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カテゴリ:美術・芸術・展覧会
2011年02月20日神奈川県立金沢文庫 神奈川県立金沢文庫80年 特別展 運 慶 展 平成23年1月21日(金)~3月6日(日) お仏像好き、とりわけ慶派好きにはたまらない 金沢文庫の運慶展です。 東京国立博物館さえも、このような揃い踏みは ありません。 奈良・円成寺(えんじょうじ)所蔵 大日如来坐像 1176年 このポスターにもなっている大日如来坐像に マムは2008年の夏に忍辱山(にんにくせん)円成寺に バスに揺られて拝観にいったものです。 多宝塔の透明プラスティック板の向うにおいでの 如来さんは反射がひどくよく見えなかったものの お会いできて感激したのをよ~く覚えています。 また、この円成寺さん自体がとても姿のよい お寺さんで、マムのお勧め寺のベスト10に はいります。 この如来さんですが、運慶が若いときのものです。 今までいろんな運慶作のお仏像をみてきましたが、 やはり運慶らしいバランスのとれたとてもいい作品です。 が、 当然まだ未熟で全体的に甘さを感じます。 真如苑所蔵 大日如来像 鎌倉初期 この真如苑所蔵の大日さんにお会いするのは 2回目となります。 13億円で落札と話題になったものです。 13億が是が非か考えてしまいますが、 海外にもちだされなくてよかったと お姿を拝見し思った気持は今回もお会いしても 同じでした。 とてもおきれいです。円成寺の大日さんを制作 して、多分10年ほど経ったものだと思われます。 お顔に気品が漂い、腰の絞り込み方はギリギリ まで、せめぎあっています。美しさか否かの。 私はこの大日さんが真如苑所蔵になってよかったと 思っています。新興の宗教にありがちな排他的なところが 真如苑さんにはないと聞いています。 だから、落札した後に東京国立博物館で公開もゆるされ、 今回の展にも出展がなされたと思っています。 真如苑は現在大伽藍を建設中とのこと、伽藍ができた あかつきには、そのお堂に安置されたこの大日如来坐像を 拝観したいものです。 愛知・滝山寺 本堂 愛知の滝山寺(たきざんじ)からは三尊立像の おひと方の帝釈天さんがおいでです。 愛知・滝山寺 帝釈天立像 この帝釈天さんもマムはお目にかかりに 滝山寺にいったものです。 「タキザンジに行ってください」と駅前から タクシーに乗り、連れていかれたのが タキダンチ滝団地と笑い話のようなめに あったのも懐かしい思い出です。 帝釈天、聖観音、梵天さんらは誰も管理する人が いない宝物館に安置されていて「大丈夫かい」と 心配したものです。 色鮮やかで保存がよいように見えますが、 実は明治期の補修は本来の塗りを落とさずに その上に厚塗りをするというやり方なので、 厚化粧といいましょうか、ぼてりとした 御所人形のような感があります。 しかし、とてもリズミカルな線の集合体で そこはやはり慶派の見事な仕事ぶりです。 背後にまわってみますと、腰のひねりの 上品な エロティシズムを感じますし、 衣よれてねじれた表現などの自然さに 技術の凄さを感じます。 今回の展示は左端の帝釈天立像のみです ここにあげあていませんが どの作品も素晴らしいもので、 マムは大満足です。 こんな遠いとこまで来ちゃって 東博でやってくれればよいのに なんて思っていたのですが、 拝観後は 東博以外でこのような充実した 展をやるなんて、すごい! と嬉しくなってしまいました。 嗚呼、見仏の虫が蠢きだすマムです。 *吉祥陀羅尼山瀧山寺 *忍辱山 円成寺 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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