「オイ、オマエのオカン、山登り趣味やろ、この前、電車の中で見たで。一緒に行っていた山登り仲間に、うちの息子なあ、正月にウクライナ行ってなあ、キエフが何とかとか、アウシュビッツがなんとか言ってたわあ。一体何やてんだか、という会話が聞き取れ、思わず、アイツのオカンやと思ったで!でも家じゃないほうの電車乗って行ったから、よく分からんなあ」
その夜、私は、オカンにメールをした。「○曜日に山の格好で電車乗ってたか、○○方面乗って行ったか?」「何でや」「いや、山の格好した60代の女性が冬に息子がウクライナじゃアウシュビッツじゃ行ったといって呆れてた話を聞いた者がおりましてな」「ほー、あんた、ウクライナ行ったん?」
世界は広く狭い。この神戸阪神間の人口何人か知らないが、200万人程度の中で、私以外に、この正月にウクライナとアウシュビッツに行った(あ、オレ、アウシュビッツ行けなかったんだ、あ、オレ、キエフ空港しかあまり知らないんだった)男がおったんだ!とちょっとシンパシーを感じながらも、まあ、正月に結構海外旅行している人も多いし、その中で、ウクライナとポーランドに行った人がいても全然おかしくないよな、と思いなおした。
キエフの空港でスタックしたこと、ネットで検索したら、ツイッターで呟いていた人が一人いたのだが、その人は、一便だけ、うまく、ポーランドかどっかに飛んで行き、それに乗れましたというツブヤキであった。ああ、そういえば、あの日、スタック最後の便がワルシャワ行きだったな、あそこに日本人がいたんだ、と思ったのであった。もしかして、商社マンらしいすれ違った日本人ぽい背広姿の2人組の1人だったのかも知れない。
シンクロだ!虫の知らせだ!案外そういうのは、あるけど、いっぱいの情報が刻々と流れ去り、ほとんどは意識せずにパスするのだけれども、偶然意識してて、たまたまスゴイ!というだけかも知れないね。