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2011年11月13日
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カテゴリ:シリーズ京歩き

毎年、春と秋に行われる京都御所の一般公開。

訪れたこの日は、あいにくの小雨模様だったのですが、
しかし、それにも拘わらず、多くの人が御所の一般公開につめかけていました。



宜秋門



一般公開の時の御所への入り口は「宜秋門」。
ここでパンフレットをもらって、中へと入っていきます。

御所の一般公開というのは、入場料は無料なんです。



御車寄



「宜秋門」を入って、まず、最初の建物が「御車寄」。

御所の入口にあたる建物で、牛車や駕籠を寄せて乗降がしやすいように、
せり出したような形に作られています。



諸太夫の間



「御車寄」のすぐ隣の建物が「諸太夫の間」。

参内した人のための待合所、控えの間です。

「虎の間」「鶴の間」「桜の間」と3つの部屋があって、
それぞれの部屋にある襖絵の画題にちなんで名前がつけられています。

これらの部屋は、身分によって通される部屋が違うのだそうです。



新御車寄



「新御車寄」

この建物は、大正天皇の即位の礼の時に建てられたものなのだそうで、
大正時代以後は、ここが天皇・皇后両陛下の玄関になっているそうです。

訪れたこの日は、ここで「雅楽の舞」が催しものとして行われていました。

しばし、古えの宮廷音楽の世界を鑑賞です。



承明門



この丹塗りの門は、「承明門」といいます。

ここから、いよいよ、「紫宸殿」「清涼殿」など、
御殿の方へと向かっていきます。



紫宸殿



「紫宸殿」の正面にやってきました。

文字通り、この京都御所の中心となっている建物で、
天皇の即位式、立太子礼などの最重要儀式が行われる、最も格式が高い正殿であります。

大正天皇・昭和天皇の即位の礼も、ここで行われたのだそうです。

檜皮葺・高床式という様式の壮麗な宮殿建築なのでありますが、
建具に蔀戸が使われているなど、やはり、日本式の御殿という雰囲気があります。



高御座



「紫宸殿」の内部は、板敷きの広い空間になっていて、
その中央には、天皇の座である高御座(たかみくら)と、皇后の座である御帳台(みちょうだい)
が置かれていました。

これらは、即位の時には欠かせないものだということで、
今上天皇の即位の礼があった時には、これを東京まで運んだのだそうです。



右近の桜



「紫宸殿」の前庭に植えられているのが、有名な「右近の桜、左近の橘」です。

この木は、かつて、それぞれの近くに警備の部署である左近衛・右近衛の建物があった
ということに由来しているのだそうです。


続いて、次は、「清涼殿」へと向かいます。



清涼殿



「清涼殿」というのは、本来、天皇が日常お住まいになるための建物であったのですが、
次第にここが、儀式や政務を行う場所に、変わっていったもののようで、
ここでは、叙位式や四方拝などの行事も行われていたようです。

「清涼殿」の建物は、檜皮葺の寝殿造り。

「紫宸殿」がいかにも宮殿という感じの造りになっているのに対して、
この「清涼殿」の方は、元々天皇の居室であったということもあって、
より日本的な落ち着ける建物になっているように思われます。

また、「清涼殿」の前庭に植えられている左右の竹も有名です。

向かって左(南側)が漢竹(かわたけ)、右(北側)が呉竹(くれたけ)と呼ばれていて、
それぞれ、違う種類の竹が植えられています。



御池庭



さて、「清涼殿」からの通路を抜けていくと、
目の前に大きく広がっているのが「御池庭」。

池と石橋と築山を基調として造られた回遊式の庭園です。



小御所



そして、この「御池庭」の前に建っている建物が「小御所」であります。

「小御所」とは、儀式の間、あるいは参内者との対面の場として使われていた建物なのですが、
しかし、「小御所」といって思い起こされるのは、
何と言っても、幕末期に行なわれた小御所会議のこと。

王政復古のクーデターの後、引き続き行われたこの会議の席上で、
徳川慶喜をなぜ排除しようとするのかと、土佐の山内容堂が熱弁を振るったという場面が
目に浮かんでくるようです。

但し、当時の「小御所」の建物は、その後焼失してしまっているということで、
今の「小御所」の建物は、昭和に再建されたものなのだそうです。



御常御殿



そして、次が、いよいよ、参観順路最後の御殿。

天皇の住まいの場であった「御常御殿」です。


「清涼殿」が日常生活の場から、儀式・政務の場へと推移していく中で、
天皇が住まう御殿として使われていたのが、この「御常御殿」。

東京に遷都されるまでの間、実際に天皇が住まわれていた場所であります。

この一角には、孝明天皇が、いつも書見をされていたという小室もあり、
また、この前の「御内庭」という庭も、遣り水が常に流されているなど趣向に富み、
とても見事でありました。



御内庭



この「御常御殿」というのは、
天皇の日常の起居に触れられるようでもあり、
何とも、趣きが深く、素晴らしい御殿でありました。



御常御殿の絵



建物にしても、その装飾や絵画にしても、調度品にしても、
やはり、京都御所の内部は、すごいというのが印象です。

前回の日記に書きましたが、
京都御所の建物自体は、幕末に再建されたものなので、
それほど、古い建物というわけではありません。

しかし、それでも、これまで連綿と伝統が受け継がれてきているということが感じられました。
やはり、それだけ歴史の重みというものがあるのだと思います。


最上級の格式と御殿文化の粋。
今回、初めて、京都御所の内部を参観してみて、
そこには、日本文化の神髄が流れているようにさえ感じられました。





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最終更新日  2011年11月13日 13時45分09秒
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