美人で姿かたちのよい千葉敦子は、精神医学研究所に勤める精神科医。現実にもいらっしゃる美しくて賢い女医さん、私も知ってる(笑)診ていただいている。
ところが、美人セラピストとして<夢探偵>もする、その名は『パプリカ』。えっ、香辛料の名前かな?それはどうでもいいが他人の夢に侵入して治療、ちょっと恐い。いいのかなーそんなことしてと思いつつ、これは小説なのだからいいのだと言い聞かせて読んだ。アニメーションのようなゲームのような展開が畳み掛けるようにあり、そんな文章にも慣れてしまったのだった。(最近ほんと読めるようになったという感想)
登場人物のキャラクターがくっきり決まっているし、背景に世俗的な組織の内紛あり、嫉妬あり、ロマンスありで面白いのだが、最後まで夢かうつつか読者を彷徨わせるところがにくい。不思議で読んでいる間に実際に私が、続きを夢見たりしてハッとして目覚めたりしたので、人間の心理ってどうなってるのかな。
芥川龍之介の「杜子春」では薪が燃えさかってぽとりと落ちる間に、夢の中で人生を3度経験したという。
夢でなくても様々な経験は出来るというもの。それが文学、小説。
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