カテゴリ:読書感想
吉屋信子の沢山書かれたであろう少女小説の傑作のひとつ。
同じ日に生まれた女の児ふたり。ひとりはお金持ちの別荘にて、かたや貧しい漁師の家で。あわれ別荘の児は母親がお産で亡くなってしまい、漁師の児の母にもらい乳をするべく預けられたことから取り替えられてしまうふたり。運命やいかに? と現代ではありえない状況なのだが、書かれたのが昭和初期だし、御伽噺的レトロにどっぷりと浸かった。 その後の展開も起伏に富んで、偶然がかさなり、ハッピーエンドというおさだまり。しかし、私は面白く懐かしく一気に読んでしまった。たまにはいいもんだ。こういう息抜きも必要。 思想がいっぱい詰まっている文学は読み応えがある、けれども疲れることもあるのだ。 この文庫版の表紙の絵(須藤しげる)も似合って懐かしげ。 なお、舞台が蜜柑の花咲く海に近い村という設定は私の畑のあるところと同じではないか!もうすこし伊豆の方に近いのだろうが。それも身近に感じられた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>確か、田辺聖子さんが「吉屋信子再発見」というようなことを言っていたような気がしますが、間違いかな~。
間違いないと思います!きっと田辺さん少女小説すきですもん。お部屋、趣味から伺えます。 でも、そんなことではなくストーリーテーラーとしての才能でしょうけど。 吉屋信子さんの「私の見た人」という吉屋信子が人生で出会った歴史に残るような方たちの人物像を描いたの本はなかなか面白かったです。 (2005年08月25日 10時32分11秒) |
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