カテゴリ:読書感想
本屋へ行く。文庫の今月の新刊が平積みされている。それらを眺めるのは楽しい。
パラパラとめくって気に入ったのを見つけるとつい買ってしまう。 そんな一冊。 ![]() 理由は目次の54冊のうち「私が読んだの多いなー」(31冊もあり、読書傾向に親しみ覚えた)と思ったから。また、この私のブログもマンネリだから参考になるかもしれないとちょっともくろんだ。 名作のひとつひとつが生き生きとしてくる54の文章である。読んだ本も読まない本も興味がわく。 ご本業だから文章がうまいのは当たり前だけど、こういうふうに書けたらなーと思う。ユーモアとたくみな話術だ、いや筆力だ。繰り出される文章がきらりとしていてはっとさせられる。 例えばカポーティの「冷血」のところでこういう文章がある。 『ノンフィクションを読むというのは、知的な作業である。それでは小説を読むのはどうなのかと問われそうなのであるが、こちらははるかに感性が重要になる』に続けて『例えば、好きな作家のものだったら、駄作と呼ばれるものまで大切に読むのが小説の不思議さだ。』 私がとてもほっとしたところである。そんな経験が最近は多い。 また、通して読むと立派な恋愛論の一冊にもなっているからすごい。 初出が「CREA」で単行本の題が「20代に読みたい名作」だから、取り上げた本がそうなのだろう。それに世の中、男と女のことがでてこない本は少ない。林真理子という作家のキャラクターもそうさせるところがある。 2章には文章読本のおまけもありとても勉強になったが、私ごときがまねもできない気がしてきた。 「勘違いの文章」にある文章で、普通の人が下手に何か書いても『誰もあなたのことなんか知りたくないのだ』にはガツンとやられた。正論である。本ブログ続けるのが嫌にもなる。ああもう、自分の覚書でいいのだ!とうそぶくしかない。 ちなみにここに取り上げられていて私が持っているのに読みそこなっている本5冊。 「限りなく透明に近いブルー」村上龍 「太陽の季節」石原慎太郎 「淋しいアメリカ人」桐島洋子 「白州正子自伝」白州正子 「新版 ロレンス短編集」ロレンス この本の文章に接して読みたくなった本7冊。 「楡家の人々」北杜夫 「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス 「冷血」カポーティ 「予告された殺人の記録」G・ガルシァ=マルケス 「ヴェネツィアの宿」須賀敦子 「ジョイ・ラック・クラブ」エィミ・タン 「風の盆恋歌」高橋治 「検察官」パトリシア・コーンウェル 文章の書き方を学ぶはずが、読みたい本を増やしているだけだった。 ![]() 2章「林真理子の文章読本」を再読 追加 普通の人が下手に何か書いても『誰もあなたのことなんか知りたくないのだ』にはガツンとやられた。正論である。みもふたもない。本ブログ続けるのが嫌にもなる。と書いたが、しかし、ちゃんとフォローしてくれている。どうしても知らせたいことがあるなら『面白いものを書く、これに尽きる』と。 ユーモアは先天的なものであるから、誰にでも出来るものではないとも述べているが、それも客観性を持ってあたれば成功する可能あり、客観性こそ大切であると。 ページ数にして40ページ足らずの「文章読本」だが、難しい理論より私のような素人にとってわかりやすいのがありがたい。 『何のための「いい文章」か』『「いい文章」とは何か』『「駄文」とは何か』『「色をつける」と言うこと』『リズムを作る』『勘違いの文章』 短いから何度でも読むことにしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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文庫ってお手軽に買えるお値段だし、
新刊が平積みされてるとついつい手にとって 眺めてしまいますよね~。 普通の人が下手に文章なんか書いても・・・のくだり。 いえいえ、そんなことはないと思います。 文章には性格が表れるのです。 文章の上手下手とはまた別で、 気持がこもっている文章は、人の心を動かすと思います。 ばあチャルさんのブログは暖かくて、 お人柄のよさが滲み出ていますよ。 なので、お互いめげずに(笑)、これからも、 細々と、ブログ続けていきましょう(*^-^*) (2005年10月29日 18時01分02秒)
読んでくださってありがとうございます。ついつい欲が張って、身の程わきまえずでございます(笑)
>文章には性格が表れるのです。 文章の上手下手とはまた別で、 気持がこもっている文章は、人の心を動かすと思います。 ほんとにそうですね。おもしろかった本はぜひ知らせたいという欲求が起こるものです。本好きさんに聞いてもらえればこんな嬉しいことはないのですもの。そこがブログの良さでしょうね。 (2005年10月29日 20時10分27秒)
誰もあなたのことなんか知りたくない、というのは正論に聞こえますが、そうでもありませんよ。
失敗談やおもしろい経験談、雑学や知って嬉しいありがたい知識なんかは、知りたいです。 知りたくないのは論功行賞や、自画自賛の文章でしょうか。 正統的なのろけ話もパスですね。 そういうものはあほらしくて読みません。結局自慢話にしか見えませんもの。 なんにしても、読む側がどう感じるかを考えながら書く文章であれば、そう赤面するようなものは出来ないと思います。 でもそこが欠如してしまう人も時にはいますよね。 私も自戒せねばならないと思っております。 (2005年10月29日 20時38分22秒)
>知りたくないのは論功行賞や、自画自賛の文章でしょうか。
>正統的なのろけ話もパスですね。 >そういうものはあほらしくて読みません。結局自慢話にしか見えませんもの。 まったくそのとおりに林真理子の「文章読本」にありましたよ(すごい!) また、おもしろく書くのが人に知らせるこつ、これに尽きるというのです。まさにパティさんではありませんか。私はすぐに思い浮かべましたよ。 >なんにしても、読む側がどう感じるかを考えながら書く文章であれば、そう赤面するようなものは出来ないと思います。 >でもそこが欠如してしまう人も時にはいますよね。 人とのお付き合いもそうですね。営業だってそれがなければ失敗しますよ。文章を技巧的にうまく書くより大切なことでそれがいい文章ですものね。私も心していきたいと思います。 (2005年10月29日 21時43分02秒)
>「楡家の人々」
倉橋由美子さんの「偏愛文学館」にも挙がってました。読まねば、読まねば、読まねば! >「限りなく透明に近いブルー」 高校の時に読んだのですが、担任がすごく貶してたのも一緒に印象に残ってます。林さんがどんなふうに書かれているか興味津々です♪ (2005年10月29日 22時01分51秒)
追加です。^^;
>『誰もあなたのことなんか知りたくないのだ』 以前もどこかに書かれてたのを読んだ気がします。 だけど、知りたくない人の日記は読みにきませんよ♪ (2005年10月29日 22時17分07秒)
>>『誰もあなたのことなんか知りたくないのだ』
>以前もどこかに書かれてたのを読んだ気がします。 そうですか!これもユーモアだと思います。私の下手な表現でがっかりしたようにも取れたと思いますが、めげないのが素人のいいとこかもしれませんね(笑) >だけど、知りたくない人の日記は読みにきませんよ♪ ありがとう、ありがとうございます!わたしだって、わたしだってそうです。 (2005年10月29日 22時28分56秒)
みなさんのコメントとそれに対するばあチャルさんのレスを読ませていただいて、それぞれ「そうだ、そうだ」と頷いてしまいました(笑)
普通の人が書いてる文章でも、(読む側の)その人にとって面白ければ読むし、そうでなければ読まないですよね。それでいいんじゃないかなと思います。勿論ばあチャルさんのブログは面白いし、参考になることが多いので、絶対に読みに伺いますとも^^ 林真理子さん、最近ではこういう本も書いておられるんですね。(むかーし、エッセイなどにハマった記憶があるんですが、今は全く興味の対象外になってました)本屋さんで見かけたらちょっと手に取ってみたくなりました^^ (2005年10月30日 08時33分07秒)
>普通の人が書いてる文章でも、(読む側の)その人にとって面白ければ読むし、そうでなければ読まないですよね。それでいいんじゃないかなと思います。勿論ばあチャルさんのブログは面白いし、参考になることが多いので、絶対に読みに伺いますとも^^
おお、ありがとうございます。またまた気がつきました。 そうでした。ブログと本や雑誌の投稿とは違いがありますよね。ネットの特徴も加味されてブログや日記の新しい形態が出来つつあるのですものね。 ちゃんとした文章、人に伝えることの出来る文章も必要でしょうが、勢いとかシンクロ(響きあい)とかの掛け合いが何よりも楽しいのですものね~。 (2005年10月30日 08時53分21秒) |
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