国はウクライナやポーランド、ヨルダンなど、エネルギー自給率を高めたい諸国にこの技術を提供している。エネルギー自給率が高まれば、これら諸国が非友好的な産油国にいたぶられる危険を抑え込めるという思惑。イスラエルの沖合で発見された海底ガス田などエネルギー供給は拡大しており、近い将来に世界のエネルギー供給は需要を上回ると考えられるよう。
どうみても、世界のエネルギー価格が低下していくのは避けられない。 さすれば、中東も含め、エネルギー供給国が潤うという構造も消滅するということ。 だから、逆説的ではあるが、技術はあるが、なかなか進展しない(潤わなくなることは進めない)のではないか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.02.27 09:22:10
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