|
テーマ:中国&台湾(3292)
カテゴリ:中国
成都について書かれたガイドブックはあまりない。 天下の「地球の歩き方」D06から伺える情報も、パンダや九寨溝や諸葛亮などの昔からの見どころばかりが取り上げられている。 観光という点では、たしかに成都は、パンダであり、四川料理であり、三国志の舞台でもある。 ただ、そこに現在とこれからの成都を見据える視点はない。 中国=4千年の歴史といったステレオタイプな切り口では、現在の中国はいつまでも見えてこない。
成都が、中国で住みやすい都市1位に選ばれるようになったのは、1992年から1997年までに行われた府南河の河川改造計画がなされてからだ。 昔から成都では、季節ごとに河が氾濫し、水との戦いがなされていた。 河による交通が盛んな時代はよかったが、物流が船によらなくなると、河沿いの建物が老朽化して貧困層が住むようになってしまった。 いつのまにか河沿いには汚い家がが立ち並び、汚染された河からは悪臭が漂うようになった。 地元の小学校では、府南河の清掃がなされていたが、それもあまり効果がなかった。 成都市龍江路小学校の蒲波さん(当時15歳)は、自分の生まれたころの綺麗な河を取り戻したいと思い、川をきれいにしてくださいという手紙を市長に書いた。 1985年のことである。 当時の胡懋洲市長は手紙に感動して河川の大改造プロジェクトを動かす。(このあたりは、中国的な誇張された物語にも感じるけど。) 府南河利用計画は、政府の支援と成都の住民運動により大プロジェクトとなり環境整備が進められる。 こうして河をきれいにすることで、成都の全てが変わり始めた。 浄水場も改変され、治水工事もなされ、緑地帯や公園が整備され、新たな都市計画で商業施設と団地が建設され、成都の地価も上昇し、都市の循環がなされていった。 こうして現在の住みやすい都市が誕生する。2004年に住みやすい都市中国でNo.5に、西部でNo.1になり「東方のエデン」とも讃えられました。 2005年には「国家環境保護模範都市」を授与されました。
参考DVD、成都を理解できます。
成都活水公園は、成都での人と水との戦いを、水との融和に転換する象徴にもなっている。 活水公園は自然保護のためにつくった公園で、水の保護をテーマにしている。このような水の保護をテーマにした公園は世界始めてのものと言える。公園の設計者は中国、アメリカ、韓国の水利、園芸、環境の分野で活躍している専門家達である。 魚の形をした公園にはこんな(下記)想いが込められている。 魚は水のないところで生きられない、魚のいない水も腐った水と見なされている。これは人類と自然とのお互いに依存する関係を象徴している。HP http://www.sw-journey.com/default.asp より
成都の発展の裏にはこんな都市の物語が隠されている。 成都に降り立ちタクシーで移動する街並みにびっくりする。 プラダ、ヴィトン、カルチェと続く。 中国内陸最具競争力の都市に入選されているだけのことはある。
2011年6月からANAの直行便が飛び始めた。 郊外にはシリコンバレー(ソフトウェアーパーク)が建設され日本からも多くのビジネスマンが往復している。
ガイドブックもこれからは、経済、産業発展の視点で中国各都市をガイドしてほしいな。 そのほうが、ビジネス戦士にももっとガイドブックが売れると思います。 若者向けガイドと大人向けガイドがあってもいいと思う。
ビジネスマン向け大人ガイドに最適なレポートはこちら。
にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[中国] カテゴリの最新記事
|