|
カテゴリ:邦画(09~)
歴史は「発見」の宝庫である。現代そのものが日々工夫とドラマのような人生の連続なのだから、過去の中には無数の工夫と教訓、そしてドラマがあるに違いない。そして、それは一家の献立から冠婚葬祭まで事細かに綴られた「武士の家計簿」が発見されたならば、無数の「発見」があるに違いない。
監督 : 森田芳光 原作 : 磯田道史 出演 : 堺雅人 、 仲間由紀恵 、 松坂慶子 、 西村雅彦 、 草笛光子 、 中村雅俊 原作はその中から、現代の教訓になるようなことを分かりやすく解説した良書であった。森田芳光監督が果たしてこれをどのように料理するのか楽しみだったが、実に上手くまとめていると思う。最初登場人物の説明にもたついたけれども、猪山家の借金返済計画と成之教育に話が移ると非常にしっかりしたドラマが始まった。 江戸の武家社会では息子の教育係は父親の責任なのである。仕事が忙しいからと言って、決して怠けてはいけない。現代の家族よりはよっぽどしっかりした絆が出来るのではないだろうか。 本当は明治維新を迎えて、官僚テクノラートの成之がどのように出世し、リストラ侍がどのようにスポイルされていったかを描けば、現代に対する批判映画になりえたのだろうが、それをやるとテーマが散漫になってしまう。 史実とあえて変えているところも散見したが、まあそれこそが映画なのだから仕方ない。 堺正人が真面目一本なそろばん侍を演じていて流石なのであるが、それを受けるお駒こと、仲間由紀恵が抑えた演技気ながら、夫を好きになり、信頼し、母として夫に反発し、そして愛する姿を存在感持って演じており、感心したのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[邦画(09~)] カテゴリの最新記事
|
|