華昇のワインレッスン ドイツワイン編2



2002年8月まで 楽天に有った 華昇さんのワインのHPから ドイツワインの部分を 抜き出しました 華昇さんの承諾を得ています






味のレッスン22 ドイツワイン6 5月15日(水)

ラインラントファルツ地方のリッヒ・ベンダー家葡萄園詰めのビッサースハイマー・ヘルト・アイスヴァイン98 375ml。ブドウ品種シルヴァーナ。アルコール度数9.5度。購入価格3700円。DLG農産物大賞金賞エクストラ(10点満点)、ラインラントファルツ州品評会金賞受賞。この賞の権威はドイツワインに不案内なわたしにはよくわかりません。購入先の酒屋さんの情報です。

さて、ワインの感想ですね。通常のアイスワインの価格からすると若干、お値段も安い設定ですが、ファルツ州のシルヴァーナ種のアイスワインということが理由かと思います。色は画像で確認していただけますが、輝く黄金色でとても美しいです。リースリングの華やかな香りに比較すると、やや大人しい香りですが、なかなかエレガントな香りです。極甘口ですが、ほどよい酸とのバランスで、くどくなく飲みやすい上品な仕上がりです。

アイスワインというのは、食後以外の楽しみ方が出来るのかというテーマで、あえて食中酒として使う冒険をしました。極甘口ですから、食前酒としてはお勧めできません。フォワグラなどと合わせることは可能ですが、ふつうの家庭料理では、いかがなものでしょう?食後酒だけに楽しむというのは、ある程度の人数も要りますし、日本の家庭では限られた設定になりますものね。

食事との相性はわたしの主観が入りますので、考え方の目安としてください。クイズにしましょうか?合わなかった順からの番号を掲示板に書きこみをしていただけませんか。(残念ながら、賞品はありません。)1、エノキダケの牛肉巻き 2、パパイア 3、茹でたじゃがいも バターソース 4、茹でたにんじん バターソース 5、鯛の甘酢づけ 6、フランクフルトソーセージ グリル アイスワインには、合わせないお料理ばかりですが、あえて選べばというお遊びです。ヒントにならないけれど、酸味がほどほどの極甘口ワインですよ。



ちょっと、一服。クイズの答えも。 5月16日(木)

今日のドイツ在住のG-panさんの日記を拝見すると、ドイツワインの状況は日本とは、かなり違いますね。このレッスンのためにかなり辛口か、せめて半辛口赤ワインを探すのですが、なかなか、売っていません。たまにあっても思っていたより高価で、購買意欲がわきません。残念ですね。ドイツのワインは白ワイン、赤ワインでも甘口という固定観念があるのでしょうね。こんなにインターネットが普及していても、この現状です。

おいしいワインを値ごろな価格で楽しめるG-panさんや、ワイン産地に在住の方は幸せですね。ワインはおいしいけれど、高いからといわれると悲しくなります。1000円ぐらいの安いワインという表現を使い、いつぞやは、いろいろありましたけれど、1000円以下でフレッシュなおいしいワインを飲めたら、もっとワインの愛好者の裾野が広がることでしょう。

ただし、ワイン・レッスンをするうえで、ディリ-・ワイン、ウィークエンド・ワイン、お誕生日などに飲む特別なワインなどの線引きのけじめがついていなかった、というのも、わたしの反省です。ワインに対する思い入れが深いと、どうしても高級なワイン、レアなワインに興味がいきます。また、そういう知識も、要求されることも事実です。そして、日常で楽しむワインの数も無限というほどに造られています。そういうワインについては、みなさんが理屈なしに飲んでいき、好みとか、お料理との相性を探っていくべきだと思います。

わたしが目指したいのは、やはり週末ぐらいにゆっくり楽しむワインのお勉強ということでしょうか。現実の日本で流通しているワインに関しては、そういうことになりそうです。それにしても、なかなか、思うようにはいきません。ときどき、めげそうになりながらも、みなさまの応援で何とかとやっています。いつもありがとうございます。

さて、昨日のクイズですが、正解者はいませんでした。5、鯛の甘酢づけは最悪でした。ともかく生臭いです。二度と試したくありません。極甘口にはお魚はやめたほうが無難です。辛口の酸味がある白ワインがいいですね。これは正解者が多かったです。次は2、パパイアです。苦味がでて食べれません。洋梨などは合いそうです。合わせるなら、コニャックやラム酒などがよさそう。4、茹でたにんじんも駄目でした。にんじんの甘味といけるかなと思ってましたがが、にんじんの甘味を消してしまいました。1、エノキダケの牛肉巻きは案外、いいですよ。ただし、わざわざ合わせる必要はないですね。3、茹でたじゃがいもも違和感がありません。これも不思議ですが、6、フランクフルトソーセージにぴたっと寄り添ったのはドイツのブドウ品種シルヴァーナのせいでしょうか。リースリングでも同じ結果がでたと思います。

ということで、正解は、5、2、4、1、3、6でした。やはり、同じ産地のものを合わせるというのが、鉄則かもしれません。ただし、アイスワインは食後酒です。どうしても、1本で済ましたかったら、ソーセージとじゃがいもは無理ではないということぐらいの相性です。といいつつも、わたしがやりそうですね。これからはワインを飲む前に、自分で順位をつけてみて、食事との相性を試してみましょう。飲む前に、合うか、合わないかの想像はつくはずですので、ご確認のほどお願いしますね。

勝手ながら、個人的に甘口ワインは少し、飲みあきました。明日から、ドイツの辛口白ワインのレッスンにいきましょう。



味のレッスン23 ドイツワイン7 5月17日(金)

ドイツの辛口白ワインで試飲したワインはベシッシェ ベルクシュトラーセ リースリング クラッシック2000。

画像にあるちいさなグラスがテーステインググラスです。プロでもないから、といわれるかもしれませんが、高価なものではありませんし(600円位~)購入されても楽しいですよ。

ワインの色を確認するのは、やはり透明のグラスが一番ですが、昨晩みたいな蒸し暑いときには、涼しげなグラスにうんと冷やした辛口リースリングというお洒落もしたいです。そんなときには、テーステインググラスの出番です。横着をして、なかなか使わないのですが、やはり、香りがはっきり把握できますね。鼻をすっぽり差し入れるつもりでお使いください。開栓したら、このグラスでワインの確認をして、温度設定やデキャンタージュの必要性を確認します。

今日のワインはドイツワインのQbA(上級ワイン)の格付けです。ドイツワインではもっとも多い生産量の多いクラスですが、VDP(ドイツ高品質ワイン醸造家協会)の201の醸造場に所属しています。ドイツワインをよく飲まれる方は、目にしたことがあると思いますが、黒鷹のマークが目印です。さまざまな規定で、ワインの品質を保証していますので、ワインを購入される場合の目安となります。ベシッシェ ベルクシュトラーセ国立ワイン醸造場はゴーミヨのドイツワインガイドで4ツ星をつけられている評価の高い生産者のようです。

辛口白ワイン。アルコール度数14度未満。購入価格1800円。ブドウ品種リースリング。色は画像で確認できますか?輝きのある薄い黄色です。アルコール度数もしっかりあることが、通常のドイツワインより、やや濃いめの色からも考えられます。香りはとても華やかなリースリング特有の花の香りで、蜂蜜の香りなども加わり豊かです。辛口できりっとした酸味がバランスがよく、切れ味がいいのですが、しっかりとしたこくもあり、繊細ですが大人しいだけのワインではないです。今からの季節にしっかり冷やして、召し上がるのには最適のワインです。食事との相性は、明日にしましょう。



味のレッスン24 ドイツワイン8 追加しました (3) 5月18日(土)

ドイツの辛口ワインのベシッシェ ベルクシュトラーセ リースリング クラッシック2000と食事のことについての感想です。

おいしくワインを飲むということにこだわると、肥満との戦いになります。ワインに親しむにつれ、嗜好がフルボディの辛口の赤に偏りがちになってました。重いワインにともなってお料理も、食材、調理法ともに肥りやすい選択をしてしまいます。

ところが、先日よりこのレッスンのために、なるだけドイツワインを飲むように心がけていたところ、しぜんと食事の内容も軽めになっていることに気がつきました。「軽い食事には軽いワイン」でしたね。あえて、そんなことを持ち出さなくても、ドイツワインに寄り添うような食事をすれば、結果的にダイエットになるということです。

健康的といえば、ドイツワインには珍しいワインがあります。わたしも飲んだことがありませんが、デイアベチカ(Diabetikar)というワインで糖尿病患者向けのワインです。ワインの内容に全糖量の規制があり、瓶の後ろのラベルにカロリー値などを表示するようになっています。糖尿病の患者さんがワインを楽しむという発想はさすがだと思います。

中高年にさしかかると、食欲のおもむくままに、お食事を充実させて、飲みたいワインを毎日、飲んでいくのは、健康上では問題がありそうです。ワインは体のなかに吸収されるとアルカリ性に働く、ありがたい健康的なアルコール飲料なのですが、ワインのおいしさにはまり、美食を追求し、コレステロールがたまっていくのは困るというのが、わたしの正直な感想です。日常では、ドイツワインを含めて軽めのワインで、軽く食事を済ませるのが体のために良さそうです。でも、今日は土曜日ですものね。週末ぐらいは?




味のレッスン25 ドイツワイン9  5月20日(月)

試飲したワインは、ラインヘッセン州で生産されたメッテンハイマー ケルナー カビネット 98。白の半辛口(ハルブトロッケン)ワイン。格付けは高級ワインQmPのカビネット(Kabinett)。生産者は害虫駆除にてんとう虫を利用することでも有名な有機ワイン生産団体の創始であるゲルハルト・サンダー家。自然派ワイン。ブドウ品種はケルナー。購入価格は1890円。

ドイツワインは辛口と甘口のあいだに、半辛口(ハルブトロッケン)ワインがあります。半辛口ということで、ソフトなワイン想像していました。ところが飲んでみて、酸味が特出していたので驚きました。夏みかんを搾ったようなかんきつ類特有の酸っぱい酸味が、このワインの個性です。ケルナ-種の自然派ワインというのに興味があって購入しましたが、あまりの酸味に途方にくれました。

急遽、メニューを変更して、ポン酢だれみたいなものを作ります。ひと煮立ちして冷ましたワインと醤油を1対1で合わせたものに昆布をしばらく漬けておき、大根おろしを加えます。たまたま、ヒレ肉がありましたので網焼きをして、ケルナーだれで食べてみました。ポン酢とは、ひと味違いますね。なかなかエレガントです。ワインと合わせてみると、酸味が抑えられ、しっくりします。この方法は、しゃぶしゃぶなんかにも使えますね。面白いです。飲んでいるうちに、ワインも面白くなってきました。どなたにでも、お勧めできるワインではないですが。

このように、酸味が強いワインは、まずソースを作ってみて、合わせるという方法も、頭に入れてください。味覚のひとつが際立っていることが悪いわけではありません。バランスがいいワインが、飲みやすく感じられるのは当たり前の話。渋みが強かったり、今日のワインのように酸味がきつかったり、といったワインをおいしくいただくのも、あなたしだいです。



味のレッスン26 ドイツワイン10 5月21日(火)

今日はフランケン地方のワインの紹介です。画像にあるワインの瓶はボックスボイテル(bocksbeutel)と呼ばれる特殊な形状をしています。上級ワインの格付けQbA以上のフランケンのワインはこの袋状の丸い瓶に入っています。

昨晩、飲んだのは、イプホーフェン村にある古い醸造所で造られたハンス・ヴィルシング・シルヴァーナ・トロッケン99。購入価格 1600円。ブドウ品種はシルヴァーナ。後ろにある開栓していないほうのワインは エーレンバッハのヨハネス・デピッシュ家の造るゴルフ・リヴァナー ミューラー・トゥルガウ 99。購入価格1930円 。ブドウ品種はミューラー・トゥルガウ。どちらもアルコール度数11度という軽めのワイン。

フランケン地方は主にシルヴァーナとミューラー・トゥルガウというぶどう品種で辛口の白ワインを造っています。フレッシュで、すっきりとしたワインですが、一方、力強く男性的な土臭いこくのある味でも知られています。

ドイツワインといえばリースリング種のイメージが強く、昨日のケルナー種や本日のシルヴァーナ、ミューラー・トゥルガウ種などは、あまり馴染みがないため、見落としそうなブドウ品種ですが、個性的でおいしいワインができることを覚えていてください。フランケンの辛口白ワインは、和風料理との相性も抜群にいいので、もう少し出回ってもいいような気がします。ただし、流通の仕組みでしょうか。最近は、フランスあたりのワインでも、ずいぶん値ごろな感じです。ドイツワインの辛口白ワインの価格は、日本での販売価格が若干高いような気がします。

本日を持ちまして、ドイツワインのレッスンにひと区切りつけたいと思います


●リューデスハイムとワイン博物館
〇リューデスハイムとニーダーヴァルト
●リューデスハイムの隣町アスマンズハウゼンの赤ワインフェスト
〇苺のワイン さくらんぼのワイン
●アールタール(Ahrtal)
〇ヴィンツァ-ゼクト
●アールタールのワイン(Ahrtal)
〇Rebsorte(葡萄の種類)
●ツヴィーベルクーヘンとフェ-ダーヴァイサー
〇ガウ アルゲスハイムのワインフェスト
●インゲルハイムのビオワイン
〇グリュ-ワイン(der Gluehwein)
●ビンゲン
〇華昇のワインレッスン ドイツワイン編1
●華昇のワインレッスン ドイツワイン編2



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