【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

2015年10月17日
XML
テーマ:ニュース(99380)
カテゴリ:政治問題
 朝鮮半島の北半分を実効支配する朝鮮民主主義人民共和国は、これまで度々韓国や米国に要求を突きつけるために南北の停戦ライン付近で挑発行動を起こして極度の緊張状態を作り出すという手段をとってきたのであったが、最近はその手が使えなくなったと、東京新聞ソウル支局の中村清記者が報告している;


 8月の南北相互砲撃と高官会談は、最近の南北関係の変質ぶりを浮き彫りにした。挑発行為に一歩も引かなかった韓国と、逆にその強硬姿勢に動揺した北朝鮮。金正恩(キムジョンウン)政権は、長距離弾道ミサイル発射など、瀬戸際戦術の練り直しを迫られている。
(中村清)


 発端は、南北軍事境界線付近で8月4日に起きた地雷爆発事件だった。韓国の兵士2人が重傷を負い、朴槿恵(パククネ)政権は対抗措置として、拡声器による宣伝放送の再開に踏み切った。

 「北朝鮮側は『地雷で挑発すれば韓国が対話を提起してくる』とみていた。予想外の展開に驚いたようだ」。北朝鮮軍出身の脱北者は、金正日(キムジョンイル)時代の2004年に中断された宣伝放送の11年ぶりの再開が、北朝鮮のその後の動揺につながったとみる。

 北朝鮮は高射砲などで韓国を数発砲撃し、前線地帯を「準戦時状態」にするなど極度に緊張を高めたが、韓国政府も29発を撃って応戦し、朴大統領が「徹底して断固とした対応」を指示。背景には「北朝鮮軍は兵器の整備や更新が進まず、戦争できる状態ではない」(韓国政府筋)との判断があったからだ。

 韓国側は、北朝鮮政策を統括する統一相に代わって、対北強硬派の金寛鎮(キムグァンジン)国家安保室長が司令塔となり、大統領府(青瓦台)主導で対応を決定。8月22日から25日まで板門店の韓国側施設で開かれた高官会談で、協議の映像が青瓦台に中継されたことも韓国側に有利に働いた。

 一方の北朝鮮側は、金第一書記の「恐怖政治」と、それに伴う軍幹部らの相次ぐ交代が組織の能力を低下させている。国防相にあたる人民武力部長は、前任の玄永哲(ヒョンヨンチョル)氏が4月末ごろに粛清されたとされ、北朝鮮メディアの7月の報道で後任者が明らかになった。

 宣伝放送への過敏な反応も、北朝鮮の国家機関で勤務していた脱北者は「軍幹部の過大な忠誠心が原因」と指摘。「北朝鮮では金第一書記に対する侮辱は最大のタブー。軍幹部が『放送を止めれば金第一書記から評価される』と考えたのではないか」とみる。

 10月10日の朝鮮労働党創建70年に向け、北朝鮮は長距離弾道ミサイルの発射をちらつかせる。南北高官会談は、軍事挑発で譲歩を引き出す従来の瀬戸際戦術が通じないことを明確にしたが、だからといって北朝鮮が一転して対話攻勢に出るとも考えにくい。4回目の核実験強行など、より強硬な手段に出る可能性は十分にあり、予断を許さない状況だ。
(ソウル支局)


2015年10月6日 東京新聞朝刊 9ページ「記者の眼-通じない北の瀬戸際戦術」から引用

 この記事が示すように、朝鮮軍が停戦ライン付近で引き起こす挑発行為は、かつて日本軍が引き起こした柳条湖事件や米軍のトンキン湾事件のような、その後の大掛かりな戦闘の端緒を開くための行動ではなく、相手を脅して自分の本当の要求を通すという目的でやっているもので、これが本格的な「戦争」になるというものではありません。韓国政府はその辺を見抜いているから、今回は徹底して断固とした対応をとることができたわけです。だからといって、油断してもいいというものではありませんが、わが国の防衛白書が「予断を許さない状態だ」などと書いているのは、防衛予算を削られないように国内向けに書いたものであって、憲法を改正してまで対応しなければならないような危険が迫っているのではありません。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年10月17日 20時25分20秒
[政治問題] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

お気に入りブログ

図書館大好き644 New! Mドングリさん

コメント新着

 捨てハン@ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.