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テーマ:心のままに独り言(8577)
カテゴリ:帰ってきたウルトラマン
眠い。。。
帰ってきたウルトラマン 第11話「毒ガス怪獣出現」 「ウルトラマン」「ウルトラセブン」のメインライターだった金城哲夫が沖縄へ帰郷後、唯一ウルトラを執筆したお話。ただし、以前のような明るく爽快な作風ではなく非常に重苦しい作風となって。。。同じ沖縄出身で本作にてメインライターとなった上原正三が第5・6話にて現代の東京を戦時中の沖縄に置き換えたような作品を発表したことに刺激を受けてか、金城哲夫はよりリアルな沖縄を描くことに挑戦。怪獣を見たとの通報を受けてMATはパトロールを続けていた。岸田隊員は呑気な上野隊員を叱責。岸田家は軍人を輩出してきた家系であり、それだけに自分に対しても厳しい。そんな中、山頂付近で映画のロケ隊が全員死亡している現場を発見。フィルムには撮影中に黄色いガスが流れ、怪獣の鳴き声と共に次々と倒れていく場面が映っていた。調査の結果、黄色いガスは旧日本軍が開発した毒ガス・イエローガスと判明。終戦前に廃棄されたはずだったが、怪獣がそれを食べ、口から噴射していたのだった。かつて岸田隊員の父親はイエローガスの開発に関わり、その後自殺を遂げていた。当時の日記を読み、父親が苦悩していたことを知り、そしてまた自分も父親と同様に苦悩する。怪獣の吐く毒ガスを作ったのが父親だったこと、戦争に使用される前に廃棄処分されたはずが、現代に蘇り人々を死に追いやっていること。「自分(岸田家)の罪は自分で償う」と単身MATアローで怪獣を攻撃。その戦いぶりは普段の岸田隊員からは考えられないほど冷静さに欠けた行動だった。結局、撃墜され大怪我を負う。岸田隊員の母親から事情を知った郷は代わって怪獣を倒すことを誓う。ウルトラマンへ変身、怪獣に立ち向かうが毒ガスの前になす術もない。そこへ南隊員が毒ガスの中和装置で応援。スペシュウム光線で炎に包まれる怪獣をスピンキックで倒す。こうして毒ガスはようやく廃棄に至り、岸田隊員は郷とMATの仲間に深く礼を言うのだった。金城哲夫が沖縄へ帰郷した昭和44年に、アメリカ軍基地に貯蔵されていたVXガスによって死者が出る事件が起こった。このことで沖縄がアメリカ軍の毒ガス兵器の貯蔵庫になっていたことが明るみとなる。しかも強烈な毒性を持つサリンやマスタードガスなども。今回のお話はこの事件をベースにしているのは明らかなのは言うまでもない。金城哲夫がわざわざこれを選んだのもテーマ主義者である橋本洋二プロデューサーの意向に沿ったと考えられるが、実際に仕上がった作品はあまりにもストレートすぎて言葉を失う。上原正三もかなりストレートだが、それを軽く上回るものがある。沖縄へ帰郷後、金城哲夫は自らのアイデンティティに悩み精神的に追い詰められることになるが、今回の岸田隊員は自分自身の投影?それはそうとこのお話は別の要素も持っていたりする。これまで不毛な対立を繰り返してきた郷と岸田隊員の関係が急速に改善、他のライター(実相寺昭雄など)によって名パートナーに描かれるまでになる。そういう意味でも本作はシリーズ全体に面白くなる要素を提供してくれたターニングポイントに位置づけられる。これを置き土産に金城哲夫は再び沖縄へ帰郷する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年10月17日 17時31分50秒
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