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カテゴリ:政治
沖縄県知事選で与党推薦の仲井真弘多氏が野党統一候補の糸数慶子氏に勝利しました。沖縄ではかつての全島を揺るがせたような反基地運動はもう起こせないと言うことなのでしょう。民主党の小沢党首の小沢神話も地に落ちたようです。
沖縄の戦後の反基地闘争の壮絶さを思い返すと少し寂しい気がしますが、それが時の流れなのでしょう。戦争を知らない世代が有権者の多数を占めるようになり、日本の政治の流れも変わりました。戦後世代の内閣が誕生したぐらいです。 小沢代表の国会で対立軸を造り、政界を揺さぶろうとする政治手法は55年体制への先祖返りです。不毛な国会審議が続いた時代に戻そうとするのは惚けの始まりではないでしょうか。民主党が責任政党に復帰しなければ政治が乱れます。 一方、自民党は公明党の力を借りてかろうじて勝利しましたが、若者の浮動票が逃げたのは自民党の造反議員の復帰話で政治に嫌気を差してきたからでしょう。与野党の先祖返りに若者は小泉劇場に酔った酔いから醒めてきたのでしょう。 小泉首相に対する評価は人によって違いますが、若者を政治に目覚めさせた功績は誰も否定できないでしょう。森元総理は選挙の時に若者に寝ていて欲しいと暴言を吐きましたが、政治家の政治生命を制するのは浮動票になってきました。 民主党の基地問題、安全保障に対する建前と本音の乖離が糸数候補が仲井真候補に競り負けた敗因でしょう。民主党の日米安保条約、米軍再配置に対する姿勢が定まらず、選挙の争点がぼやけてしまいました。これが民主党の限界です。 沖縄県人には経済が第一であったようです。元官僚と元バスガイドに下ろした県民の判断は経済復興に対する期待度の差でしょう。日本でも最下位の地域経済、仕事がなければ食っていけない現状を立て直すことが何よりも優先したのです。 沖縄の抱えている根本的な問題は地域経済が基地に依存している点にあります。沖縄を経済特区にして自由港にし、自由貿易を可能にさせる方法が考えられます。例えば、カジノを誘致すれば、経済的なメリットは計り知れないでしょう。 基地がない沖縄は理想ですが、現実の政治の世界では不可能です。稲嶺知事は公約で普天間基地問題に15年間の期限を付けたので自縄自縛に陥りました。仲井真新知事は官僚なので与えられた条件の中で最善を尽くす道を選ぶでしょう。 究極の基地対策は沖縄経済が復興することです。沖縄経済は地場産業がないので公共事業依存型経済です。観光産業でも沖縄経済を支えられないのが現状です。米軍基地に依存しなければ生計を立てられないのが沖縄の抱えるジレンマです。 日本の安全保障に関しては本土は沖縄に依存しています。米軍基地は絶対に必要だけれども誰もが嫌がる廃棄物処理施設、トイレのようなものかも知れません。基地を沖縄に押し付けている以上、本土にはそれに見合う経済負担が必要です。 政府は沖縄を飢えさせておいて目の前のご馳走に飛びつかせるようにしています。沖縄の人の人格を貶めるような政策は根本的に間違っています。米軍基地と共存できる町には精神的な余裕を持てるだけの経済的な豊かさが必要なのです。 米軍基地がなくなる時代が来ればよいのですが、北朝鮮、中国の核の脅威に晒されている間は日本が米軍基地を必要としているのです。核抑止力を持たない日本はアメリカの核の傘を必要としているのです。それが国際政治の現実なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/11/20 10:02:38 PM
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