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ずっと以前にK寺さんからお勧めがあって、やっと読みました~ 白石一文の本は1冊を除いてすらすら読めるのばかりだけれど、これは異色の小説で、短い章が連なり、ストーリーの途中にしばしば思想が挟まる。小説と社会論が混在するハイブリッド・ノベル、と勝手に命名。普通ここまで引用するか?というくらいに盛り沢山で圧倒される。(が、文献数自体は少ない。) 大まかにとらえれば、『一瞬の光』と似たようなつくり。仕事のできる男、社内抗争、政治家とのかかわり、美人で仕事もできるいい女がいながらちんけな若い娘にひかれる、家族との希薄な関係、超常現象的なこと、病との闘い、といったエレメントは他の作品でもよくでてくる・・・・つまり、白石一文の集大成的小説のように思えた。 この「矢」というのは、主人公曰く「時間」とのこと。「人はどう生きるのか」ひいては「世界とどうかかわるのか」がテーマになっている。しかし、話はごくごく世俗的で興味をひくストーリー仕立てになっている。 それにしてもこの装丁はなんだ?! インパクトあるけどヤダな。 直木賞とれるかな・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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