僕が僕らしくあるために

ソフトバンクの城島捕手が、ＦＡ権利の行使について
近く王監督と相談することを明らかにしたそうです。

記事中にもありますが、城島は「メジャーへの挑戦については、
脂の乗っている今の時期に行きたい」との思いも述べつつ、
２年続けてチームがプレーオフで敗退したことに関連して
「温かい声援を送ってくれたファンに恩返しをしなくては
いけないことは、十分感じている」と、心残りがあることも
吐露したようです。

この城島の発言は、非常に分かる気がします。
日本球界で成功を手に入れたが故に「メジャーに挑戦したい」
との「自分の夢」を叶えたい思いがある一方、去年・今年と、
２年続けてプレーオフの最終戦で破れ、日本一はおろか、
日本シリーズにも出場できていないチームの現状、
そして、そのチームにおける自分の立場。
この辺りを考え合わせると、悩みが深くなっていくのは
自然な姿だと思います。

ファンとしても、日本球界残留を望みたい気持ちがある反面
彼自身の夢を叶えてあげたいという、二律相反した思いが
あるのではないかと思います。

城島には、ゆっくり考えて、悔いの無い答えを出してもらいたいと
思います。

これに対して・・・
話題が少し古くなってしまいますが、１６日の日曜日に
松坂が「メジャー移籍を希望」との意向をマスコミに伝え、
紙面を賑わせました。（記事はこちら）

松坂に関しては、既に昨年の段階で「ポスティングによる
メジャー移籍」を球団側に伝え、球団側も「誰もが納得する
成績を挙げたのならば」との条件付で、その意向を認める
発言をしました。

そして今オフ。
正直、松坂がこのような発言をするとは、思ってもいませんでした。
球団との約束として「誰もが納得する成績」という条件を
付けられ、本人もこの条件には納得していたはずです。
それが、今年の成績を持ってして「誰もが納得する成績」と
アピールする、松坂の神経がわかりません。

松坂曰く「１年を通してローテーションを守り、自己最高の
防御率を納めた」ことが「誰もが納得する成績」だと
言うのです。

西武の球団側、そして現場を預かる伊藤監督は、この松坂の
発言に対して、一斉に拒否反応を示しました。
しかし、この拒否反応は「戦力面」や「人気面」での話しに
留まっています。

僕は、このような発言をする松坂を、このままチームに
置いておいても、誰にもメリットはないのではないかと思います。

僕は松坂が大好きでした。
彼の野球に取り組む真剣な姿勢や、ピッチングへの探究心。
そして、野球選手としての能力。
西武だけでなく、パ・リーグの宝だと思っていました。

しかし、その松坂が「年間投球イニング数」や「防御率」の面で
自己最高のシーズンを送ったからと言って「誰もが納得する成績」
だと思っているとは、思いもしませんでした。

野球がチームプレーであることは、昨日優勝を遂げた
ロッテを見れば一目瞭然です。
そのチームの中、そして戦力面だけではなく、精神的にも
チームの中心となるべく選手から「個人成績が良かったので
誰もが納得しているでしょ？」的な発言がされるのであれば
何をか言わんやです。

今年、松坂の登板試合において、打線が湿っていたのは、
単なる偶然だとは思えません。
チームメイトは、松坂のメジャー移籍発言を聞いて
若干ではあるにせよ、モチベーションを下げてしまい
その結果としての「援護射撃の少なさ」であったと思います。

その松坂が、この期に及んで個人成績を盾にメジャー移籍を
口にするのであれば、仮に松坂が残留したとしても
チームにおけるマイナス面が大きくなるように思います。

西武ライオンズは、松坂の希望を叶えるのではなく、
むしろ「放出」という形で、松坂をメジャーに「手放す」
べきなのではないでしょうか？
そうでなければ、チームのために一生懸命プレーしている
選手はシラケてしまうと思います。

もちろん、純戦力面では、大きな痛手であることには
違いありません。
しかし、チームにまとまりがあれば、その損失は
埋めることが出来るのではないでしょうか？

松坂には、みんなに祝福される形で、メジャーに行って
もらいたかったと、残念に思えてなりません。