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2005.08.15
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カテゴリ:食い物
さて、お盆も末になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
は仕事が17日からですが、さて、その日に限って大雨が降ったり、地震が来たりするのではないかと、いまから心配しております(笑)
尤も、いまから心配しているようでは人間として駄目だろうという方もおられるかと思います。今夜は、そういった、人間として駄目とされた人たちの食べ物について記した本を皆様に紹介したいと思います。

章構成
1.ソウルフード―アメリカ
2.奴隷たちの楽園―ブラジル(フェイジョアーダなど紹介)
3.漂泊民の晩餐―ブルガリア、イラク(ロマの食を紹介)
4.禁断の牛肉料理―ネパール(何故禁断か?お読みになれば…)
5.被差別の食卓―日本

差別・被差別というと、私には網野善彦や三角寛がすぐ思い浮かぶのですが、著者はこういった大学者とは違い、大阪府南部の更池という同和地区の出身で、地区間のつながりを生かして取材を進めています。ですから、より住民の生の姿が見られるということで、過激な差別に傾倒しやすい私にとってはやはり貴重な本です。1~4章では海外のマイノリティフードを紹介し、最後に国内の同和地区のごく一部で食べられている保存食を紹介していますが、いずれも今では高級料理になっています。アメリカのソウル・フードの代表格だったフライドチキンは、百年前は解体された手羽先や内臓などを使っていたために徒同然だったのが、チェーン店で三ドルだとか五ドルだとか出さないと食べられない。まして日本国内だと、10ピースパックが2000円見当もする「ハレの日の料理」になってしまっています。中南米の豚足料理フェイジョアーダにしても、観光客が群がって値段を吊り上げてしまい現地の本当の貧民の口には入らない。国内だと婦人画報等に高級料理として紹介されかねないほど値段が高いものです。六本木だとか神田だとかのスペイン料理店を覗いてご覧になればよくわかります。時代の変遷でしょうか、ソウルフードとか被差別の食とかいっても、所詮はそれを食べる側の人間の都合によっていかようにも格上げされうる―悲しい(?)現実ですが、これがあるために貧しい人々はいっそう自分たちの食のアイデンティティを失っていくのです。挫折してどうにもならなくなった私がそうであるように―もう何年かしたら、中南米のスラムでは「マクドナルドのハンバーガー」が貧しさの象徴になっているかもわかりませんし、アメリカの黒人は鶏やワニのフライではなく人工蛋白質のフライを自分たちの伝統食だといい始めているかも知れません―時代の変化というのはすごいものです。差別の象徴すら変えてゆく。
さて、著者のロマに対するとらえ方は、私とは若干違います。著者は、ロマは日本の被差別部落民と同じ位置を占めているととらえていますが、私はサンカという漂泊民とロマが同系だと考えています。このあたりは三角寛の影響が濃いのですが、日本のサンカは山に住んで平地の民からみると定住の場所を持たず、遺伝子的にも平地人とは違う―南アジアの移動部族に連なる―民族になっています。戦争映画で有名になってしまったグルカ族やモン族と同じ、きわめて精強な戦闘民族です。部落民とも交流はあったのでしょうが、少なくとも定住した被差別民とは血統を異にします。上原氏の著書ではサンカという文言は一言も出てきませんが、タブーでもあるのでしょうか?確かにサンカは秘密主義が強く、自分たちの技術や血統を優れたものと信じていて、情報を外部に漏らした者を許さないと言われますが、サンカとロマが同系列だからといって恥ではないでしょう。蕎麦を常食とし蛇を蛋白源とするあたり、奇異な一面もありますが。それに中南米の黒人奴隷にしても、一時はパルマーレス王国という逃亡奴隷の国を作って植民地軍と対決した歴史があるのですが、それも本書ではほとんど書かれていません。踊りに似せた格闘技カポエイラを習得した奇襲部隊や、現地人と同じく吹き矢を使う必殺の毒矢狙撃兵を擁し、最大で三十万の人口と二個師団の兵力を持ったこの国は、今では地図上から消えうせています。悲しい歴史というだけでは片付けられません。このパルマーレス王国、話題のAge Of Empire3で取り上げられるという話もありますが、ストーリー上だけでもこの国の歴史が正確に再現されることを願っています。
またまた話題は変わります。私はきちがいですからね―5章に出てきた日本のマイノリティ食も値上がりしています。牛肉や馬肉の干したものである「サイボシ」は一万円以上しますし、牛の小腸を揚げた「油かす」(肥料の油粕ではありません)も一袋千円以上します。また、地方によっては流入してきた朝鮮人の文化を取り込んで豚足やチャンジャを売っているところもありますが、これもかなり高い値段です。著者はサイボシと油かすの製造工程を詳細にレポートしていますが、かなりカロリーが高いのでダイエット中の方は遠慮なさった方がいい。とりとめのない文章になってしまいましたが、珍しい食べ物に興味のある方は一読して損のない本だと思います。
ところで、この本の版元は、日本で一番強い宗教を敵に回しています。よく潰されないものだと感心する一方で、メディア規制のつよまる日本で生き残れるのかと、心配する面もあります。まあ、この三行は読み飛ばして頂いて構いません。私も宗教で一時期よい時代をすごし、宗教で失敗して挫折の人生を味わい続けているのですから。





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Last updated  2012.04.14 18:23:16
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