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テーマ:最近観た映画。(38856)
カテゴリ:シネマ感想:ら行
※うっすらネタバレしてる部分もあるので、未見の方はお気をつけください。 オフィシャルサイト:レボリューショナリーロード 燃え尽きるまで 飛行機の中で観ました。邦題タイトルだけ見たときは、革命に命を捧げた夫婦の話だとばかり思っていたんですが、普通の家庭崩壊の話です(いや、家庭崩壊に「普通の」ってのも変ですが・・・)。でも普通じゃないかも、この夫婦。やっぱりちょっと変わってるかもこの二人。 ちょっとアート志向というか、中途半端に芸術家肌なところがあるんです。妻のエイプリル(ケイト・ウィンスレット)は、女優志望だったのに、夢かなわず地元のアマチュア劇団で舞台に立ったりしているけど、自分でも才能がないことは気がついている。夫フランク(レオナルド・ディカプリオ)はサラリーマンで、マイホームも買ったけれど、毎日会社で「自分はこんなところにいるべき人間じゃない」と思っている。 そこで、夫婦は急に「ここではないどこかで、本当の人生を生きよう」とパリ移住を決意します。フランクは会社を辞めて、パリでゆっくりと天職(作家か画家か詩人か・・・とにかくクリエイティブ系)を探し、エイプリルが政府機関の秘書(待遇良)として働くという計画です(しかし、具体的な就職口が決まっているわけでもないらしい)。それを聞いた友達夫婦はポカーン、みたいな感じ。 でもでも・・・私にはこの二人のことを笑う資格はありません。なぜなら私も昔、同じようなことを計画していたからです。22~3歳のころですね。私も同じように「自分はこんなところにいるべき人間じゃない。どこか遠い外国へ行って、本当の人生を始めよう」と思っていました・・・(そしてそれを友人たちに吹聴していた)。きっと主人公の友人夫婦のように、「幼稚じゃない?」と思われていたんだろうなあ・・・恥ずかしい・・・。 不思議なことに、ここではないどこかに行きさえすれば、人生がすべてうまくいくと信じて疑っていなかったんですよね。でも、個人的にはそんな気持ちを持って本当に外国へ飛び出せる人の行動力がうらやましい。その結果、本当に天職を見つけたり、人生のパートナーや親友になれる人との出会いもあるかもしれないし。逆に挫折して帰ってくることになっても、それはそれで貴重な経験だからアリだと思うんですよね。 と言うことで、パリ移住を決意したこの夫婦には、我が青春時代の「なつかしい痛み」(©ケミストリー)を思い出してしまいました。一度は冷めかけていた夫婦仲も、パリ移住という甘美にしてスペシャルな目標のために、またうまく行くようになります。(デカプーは、職場の手ごろなOLを浮気してたりしたんだけど) パリ移住に「?」な周囲の人の中で、キャシー・ベイツの息子(高学歴で、精神病院入院中)だけが本質をわかってくれる人物として描かれています。しかし、パリ移住計画は、エイプリルの妊娠が発覚すると、だんだんとほころび始めてきます。「ヨーロッパ人だって子供は生むだろう」(Byキャシー・ベイツの息子)。確かに。 本来喜ぶべきことなのに、足かせとなってしまった妊娠が、もともとあるようでないような移住計画を揺さぶります。そして、キャシー・ベイツの息子が夫婦に再起不能な決定的なことを言ってしまいます。彼の存在が、この夫婦のもろさやどうしようもなさを浮き彫りにしていて、観ていてズシンと胃に来るシーンでした。 そして衝撃の結末へ・・・。けっこう病んでます。観終わったあと、 「あーあー・・・」となんともやるせない気分になりました。しかし、ネガティブな映画だから、よくない映画だ!と言う訳ではないですよ。見る価値がある映画です。ケイトの熱演は素晴らしく、「愛を読むひと」(あとでアップします)より、こちらの方がいいじゃないか!と思いました。しかも監督がリアル旦那。こんな映画を撮っても大丈夫ってことは、ケイトとサム・メンデス夫妻、夫婦仲は上手くいってるんでしょうね~。幸せボケで浮かれているカップルに是非観てもらいたい映画です。(我ながら意地悪い) 余談:今いる場所(人生)がイケてないから、どこか遠くへ行ってリセットしたい!という思いつながりで、 「ゴーストワールド」を思い出しました。おすぎさんが「ブスは街を出なさい!ブスは街を出るのよっ!」と絶賛した作品です。ブス(ソーラ・バーチ)が、親友(スカヨハ)に、「どこか遠くへ行くの。(今まで自分をバカにしていたこの街のやつら)ざまあみろ!」とSpitしたセリフが忘れられません。(英語ではF*ck everybodyっていってました)服もおしゃれ(男受けはしないであろう、本気系古着)なので、まだ観ていない方は是非に!(確か、公開時のコピーは「ダメに生きる」 ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.01.08 21:40:23
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