1532510 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2011年11月13日
XML
カテゴリ:シリーズ京歩き

毎年、春と秋に行われる京都御所の一般公開。

訪れたこの日は、あいにくの小雨模様だったのですが、
しかし、それにも拘わらず、多くの人が御所の一般公開につめかけていました。



宜秋門



一般公開の時の御所への入り口は「宜秋門」。
ここでパンフレットをもらって、中へと入っていきます。

御所の一般公開というのは、入場料は無料なんです。



御車寄



「宜秋門」を入って、まず、最初の建物が「御車寄」。

御所の入口にあたる建物で、牛車や駕籠を寄せて乗降がしやすいように、
せり出したような形に作られています。



諸太夫の間



「御車寄」のすぐ隣の建物が「諸太夫の間」。

参内した人のための待合所、控えの間です。

「虎の間」「鶴の間」「桜の間」と3つの部屋があって、
それぞれの部屋にある襖絵の画題にちなんで名前がつけられています。

これらの部屋は、身分によって通される部屋が違うのだそうです。



新御車寄



「新御車寄」

この建物は、大正天皇の即位の礼の時に建てられたものなのだそうで、
大正時代以後は、ここが天皇・皇后両陛下の玄関になっているそうです。

訪れたこの日は、ここで「雅楽の舞」が催しものとして行われていました。

しばし、古えの宮廷音楽の世界を鑑賞です。



承明門



この丹塗りの門は、「承明門」といいます。

ここから、いよいよ、「紫宸殿」「清涼殿」など、
御殿の方へと向かっていきます。



紫宸殿



「紫宸殿」の正面にやってきました。

文字通り、この京都御所の中心となっている建物で、
天皇の即位式、立太子礼などの最重要儀式が行われる、最も格式が高い正殿であります。

大正天皇・昭和天皇の即位の礼も、ここで行われたのだそうです。

檜皮葺・高床式という様式の壮麗な宮殿建築なのでありますが、
建具に蔀戸が使われているなど、やはり、日本式の御殿という雰囲気があります。



高御座



「紫宸殿」の内部は、板敷きの広い空間になっていて、
その中央には、天皇の座である高御座(たかみくら)と、皇后の座である御帳台(みちょうだい)
が置かれていました。

これらは、即位の時には欠かせないものだということで、
今上天皇の即位の礼があった時には、これを東京まで運んだのだそうです。



右近の桜



「紫宸殿」の前庭に植えられているのが、有名な「右近の桜、左近の橘」です。

この木は、かつて、それぞれの近くに警備の部署である左近衛・右近衛の建物があった
ということに由来しているのだそうです。


続いて、次は、「清涼殿」へと向かいます。



清涼殿



「清涼殿」というのは、本来、天皇が日常お住まいになるための建物であったのですが、
次第にここが、儀式や政務を行う場所に、変わっていったもののようで、
ここでは、叙位式や四方拝などの行事も行われていたようです。

「清涼殿」の建物は、檜皮葺の寝殿造り。

「紫宸殿」がいかにも宮殿という感じの造りになっているのに対して、
この「清涼殿」の方は、元々天皇の居室であったということもあって、
より日本的な落ち着ける建物になっているように思われます。

また、「清涼殿」の前庭に植えられている左右の竹も有名です。

向かって左(南側)が漢竹(かわたけ)、右(北側)が呉竹(くれたけ)と呼ばれていて、
それぞれ、違う種類の竹が植えられています。



御池庭



さて、「清涼殿」からの通路を抜けていくと、
目の前に大きく広がっているのが「御池庭」。

池と石橋と築山を基調として造られた回遊式の庭園です。



小御所



そして、この「御池庭」の前に建っている建物が「小御所」であります。

「小御所」とは、儀式の間、あるいは参内者との対面の場として使われていた建物なのですが、
しかし、「小御所」といって思い起こされるのは、
何と言っても、幕末期に行なわれた小御所会議のこと。

王政復古のクーデターの後、引き続き行われたこの会議の席上で、
徳川慶喜をなぜ排除しようとするのかと、土佐の山内容堂が熱弁を振るったという場面が
目に浮かんでくるようです。

但し、当時の「小御所」の建物は、その後焼失してしまっているということで、
今の「小御所」の建物は、昭和に再建されたものなのだそうです。



御常御殿



そして、次が、いよいよ、参観順路最後の御殿。

天皇の住まいの場であった「御常御殿」です。


「清涼殿」が日常生活の場から、儀式・政務の場へと推移していく中で、
天皇が住まう御殿として使われていたのが、この「御常御殿」。

東京に遷都されるまでの間、実際に天皇が住まわれていた場所であります。

この一角には、孝明天皇が、いつも書見をされていたという小室もあり、
また、この前の「御内庭」という庭も、遣り水が常に流されているなど趣向に富み、
とても見事でありました。



御内庭



この「御常御殿」というのは、
天皇の日常の起居に触れられるようでもあり、
何とも、趣きが深く、素晴らしい御殿でありました。



御常御殿の絵



建物にしても、その装飾や絵画にしても、調度品にしても、
やはり、京都御所の内部は、すごいというのが印象です。

前回の日記に書きましたが、
京都御所の建物自体は、幕末に再建されたものなので、
それほど、古い建物というわけではありません。

しかし、それでも、これまで連綿と伝統が受け継がれてきているということが感じられました。
やはり、それだけ歴史の重みというものがあるのだと思います。


最上級の格式と御殿文化の粋。
今回、初めて、京都御所の内部を参観してみて、
そこには、日本文化の神髄が流れているようにさえ感じられました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年11月13日 13時45分09秒
コメント(8) | コメントを書く
[シリーズ京歩き] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


Re:京都御所 秋の一般公開(11/13)   灰色ウサギ0646 さん
こういう特別展のようなものは勉強して行くか、何回か行ってから見る方がいいですね。
以前アメリカ人とドイツ人の子を連れて行ったのですが、せっかく申し込んで行ったのにあんまり興味を示しませんでした。そういう時、説明付き団体行動ですのでさっさと次に行かれないのが大変でした。
次は一人でゆっくり来ようと思ったものです。 (2011年11月13日 22時43分12秒)

必ず、、   ハッピーフューチャリスト さん
一度は行ってみたいと思いました。

焼失して建て直したものとは言え
往時を偲ばせる荘厳さは伝わって来ます。

こうした伝統的な時代背景の建物を見ると、
日本人の素晴らしさとか、日本人でよかったという想いになります。
建物はもとより、内装とか調度品をじっくり見てみたいと思いました。
gundayuuさんの説明が素晴らしいので、
とても分かりやすいですし、行きたいという想いが強くなります。
落ち着いたら、京都には必ず、真っ先に行きたいと、、
今夜も思いました。
京都をゆっくり見物する夢をが叶う日を心楽しみにしています。
いつも素敵な歴史散策をさせていただき、
ありがとうございます。
感謝を込めて・・
(2011年11月14日 01時01分11秒)

Re[1]:京都御所 秋の一般公開(11/13)   gundayuu さん
灰色ウサギ0646さん
こんばんわ~

>以前アメリカ人とドイツ人の子を連れて行ったのですが、せっかく申し込んで行ったのにあんまり興味を示しませんでした。
そういう時、説明付き団体行動ですのでさっさと次に行かれないのが大変でした。

>次は一人でゆっくり来ようと思ったものです。


せっかく、申し込みをして行ったのに、残念でしたね。
外国の人といっても色々で、そういうのに興味を持たない人は日本人にもいます。
やはり、じっくりと見るのには少人数がいいと思います。
説明員も、やはり、その人によるのかも知れませんね。
(2011年11月15日 22時46分01秒)

Re:必ず、、(11/13)   gundayuu さん
ハッピーフューチャリストさん
こんばんわ~

>焼失して建て直したものとは言え
、往時を偲ばせる荘厳さは伝わって来ます。

>こうした伝統的な時代背景の建物を見ると、
日本人の素晴らしさとか、日本人でよかったという想いになります。
>建物はもとより、内装とか調度品をじっくり見てみたいと思いました。


ええ、京都御所は思っていたよりも良かったですね。
やはり、その荘厳さ、最上の格式ゆえでしょうか。
ここに立って、歴史を偲んだ時には、歴史の積み重ねを感じました。

>gundayuuさんの説明が素晴らしいので、
とても分かりやすいですし、行きたいという想いが強くなります。
>落ち着いたら、京都には必ず、真っ先に行きたいと、、
>今夜も思いました。
>京都をゆっくり見物する夢をが叶う日を心楽しみにしています。


そうですよ。
一段落、落ち着かれたら、是非、京都においでください。
ハッピーフューチャリストさん、お好みの場所をご案内させて頂きますよ。
(2011年11月15日 22時50分50秒)

こんにちわヾ(´▽`*;)ゝ   ハッピーフューチャリスト さん
松山は昨日から雨です。

愛犬との散歩が、、
雨だと時間が短くなるので困ります・・・( ̄- ̄)
最近、
腹筋もしていますが、やはり歩くことはダイエットのみならず
健康面からも欠かせないモノです。

それと、、
身体を動かすと言うのは精神面の健康にも繋がります(^_^)v

そうですね。
秋と言えば、、読書の秋もありますね。
本からも成長させていただくことは多くあります。

昨年6月から、毎月第二土曜日に勉強会をしています。
これは志の高い人間になって、
日本や世界を変えるくらいになろうという勉強会です。
隔月ですが、
自分が担当する勉強会のテキスト用の本を選ばねばなりませんが、
この作業も楽しいですね♪

自分の選んだ本から、
多くの学びの言葉が聞かれたりすると嬉しくなります。
ほほえみ塾と違って、
こちらの勉強会は、
真剣に学ぶという気慨のある人だけしか参加できないと決めています。
少ない人数でも遣り甲斐のある時間を過ごせて幸せですね。

お時間ある時に是非、一度ご参加して頂ける日を楽しみにしております\(*^◇^)(^-^*)/

忙しい合間の休日、ゆっくりなさってくださいね。
(2011年11月19日 12時08分42秒)

Re:こんにちわヾ(´▽`*;)ゝ(11/13)   gundayuu さん
ハッピーフューチャリストさん
おはようございます。

大阪は、今はくもりで天気は一日持ちそうですね。

散歩を日課にされていると、
健康にもいいし、気分転換にもなるし、色々なふれあいもあるだろうし、
良いことがいっぱいありますね。

勉強会、色々されているんですね。
どんな感じでされているのかな。
一度、参加してみたら、とは思います。
(2011年11月20日 09時07分02秒)

gcuswqn@gmail.com   バーバリーブルーレーベル さん
今日は よろしくお願いしますね^^すごいですね^^
バーバリーブルーレーベル http://www.burberryofficialoutlets.com/ (2012年11月16日 07時29分40秒)

njvylzrw@gmail.com   エルメス 財布 さん
お世話になります。とても良い記事ですね。 エルメス 財布 http://www.hermesshop.org/ (2013年04月07日 10時30分16秒)

PR

カテゴリ

お気に入りブログ

くたばれキャベツ野郎 New! 楊ぱちさん

種明かし 月の卵1030さん

武州の小城 久坂 遼さん
風雲 いざなみ日記 わだつみ判官さん
書之時  華文字   華文字さん
緑と清流 神秘家の庵さん
一 夢 庵 風 流… 慶次2000さん
turbo717's Activity… turbo717さん
文春新書『英語学習… Izumi Yukioさん
ゆうあい工房 ゆうあいママtosaさん

ニューストピックス

コメント新着

前田さより@ Re:小室信夫のこと(03/15) 歴史の研究で、歴史人物の寿命と死亡状況…
邇波 某@ Re:小野小町伝説(04/21) 多系、小野(オオノ)氏系譜。 邇波 明国彦(難…
もののはじめのiina@ 原田甲斐のふるさと 山形県東置賜郡川西町に、原田甲斐のふる…
shimanuki@ Re:ヘボンの生涯(08/12) 初めてご連絡させて頂きました。 私、株…
http://buycialisky.com/@ Re:長宗我部初陣祭ツアー(05/30) cialis gelulecialis original bestellend…
http://buycialisonli.com/@ Re:長宗我部初陣祭ツアー(05/30) cialis superior in diabetesgeneric viag…
隠れキリシタン@ Re[8]:高山右近の生涯(05/11) ゆうあいママtosaさんへ 高山右近は明石に…
gundayuu@ Re[1]:観音様と舎利子くん(04/13) yomogiさん コメントを有難うございます。…
yomogi@ Re:観音様と舎利子くん(04/13) こんばんは。gundayuuさん お久しぶりです…
gundayuu@ Re[1]:観音様と舎利子くん(04/13) 灰色ウサギ0646さん いつも、有難うござい…

© Rakuten Group, Inc.