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書評日記  パペッティア通信

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Aug 4, 2005
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カテゴリ:社会
wawa

(承前)

● 「歴史の清算」が行なわれるのは、民主主義の確立に必要なためである

植民地時代の親日派の摘発がおこなわれているが、それは「反日」的外交政策をおこなっているのではない。保守既得権益層は、もともと民族派のフリをした親日派なのに、これまで60年間、政権を独占してきたため、かれらの対日協力行為が裁けなかった。ベトナム戦争での韓国軍の残虐行為の摘発などをみても、歴史の清算は、国内における過去の恥部へのケジメとしておこなわれている。この7月、施行された新聞法や、他にも、私立学校組織改編、国家保安法廃止、戦後の歴史真相究明が課題であるという。


「偏狭」「誤解」「傲慢」…この書には、多くの問題があるといえます。とくに、「左翼=ナショナリズム」を自覚していないことは致命的といえるでしょう。また、日本の政治構造を理解できていないくせに、ウリ党の「上向式公薦方式」「党員資格強化」を礼賛し、自民党と比較して「新しい」などといってしまう手法には、虫唾が走ってしまう。インターネット市民勢力のパロディ水準の勝手な批評など、正直、どうでもよい。

とはいえ。

盧泰愚、金泳三、金大中…
韓国の新大統領はいつも就任期間中は讃えられてきた。
またお定まりの礼賛本、退任後は盧武鉉も刑務所行きだろう…

などとおもってはいけない。

なにより大切なことは、韓国左翼ナショナリズムの≪固有の論理と息吹≫が、保守メディアのプリズムを通すことで曲げられることなく、一冊の本として我々に伝えられたことにあるでしょう。ながらく、田中角栄逮捕に踏み切った東京地検特捜部は、韓国では神話的存在であったこと。また、2002年大統領選の鄭夢準の盧武鉉支持撤回、2004年大統領弾劾政局のときの「ネチズン・放送局VS新聞」の動きと戦いは、読んでいて息つまるほどの、迫真のレポートとなっていて、たいへん素晴らしい。

筆者の指摘する、韓国のネチズンの目指す「感動の政治」
『「嗤う」日本のナショナリズム』(NHK出版)とも通底する、
「感動の共同体」の創出。

≪日韓のインターネット言論における「感動の共同体」という補助線≫

われわれは、この補助線を引くことで、素晴らしい収穫をえることができるのではないか。これによって、韓国のネット市民勢力に「反改革・反統一・反民族」と批判される朝鮮・東亜日報は、プチ・ナショナリズムによって「反日」と批判される朝日新聞・NHKと比較することができ、日韓のネット言論をまさしくパラレルなものとして、位置づけることが可能になるのですから。

とくに、戦前「対日協力」をしながら戦後「民族紙」を自称してきた「反統一」朝鮮日報への批判は、戦前「軍部協力」しながら戦後は「左翼」「反日紙」と断じられる朝日新聞への批判と、完璧なまでにシンクロしていることに興味をむけたい。これは、「愛ゆえのシニシズム」という機制こそ欠いているものの、「感動の全体主義」という水準では、おなじものではないのか。

筆者は、日本ネット右翼と韓国ネット左翼の相似形が、まるで理解できていない。そして、かつての韓国左翼の民主化運動をささえた、日本の市民派左翼勢力に対してエールさえ送ってさえいる。帯で礼賛する、姜尚中・筑紫哲也にしても理解しているとはおもえない。それは、日本ネット右翼の嫌韓厨が、自己と韓国左翼との相似形をまるで理解できていないため、「拉致家族問題」などにおいて、さかんに韓国保守勢力にエールを送り続けている姿と、まったく同じものではないか。

そうなのだ。

たぶん、日本ネット右翼の希望の星、安倍晋三は「日本の盧武鉉」なのだ。

いや、盧武鉉こそ、「韓国の安倍晋三」なのかもしれない。
どちらにとって、より不本意なレッテルなのかは、分からないが。

たぶん、この本は、筆者の意図と反して、そして日本のネット右翼の通念とも反して、こうした変奏と誤読を可能にするからこそ、我々にとって豊穣な本なのではないだろうか。そして今まさに、韓国の左翼ナショナリズムにおきつつある、ある種の挫折と変奏が、あたかも日本ナショナリズムの挫折と変奏を予言、もしくは乖離が観察できるからこそ、この書は非常に強烈な問題提起をしている書ではないだろうか。

筆が進みすぎたようだ。
ともかく、ご一読あれ。

評価 ★★★☆
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Last updated  Aug 29, 2005 12:17:58 AM
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