約7ヶ月振りのパブリックコメント提出
2024年4月10日・24時までの期限で、環境省が以下のパブリックコメント(意見公募)を任意で実施しています。私は、ネットで流れてきた情報で、本件パブコメのことを知りました。周知して下さった方に感謝致します。
(リンク)
●第六次環境基本計画(案)に対する意見の募集について(3月12日~4月10日24時)
後回しにすると忘れそうなので、3月14日お昼過ぎに専用フォームから提出しました。個人的には、パブコメの提出は約7ヶ月振りです。前回の提出は防衛省が実施したパブコメでした。
第六次環境基本計画案は表紙を含めて186頁あるので、私には全体を読み込んだり、意見をまとめたりするリソース(時間・労力)は有りません。
原発とフクイチ関係を中心に提出しました。環境問題に長年携わってこられた方から見れば、全く不自由分な意見と思います。
とは言え、未提出のままでいて「公的チャネルで主権者としての意志・意見を表明しない」のが最も良くないでしょう。
私は、パブリックコメントは選挙と同じで、提出することが最優先と考えているので、「書くべき内容に迷ったら、最低限の意志表示で済ませる」ことにしています。
「理屈を喋って棄権(未提出)より、不器用でも投票(提出)」ですね。
「パブリックコメントって何?」という方は、下記リンクをご覧下さい。
(リンク/吉良よし子参議院議員事務所での、2022年1月14日の総務省レクに基づく)
●パブリックコメント(意見公募手続き)とは?~総務省からのレク~
以下、私が提出した意見です(個人情報は略)。
====提出した意見、ここから====
日々の公務、お疲れ様です。
第六次環境基本計画(案)に関して、この国の主権者の一人として意見を提出いたします。
全体が大部であり、論点も多岐に渡るので、最大の環境破壊の原因である原子力発電と福島第一原子力発電所事故への対応を中心に書きます。
●全体について
脱炭素の目標・GX法の成立は、原子力発電(核発電)を利活用する理由にはなりませんし、するべきでもありません。
どんな技術・プラントでも、「絶対安全」は無く、想定外は常に有り得ます。万一、シビアアクシデントが起これば大量の放射性物質が放出され、環境が破壊され、国土が事実上使用できなくなり、国民(人)の営みを意図せずに不可逆的に変えてしまうことは、東京電力・福島第一原子力発電所事故で十分すぎるほど実証されています。
又、原発が事故を起こさなかったとしても、
「環境中に元々存在する量を超える放射性物質が意図的に放出される」
「使用済み核燃料を始めとする核のゴミが増え続ける」
「働く人の健康が被曝によって脅かされる」
のは避けられません。
現在・未来の環境を守り、意見を表明できない次世代へ後始末を押しつけず、働く人を守るという観点から、「核技術を動力源・エネルギー源としては用いない」ことを明記すべきです。
●35~36頁の「東日本大震災・原発事故」について
政策遂行の最優先目標は、「避難指示解除」ではなく、「国民(個人)の健康と命を守る事」に置かれるべきです。個人を守らない環境政策にどのような意義が有るのですか。
空間線量・年間20ミリシーベルトの避難指示解除の基準を、事故前の「年間1ミリシーベルト」へ即刻改めるよう提言すべきです。
又、所謂「除染土」(汚染土)の再利用・拡散は、環境保全とは真逆であり、放射性物質による汚染を広範囲に拡げる行為です。除染で生じた廃棄物で「100ベクレル/キログラム」を超えるものは厳重に封印し、集中管理・長期保管すべきです。
●132~133頁の「東日本大震災からの復興・創生」について
1について
前項と同様、事故前の基準を20倍に引き上げ(20分の1に緩和)ての帰還促進策は認められません。二重基準を用いること自体、行政としての一貫性を著しく欠き、国民・住民を分断する行為です。全体の奉仕者たる公務員が、国民・住民を分断する政策を推進して良いのですか。
3について
この項目も前項と同様です。「除染土」(汚染土)の再利用・拡散はすべきではありません。
5について
相対的に低濃度とは言え、核災害由来の放射性液体廃棄物を意図的且つ大量に環境中に放出するのは、環境保護とは正反対の行為です。又、このような解決方法(処分方法)は、「核災害を起こしても、生じた核廃棄物を環境中に投棄して解決する」という、核のモラルハザード(倫理欠如)の前例になりかねません。
環境を守る為にも、人類としての倫理を守る為にも、所謂「処理水」の希釈投棄は中止すべきです。
環境省がやるべきことは、モニタリングの強化ではなく「放出中止」の提言ではありませんか。
●最後に
エネルギー源・動力源は「風力・太陽熱など加工せずに活用できるものを選ぶ」「省エネ・高効率化の推進」「蓄電池の低廉化の推進」など、核技術を用いずともできることにあらゆるリソースを動員すべきです。
環境中で分解しない化学物質の使用抑制・禁止、代替品や物質の開発や普及等についても同様です。
それこそが「未来志向」「希望が持てる30年」の環境基本計画なのではありませんか。
尚、上記の意見は私個人のものであり、他の組織・個人とは関係のないことをお断りしておきます。
====意見、ここまで====
↓ 提出時の画面
私が、過去にパブコメに提出した意見と結果の一覧
下記リンクは、私が過去(2013~23年)にパブコメに提出した意見と、募集期間・結果(提出件数・人数)です。
自分が提出したパブコメで確認可能なのは、以下が全てです(日付はブログ記事をアップした年月日)。
―2013年(1件)
●原子力災害対策指針(改定原案)に対するパブリックコメント (2013年2月14日)
実施期間:2013年1月30日~2月12日(原子力規制委員会)
提出意見:3155通
―2014年(5件)
●パブコメ提出~新しい「エネルギー基本計画」策定に向けた御意見の募集~(2014年1月3日)
実施期間:2014年12月6日~14年1月5日(資源エネルギー庁)
提出意見:1万8663件
●川内原発適合性審査に関するパブコメ提出(8月10日)
実施期間:2014年7月12日~8月15日(原子力規制委員会)
提出意見:1万7819件
●「特定秘密の保護に関する法律」絡みのパブコメを3件提出(8月24日)
「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見募集
実施期間:2014年7月24日~8月23日(内閣官房)
提出意見:1万0084通
「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見募集
実施期間:同上
提出意見:1万0998通
「内閣府本府組織令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集の実施について(特定秘密保護法関連)
実施期間:同上
提出意見:2738通
―2015年(2件)
●再生エネルギーに関するパブコメ提出(2015年1月11日)
実施期間:2014年12月19日~15年1月8日(資源エネルギー庁)
提出意見書:2025通(提出意見数は意見書数を上回る)
●パブコメ提出~原発事故の際の避難計画指針について~(3月31日)
実施期間:2015年3月5日~4月2日(原子力規制委員会)
提出意見:806通
―2016年(4件)
●「高浜原発に関する審査書案」に対するパブコメを提出~全てのリソース、フクイチへ~(2016年3月25日)
実施期間:2016年2月26日~3月24日(原子力規制委員会)
提出意見:606件
●パブコメ未提出は選挙の棄権と同じ。美浜原発3号機・40年超運転を認める審査書案に反対の意見を提出(16年8月6日)
実施期間:2016年8月4日~9月1日(原子力規制委員会)
提出意見:1390件
●玄海原発3・4号炉に関する適合性審査審査書案への意見を提出(16年11月24日)
実施期間:2016年11月10日~12月8日(原子力規制委員会)
提出意見:200件
●川内原発1・2号機の「免震棟建設撤回」に関する審査書案パブコメ(16年12月21日)
実施期間:2016年12月1日~12月29日(原子力規制委員会)
提出意見:148件
―2017年(5件)
●電力システム改革貫徹・中間とりまとめへのパブコメ提出(2017年1月13日)
実施期間:2016年12月19日~17年1月16日(資源エネルギー庁)
提出意見:1412件
●大飯原発3・4号機の適合性審査書案へのパブリックコメント(17年3月25日)
実施期間:2017年2月23日~3月23日(原子力規制委員会)
提出意見:148件
●原子力委員会の「考え方(案)」に対するパブリックコメントを提出(17年6月5日)
実施期間:2017年4月27日~6月4日(内閣府)
提出意見:728件
●「原発事故賠償の費用」と「原発廃炉の費用」に関して、第二のパブコメ~経産省はやる気満々~(17年8月18日)
実施期間:2017年7月28日~8月25日(資源エネルギー庁)
提出意見:533件
●柏崎刈羽原発の審査書案に関するパブコメを提出(17年11月2日)
実施期間:2017年10月5日~11月2日(原子力規制委員会)
提出件数:870件
―2018年(4件)
●「第5次エネルギー基本計画(案)」へのパブリックコメントを提出 (2018年6月15日)
実施期間:2018年5月19日~6月16日(資源エネルギー庁)
提出件数:1710件
●東海第二原発の審査書案に対するパブコメを提出(18年7月16日)
実施期間:2018年7月5日~8月2日(原子力規制委員会)
提出件数:1184件
●ALPS処理水に関する「説明・公聴会」に、私の意見を送付(18年8月31日)
実施期間:2018年8月1日~9月7日(資源エネルギー庁)
提出人数:135人
●「原子力損害賠償制度の見直しについて(案)」に対するパブコメを提出(18年9月9日)
実施期間:2018年8月10日~9月9日(内閣府)
提出人数・団体数:168
―2019年(6件)
● 2つのテーマ・3つのパブコメに意見提出~安定ヨウ素剤と2050年長期戦略~(2019年5月11日)
「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(仮称)(案)」に対する意見募集
実施期間:2019年4月25~5月25日
提出意見:880件
「安定ヨウ素剤の配布・服用に当たって(改正案)」に対する意見募集
実施期間:2019年5月9日~6月6日
提出意見:113件
「原子力災害対策指針(改正案)」に対する意見募集
実施期間:2019年5月9日~6月6日
提出意見:64件
●「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例案」へのパブリックコメント(19年8月15日)
実施期間:2019年7月8日~8月9日(川崎市)
提出意見:2万6514件(提出通数1万8423)
●2件のパブコメを提出~女川2号と、ハラスメント防止規定~(19年12月17日)
「東北電力株式会社女川原子力発電所2号炉の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集」
実施期間:2019年11月28日~12月26日(原子力規制委員会)
提出意見:979件
「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(案)に係る御意見募集」
実施期間:2019年11月21日~12月19日(厚生労働省)
提出意見:985件
―2020年(4件)
●環境省の「除去土壌の再利用」に関する省令案にパブコメを提出(2020年2月6日)
実施期間:2020年1月8日~2月6日(環境省)
提出意見:2854件
備考:環境省は本件省令案・告示案は制定せず、引き続き検討することとした
●六ヶ所再処理施設の適合性審査書案に関してパブコメを提出(20年6月9日)
実施期間:2020年5月14日~6月11日(原子力規制委員会)
提出意見:574件
●「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する意見募集」に意見を提出(20年7月30日)
実施期間:2020年4月16日~7月30日(106日間/資源エネルギー庁)
提出意見:4011件
●パブコメを提出~MOX燃料加工施設の審査書案について~(20年11月5日)
実施期間:2020年10月8日~11月8日(原子力規制委員会)
提出意見:557件
―2021年(3件)
●原子力規制委員会の第2回事故調査報告書のパブコメ結果・抜粋 (2021年3月22日)
実施期間:2021年1月28日~2月26日(原子力規制委員会)
提出意見:37件
●島根原発2号機の審査書案へパブコメを提出(21年6月28日)
実施期間:2021年6月24日~7月23日(原子力規制委員会)
提出意見:156件
●第6次エネルギー基本計画案へパブコメ提出(21年10月2日)
実施期間:2021年9月3日~10月4日(資源エネルギー庁)
提出意見:6392件
―2022年(5件)
●「処理水」放出設備に関するパブコメに意見を提出(2022年6月4日)
実施期間:2022年5月19日~6月17日(原子力規制委員会)
提出総数:1233件
●原子力規制委員会にパブコメを提出(22年12月25日)
実施期間:2022年12月22日~23年1月20日(原子力規制委員会)
提出総数:2016件
●原子力関係閣僚会議(資源エネルギー庁)にパブコメを提出(22年12月27日)
実施期間:2022年12月23日~23年1月22日(資源エネルギー庁)
提出意見:2555件
●原子力委員会にパブコメを提出(22年12月29日)
実施期間:2022年12月23日~23年1月23日(内閣府)
提出意見:2036件
●GX実行会議にパブコメを提出(22年12月29日)
実施期間:2022年12月23日~23年1月22日(経済産業省)
提出意見:3303件
―2023年(13件)
●「緊急避妊薬の市販薬化に賛成」の立場で、パブコメを提出(2023年1月3日)
実施期間:2022年12月27日~23年1月31日(厚生労働省)
提出意見:4万6312件
●「電力・ガス基本政策小委員会の中間とりまとめ(案)」に関するパブコメを提出(1月23日)
実施期間:2022年12月2日~23年1月25日(資源エネルギー庁)
提出意見:82件
●「家族法制の見直しに関する中間試案」に関する意見募集に、意見を提出(2月9日)
実施期間:2022年12月6日~23年2月17日(法務省)
提出意見:8445件
●「フクイチ事故の調査分析に関する中間取りまとめ(2023年版)」のパブコメに意見を提出 (2月23日)
実施期間:2023年1月26日~2月24日(原子力規制委員会)
提出意見:17件
●「特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針」の改定案に関するパブコメに意見を提出(2月28日)
実施期間:2023年2月10日~3月12日(資源エネルギー庁)
提出意見:80件
●「処理水」放出設備の運用に関する審査書案のパブコメに意見を提出(2月28日)
実施期間:2023年2月23日~3月24日(原子力規制委員会)
提出意見:163件
●「甲状腺被ばく線量モニタリング実施マニュアル案」のパブコメに意見を提出(3月14日)
実施期間:2023年2月16日~3月17日(原子力規制委員会)
提出意見:103件
●高速原子炉実験炉「常陽」の審査書案へのパブコメに意見を提出(6月6日)
実施期間:2023年5月25日~6月23日(原子力規制委員会)
提出意見:41件
●「福島復興再生基本方針」の改定案(復興庁)へ意見を提出(7月12日)
実施期間:7月7日16時~14日11時
提出意見:57件
●「核のゴミ」の最終処分場の文献調査段階の考え方に関して、意見を提出(7月13日)
実施期間:7月3日17時半~8月2日23時59分(資源エネルギー庁)
提出意見:53件
●「原発60年超運転」に向けた規則類の改定案に関して、2件の意見を提出(7月13日)
「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の改正案等」に対する意見公募
実施期間:7月6日~8月4日23時59分(原子力規制委員会)
提出意見:214件
「実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領(案)」に対する意見公募
実施期間:同上
提出意見:93件
●締め切りギリギリに、防衛省のパブコメへ意見提出
実施期間:7月5日~8月4日23時59分(防衛省)
提出意見:1306件
春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)