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カテゴリ:Books
村上春樹氏のデビュー作「風の歌を聴け」を読んだ。私は村上氏の作品を最近になって読むようになった。読んだのは1Q84や少年カフカ,ノルウェイの森くらいだ。もう少し読みたいのだが,何から読んでいいのか分からず,結局最初から少しずつピックアップするという方法をとることにした。 氏の小説を読んで思うのはいつも同じで,どうして大学生の頃にもっと読んでいなかったんだろう,せめて30才の頃読んでいなかったんだろうという感想だ。きっと女の子を見る目が違っていただろうと思う。読んでいれば,もっと積極的に具体的に計画的に行動していたんじゃないかなと思う。その結果傷つく事もあっただろうがそれは遅いか早いかの問題だ。むしろもう少し早く傷ついていれば良かったと思う。きっと驕りやパワーを打ち消しいい具合に人間と交われたような気がする。だがもう,すんだ事だ。その時代は流れてしまった。少なくとも当時は他のことに熱中していたのだから。 村上氏の文章は,読んでいて心地よい文章だ。神戸をイメージさせる描写が多く,情景が具体的に浮かぶのが気に入っている。はっきりと東京と書いてあっても,そこはたいてい神戸だ。この風の歌を聴けは,元町と芦屋と魚崎あたりが舞台なんだろう。時代も空間も今の自分にはノスタルジックすぎる。氏は私より一回り上で,私たちが背伸びしたい時に目標とした世代だ。日本人がアメリカ人のまねをしていた時代の土臭さと虚無感がたまらなく懐かしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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わたしはこの作品を大学生の時に読みました。
村上さんがデビューした時でした。 すっかりファンになり、映画もみにいきました。 映画はちょっとイメージとちがってました。 このあとの「1970年のピンボール」も好きでした。 そのあとは村上さんの作品が出るのがまちどおしかったです。 でも、私はこの「風の歌を聴け」が一番好きです。 (2012年05月12日 20時42分05秒)
祝儀袋さん
コメントありがとうございます。 >このあとの「1970年のピンボール」も好きでした。 では次は「1970年のピンボール」を読んでみます。 私は,プガジャのライターだったハルキ堂は大好きだったんですが,小説家の村上春樹さんには当時関心を向けていませんでした。サブカルが好きで,ひどく気取っていたんだと思います。若かったんですね。「風の歌を聴け」は読後も,ずっと印象深く心に残りますね。 (2012年05月12日 21時25分48秒) |
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