テーマ:本のある暮らし(3216)
カテゴリ:ばあチャルの読書記録
7月(4冊)
『戦中派不戦日記新装版』山田風太郎(講談社文庫)◎ 『覆面作家の夢の家』北村薫(角川文庫) 『覆面作家の愛の歌』北村薫(角川文庫) 『猫は知っていた』仁木悦子(講談社文庫) 山田風太郎は沢山娯楽本を書きいまだに人気ですが、青年時代の貧乏で悩み多い、しかし真面目な読書家だった頃の日記は秀逸です。しかも戦争という過酷な状況の下でなんという豊かな思考発想だったか、ほとほと感心した。 8月(7冊) 『真珠の耳飾りの少女』トレイシー・シュヴァリエ(白水社)○ 『冥途』内田百けん(ちくま文庫)○ 『魔性の子』小野不由美(新潮文庫) 『海辺のカフカ(上)(下)』村上春樹(新潮文庫) 『我輩は猫である』夏目漱石(新潮文庫)○ 『馬屋古女王』山岸凉子(角川書店) 『日出処の天子』山岸涼子(角川書店)○ 振り返ってみるとこの月は『日出処の天子』が一番印象深い。マンガといえどもその想像力のなせるわざは心に残る。 9月(10冊) 『小さな星の奇蹟』メアリ・H・クラーク(新潮文庫) 短編『その前日』『札の辻』『四十歳の男』遠藤周作(河出書房新社) 『白い人』遠藤周作(河出書房新社) 『半身』サラ・ウォーターズ(創元文庫)○ 『時生』東野圭吾(講談社文庫) 『海と毒薬』遠藤周作(河出書房新社) 『おバカさん』遠藤周作(河出書房新社) 『安楽病棟』帚木蓬生(新潮文庫)○ 『わたしが・棄てた・女』遠藤周作(講談社文庫) 『自家製 文章読本』井上ひさし(新潮文庫)○ サラ・ウォーターズの『半身』の結末にはあっとおどろいた。 10月(7冊) 『読者は踊る』斎藤美奈子(文春文庫) 『趣味は読書。』斎藤美奈子(平凡社) 『打ちのめされるようなすごい本』米原万理(文藝春秋)◎ 『出雲伝説7/8の殺人』島田荘司(光文社) 『或る女』有島武郎(新潮文庫)○ 『三たびの海峡』帚木蓬生(新潮文庫) 『死の散歩道』キャロリン・G・ハート(ハヤカワ・ミステリ文庫) 『打ちのめされるようなすごい本』に影響受けてこの後、書評のうちの7冊も立て続けに読んでしまい、未読本がますます減らない。 米原万理書評の私のピックアップ。斎藤美奈子の『趣味は読書。』『読者は踊る』『文壇アイドル論』丸谷才一の『輝く日の宮』『笹まくら』奥田英朗の『イン・ザ・プール』トマス・H・クックの『夜の記憶』 11月(12冊) 『本棚がみたい!』川本武(ダイヤモンド社) 『本棚がみたい!2』川本武(ダイヤモンド社) 『本棚がみたい!3』川本武(ダイヤモンド社) 『冬の梅』芝木好子(新潮文庫)○ 『地図のない道』須賀敦子(新潮文庫)○ 『パートタイム・パートナー』平安寿子(光文社文庫) 『文壇アイドル論』斎藤美奈子(文春文庫) 『女の家』日影丈吉(徳間文庫)◎ 『夜の記憶』トマス・H・クック(文春文庫) 『笹まくら』丸谷才一(新潮文庫)○ 『イン・ザ・プール 』奥田英朗(文春文庫) 『輝く日の宮』丸谷才一(講談社文庫)○ 私小説と純文学はくっきりとは分かれていないと思う。作家の資質を分かるように出すかださないかの別はあるけれど、所詮、文学は作家の個性と思想がはめ込まれている。芝木好子は優等生の作家らしい。ああ文学だなーと思う。その点個性で好もしいのは須賀敦子。エッセイ的なものではなく創作が読みたい。 12月(9冊) 『遠い山なみの光』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫) 『閉鎖病棟』帚木蓬生(新潮文庫) 『バルザックと小さな中国のお針子』ダイ・シージェ(早川書房)○ 『日の名残り』カズオ・イシグロ(ハヤカワepi文庫)◎ 『ららら科学の子』矢作俊彦(文春文庫) 『青の時代』三島由紀夫(新潮文庫) 『ブライトン・ロック』グレアム・グリーン(ハヤカワepi文庫)◎ 『新版ロレンス短編集』ロレンス(新潮文庫)○ 『ナイン・ストーリーズ』D.J.サリンジャー(新潮文庫)○ カズオ・イシグロは特異な作家だと思う。違和感が(日本人として)あるのだけれど、捨てがたい。こういう融合的な作家が今後伸びるのかもしれない。グレアム・グリーンは見直したい。ロレンスもいい。 今年は私的な動揺(夫の病気)もあったけれど、こうして振り返ると読書人生に影響がないのがいいのか悪いのか。老いて益々充実してくる読書思考回路であった。来年は体系的に文学を把握していきたい。と毎年思うのであるが…。 私の今年の読書ベスト3 ヴァージニア・ウルフ 丸谷才一 三島由紀夫 の三作家の再発見、再確認ですかね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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