地球人スピリット・ジャーナル2.0につづく
「モンゴル 地球の歩き方 07~08(D 14(2007~2008年)」 2007/2 ダイヤモンド・ビック社
わがアガルタを尋ねる旅の途中において、その中心地になるのはチベットであるが、時間と空間をいまだ完全に特定できたわけではないので、その周辺国との関係に当然のごとく意識がいく。特にインド、ネパール、中国とともに、モンゴルとの関係が常に気になるところである。
12世紀にチンギス・ハーンによるモンゴル勢力がチベットにも及び、また、モンゴルがチベット密教を奉ずる関係になって以来、時には、チベットとモンゴルを峻別することさえ難しいことが多くなってくる。シャンバラ、シャングリラ、アガルタ、と言われる幻視ビジョンは、なにもチベットばかりではなく、むしろ広大に拡がるモンゴル平野の大地にも言及されていることが多い。
「地球の歩き方」は旅をするものには定番である。この類の一冊二冊を読まないで旅に出る人は少ない。いや現代においては、期間を決めない旅をする日本人など皆無に近い。せいぜい、数日から数週間の旅がせいいっぱいである。その限られた期間において、旅の楽しみ、旅の成果を最大限に上げようとすれば、このような旅のガイドで下調べし、現地の情報をいれておくのは必須条件である。
本書においても、美しい現地の写真が多く紹介されている。ウブス湖盆地、エルデニ・ゾー寺院、のふたつの世界遺産をはじめ、モンゴル平原の風景と人々の暮らしを紹介したカラー写真が美しい。にわかには旅になど出ることのできない身ではなるが、この本一冊を手にするだけで、かの幻にちかいような土地であっても、交通機関や地理、現地の事情などが、ひとつひとつ分かり始めると、そこは、この地球上の土地であり、今、自分が立っているこの路を歩き始めたら、地づたいに実際に存在している地球の一部であることが、ひしひしと感じられて来る。
チベットを読むことがひと段落すれば、モンゴルをまとめて読む期間もほしいなと思っている。特にノモンハン事件や義経ジンギスカン説など、知的好奇心を刺激されることが多い。
モンゴル人は「オンマニパドマフン」、すなわちサンスクリット語の呪句オム・マニ・パドメー・フームを唱える。この意味については、学者によってはさまざまな解釈があるが、一般には観音菩薩の真言と考えられている。日本では阿弥陀如来の南無阿弥陀仏が流布しているが、モンゴルでは篤い観音信仰を背景に上記の真言が普及しており、知らぬものはない。礼拝行や布達の際、彼らは無数のオンマニパドマフンを唱え、仏を念じている。p160
オンマニパドマフン